異世界食事情
女神様から提供されたご飯はお握りと唐揚げだった。
これはあれですよ、この世界にもちゃんとご飯があるってことですよね。
いただきます。
(大丈夫ですよ、マスター。短粒種も長粒種もあります)
海苔を巻いた塩味のお握りとお新香、そしてジューシーな唐揚げである。
誰が作ったのか知らないけれど、なかなかやるではないか。
絶妙な力加減で握られた外はしっかり、中はふんわりな握り具合」。
醤油、生姜、みりん、酒、玉ねぎ、リンゴで下拵えをし、胡麻油でカリッと揚がった衣の食感と溢れ出る肉汁。
いいお嫁さんになれるよ。
まあ兎もいたり、サイズが違うけど、地球と似てるよね食材とか諸々が。
よかった、テンプレ万歳だよ。
ご飯でご飯を食べる程ではないけれど、TKGや丼物、お寿司とかをもう二度と食べられないって言われたら、悲しみで次元の壁すら破壊しそうだもの。
ご馳走様でした。
そんな遅いお昼ご飯を頂いて開始一戦目。
やっと技術として槍術が生えた。
早いとも言えるし、やっとかという思いもある。
魔法戦闘を控えた甲斐があったな。
奇しくも生えた時に倒した魔獣は丸角兎である。
綺麗にスパッと切断した瞬間にピロンってきた。
森には多くの種類の魔獣や魔物がいる。
無論強い奴は今の所避けている訳だが。
だって体長3m熊型の腕が4本とか嫌過ぎでしょ。
まだ俺には早いと思うんだよね、フラグとかじゃなくて。
勝てるとは思うけど、ボロボロにしていいならって話になってしまうと思う。
只倒すのではなく、素材を取る為に獲物を屠るとなれば、この槍だけではこれ以上奥地で戦うの厳しい。
これまでに倒した獲物達だけれども。
丸角兎、大鼠、縦縞狐、森狼、牙栗鼠、大牙猪、大樹角鹿などの獣系。
切羽梟、弾雀、人刺啄木鳥といった鳥系。
青色大芋虫、跳咬蜘蛛、虎雀蜂、灼熱蛾、幻惑蛍、大針蚯蚓といった昆虫系。
倒してはいないが、スライム、所謂、粘液魔法生物も発見した。
何故倒していないのかと言えば掃除屋さんなのだとか。
害を為す種類もいるのでそれらは討伐対象になるが、通常時は捕獲依頼は出ても討伐依頼は出ない。流石異世界人気生物さんですよ、スライム活用は異世界の基本ですからね、判ります。
でもスライムって魔法生物とされているのだけど、本当は何系なのだろうか。
粘液は浪漫なのだけど。おっと危ない、此処は話を戻そう。
何が危ないかは秘密だよ。
倒した魔物についてだが魂位で言うと2~3、魔力生体障壁値は500~900といった所だった。
道理で爆散するのがいる訳だ。
自分の実力は棚に上げておくとして、生命力も同じぐらいの数値だから強さもそれぐらいなんだよね。
俺ってば強いのか強くないのか良く判らない、弱くは無いんだがな。
本日の狩りの成果として魂位は上がっているのだから其れなりなのだと思くか。
位階:1→4
魔力生体障壁値:15350→16520
魔力量:27800→29700 回復値 22/S
生命力: 1550→ 2100 回復値 20/S
身体駆動: 2.25→ 3.17
精密動作: 3.50→ 4.29
反射神経: 17.73→17.93
思考想像: 15.32→15.49
新規技術
【槍術:3】
【生活魔法:3】
変化した部分だけを見てみると使った分がより高く上昇している。
既に評価が10になっているから上がってないけど、魔力操作と魔纏術の運用は最高値のアシストもあるが、使いこなしてきたと思う。
粗悪という程では無いけど、墨鴉や夜燕に比べれると魔力が通り難い槍を切れ味を増す為に覆うように魔力を形成したりして工夫したいたのが良かったのだと思う。
槍も使えば使うほど対魔物限定であるが、振るい方が判ってきた。
詳しい対人用の槍術は知らないけれどね。
低い位置に居る単体の敵ならば刃を横に寝かして突き入れたり、体を動かす流れを読んで突撃を躱しながら切り裂く。
穂先が頑丈だったり、魔物でなければ最初の一撃のように捻りも有効なのだろうけどね。
そんな感じの本日の反省をしながら、アイちゃんの指示に従って現在細々と作業中です。
(其方の円の中に記号を書き込みます。
はい、では一度魔力を注ぎ込んで起動させて見てください)
魔物除けの結界を構築中です。
材料は倒木から作った木の板と魔石である。
ぽわーんと光った。
これで半径3m程の単体結界になるらしいのだけれども、これに類似した物を6枚用意して相乗効果でなんと半径50m程の結界を作り上げるのだそうです。
薪も料理する分には多いぐらい異次元倉庫集まってるしアイちゃんに死角無し、まあ夜に何かあれば生活魔法で明かりをつければ良いので問題は無い。
さて料理だよ。
異次元倉庫は時間が止まっている、つまり、新鮮なままのハツ刺しが可能である。
此方には完全体の鑑定さんとアイちゃんがついている。
一応火を通すけれど、細菌とかが居るかどうかのチェックをすませば生食レベルのお肉っていうことだよね。
調味料が現状錬金で作り出した塩と油しかないという事だけど。
フッ、そんなのは問題にならない。
綺麗に血抜された丸角兎と大樹角鹿の心臓やバラ肉を透けて見えるようにスライスした物と脂身を取り分けて用意する。
割って作った平石を薪の上に置き十分に熱したら、脂身を乗せる。
音を立てながら脂身が溶けたところへハツや肉を置いて炙る。
軽く塩を上から振りかけてパクッと口にいれる。
コリコリジューシーである。
牛のレバ刺しが食べれなくなって久しいけれど異世界は技能を使えば問題は無い。
正直牛だろうが無菌豚だろうが、検査して安全でもその後が危なければ同じだと思うんだよね。
偽装だなんだと日本人の恥のような事件もあったからそれも相まって過剰反応しすぎだとは思うのだけど。
だってフグがOK生ガキがOK、ユッケもOK、なのにレバ刺しは検査してもダメってなんぞその中途半端なジャッジと思ったものである。
出す店は責任を持つこと、食べる人は煙草と一緒で自己責任でよかったのに。
ビバ異世界、俺は異世界でレバ刺しを探す。
(除菌、解毒系統の魔法を使われたら宜しいかと。
但し生食文化が殆どありませんので奇異な目で見られると思いますが)
おうふ、一瞬で解決したよ。
そんな食事を終えて、食後の一服を楽しみながら魔法の練習をしている時にアイちゃんから報告が上がった。
連投中
読み直した筈なのに誤字とか修正点があるのは何でだぁ
誤字脱字あったらすいません