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五代記  作者: なっかー
序章
1/28

まえがき

作者より。


 この世界は、宇宙の星よりも多いほど、途方もないような選択の集合で出来ている。

 例えばあなたが蝶を捕まえようとしたとき、その蝶はもしかすると生物の歴史を大きく変えるような蝶かもしれない。その瞬きが気流を生み出し、それによって気象が変わるかもしれない。

 いきなり大きい話になったが、それはさておき、小さな選択であれ大きな選択であれ、世界にほんのわずかな変化を起こすことをできるということである。

 このとき、ある人物がAという選択をしたときとBという選択をしたときとで二つの世界が存在するという考えに基づいて、パラレルワールドが形成される。

 そしてこれは「if」に通じる。私はあの時、Aという選択をしたけれども、Bという選択をしていたら、と考える。Bという選択をしたときに存在するのは「if」の世界である。当然のことながら、選択の数だけパラレルワールドができるのだから、その世界はとても奥が深いし、全宇宙の星の数よりも多いかもしれない。


 さて、この「if」は多くの人々に愛され、古人の中にも虜にされた人もいる。これは「if」が知的好奇心を揺さぶるからだろう。

 その中でも、歴史は膨大な人々の無数の選択の結晶であり、「if」を考えるのに最適である。




 この度、私はこのような「if」を打ち出した。


 中世の日本において、わずかながらに他と違う、現代の日本人のような思想か、或いは近代的な合理性を求める思想を少しだけ持っていたら、どのようになるか。



 作中、少々無理のあるところが出てくるかもしれない。その際は、修正が可能な範囲では出来うる限り対処するので、教えて頂けると幸いである。




 とにかく、これは中世から近世における、五人の天才と呼ばれた人物たちの物語である。 


2018/3/16 改訂なし

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