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チキン!  作者: せおはやみ
古の契約編
6/51

いざ、村にはまだ行かない

【異次元倉庫】は出し入れに際して物体の大きさに比例して魔力を消費するが、その容量無限というチートっぷりが凄まじい。

 まさに基本チートだ。

 更に、アイちゃんの管理するインベントリ機能で装備の着替えが一瞬で可能である。


 武器と同じく、現状で可能な強化と隠蔽は既に済ませてもらった。

 普通の服はどうしたのかという話ではあるが、命に関わる事なのだから当然の事ながら性能が最優先である。

 自重何それ美味しいの、んなもん食ったら腹壊すわ、正に片腹痛いとはこのことだね。


 名称:銘仙上衣

 分類:闘衣

 位階:伝

 特殊:再生:天衣無縫:清浄


 名称:斜紋重藍下袴

 分類:闘衣

 位階:伝

 特殊:再生:天衣無縫:清浄


 名称:天鵞絨外衣

 分類:外套

 位階:伝

 特殊:再生:天衣無縫:清浄:空調


 闘衣と何処かで女神を守って戦いそうな名前で鎧に分類されている。

 しかし、見た目は生成色のシャツと濃紺のジーンズ、それに燻んだ濡羽色のマント。

 見た目は普通の癖に、これら装備品は全て位階:伝。

 物の作りに至っては強化を施す前から元の設定である天衣無縫の影響で縫い目がない。

 何処かの宇宙服みたいだ。

 天衣無縫だからと言って装備しても限界を突破したり悟りを開いたりしない。

 似たような能力が既にある。


 そんな普通じゃない服とはいえども服は服。

 なのに服の防御力が並みの鎧よりも強力なのはファンタジーだ、ここらはアイちゃんに任せたからね。


 服の事を考えすぎて服がゲシュタルト崩壊した。


 ズボンが落ちないように革製のベルトを締める。

 ベルトの上には薬品を差し込んだガンベルトっぽい剣帯を腰に回し、右側に狩猟用短剣、刀の大小は左側に佩いていた。

 ちょっと鏡で確認してみたい気もするが、見たら悶絶しそうで勇気が出ないわ。

 鏡ないけど。


(鏡はご用意しなくて大丈夫ですか)


 ええ、大丈夫ですよ、勇気がでたら用意してもらうよ。


 さて、其処まで装備しておいてなんだけれども、今俺が手に持っているのは此方。


 名称:鋼鉄の槍

 分類:槍

 位階:逸

 特殊:難壊


 そう、槍である。

 流石にね、魚だなんだは三枚に下ろした事もありますよ。

 噛みついてきた犬を殴り返したこともある。

 学生時代には其れなりに殴る蹴るといった喧嘩もしたが、何かしらの生物と殺し合いまではした経験はない。

 まあ当たり前か。

 学生時代にバイトしていた寿司屋で毎日魚は絞めていたし、鶏レベルなら食料にする為にサバイバルキャンプで捌いた事はあるけどね。

 やっぱりそれと殺し合いは一緒にできない。


 なので間合いがある分有利だろうと思い、槍を出してもらった。

 一般的な槍がどうかは知らないのだが短いらしい。

 約2m程の長さで、刃の部分が25cm程だろうか。

 元の材質がどうやら刀とは違い良くないらしく、強化が余り出来なかった。


(この槍は普通の人間が作成した物でしたので素材も一般的、新たに材料組み込めない現状ではこれが限界値でしょう。

 ですが難壊を付与出来ていますから戦闘には耐えれるかと)




 さて、戦闘準備も整った事だし、索敵してみますかね。


(マスター、町へは向かわないのでしょうか。

 資金は取り合えず生活する分には問題ないかと思うのですが)


 うん、行かない。

 アイちゃん俺の現状の強さってどれぐらいかな。


(ステータスで見る限りですが。

 情報と比較して、おおよそ中級冒険者と言われる程度の力はあるかと)


 だよね、まあコレクエの仕組みもあって弱くは無いと思ってたからそこはいいんだ。

 けどさ、技術として使える技があろうが、魔法が使えようが、ましてや能力として付与されてても使い熟さないと、まだ俺の力じゃ無いんだよね。

 だから、俺の力になるようにしないといけないってわけ。


 腰につけたホルダーにしまってある煙草を取り出し口に咥える。


「焔、っちいい」


 ほら、こんな風に使いこなせて無いと事故の元だよ。

 あっぶねえ、前髪がちょっと焦げた。


(マスター、其れは今お使いになったのが遊戯魔法の攻撃魔法【焔】だからです。

 何故使用できたのかはさておき、この場合にお使いになられるならば情報魔術の利用が適切です。

 魔法がご希望の場合は新たに【生活魔法】の取得をお勧めします。

 幾ら恰好を付ける為と言えど自爆行為はお勧めできかねますので)


 恰好つけてたのがバレてました。


 俺はこの会話の後、速攻で生活魔法を教わることにした。

 恰好つけられないのって俺のテンプレなのね。



 気を取り直して、検証である。

 そうそう、【焔】は小型の火炎放射器みたいな魔法で、一秒当たり魔力が5程消費される魔法だった。

 なので魔力量に変化は全くなかった。

 しかし威力を上げたりすると消費量が増えるそうな。

 色々と考えて使わないとな。



 ここで魔法と魔術の違いだけ知っておくとアイちゃん曰く。


(魔力消費が多く自由度に富むのが魔法。

 消費が少ない代わりに決まった形になるのが魔術だと覚えておいて頂ければ。

 但し何事にも例外はあります)


 なるほどである。


(魔法はイメージで理を捻じ曲げ現象を起こし、魔術は理に働きかけて現象を起こします)


 あれ、そうなの、だったら技術の魔法って。


(お気づきになられた通り技術として登録された魔法は魔術に近しい形で理に認識されていると言う事になります)



 イメージそれは所謂ラノベでの定番、王道、ワンパターン、だが滾るな。

 現状で魔法や魔術の技術は魔力操作。遊戯魔法、時空魔法、情報魔術、魔纏術か。

 いやまてよ、もしかしてだが、魔法が技能として技術に近しい形で登録されていると言う事は。


(お察しの通りです、技術とは理からのアシストを受けた魔術的な要素を含む物が大半です)


 やっぱりそうなるのか、とすればステータスというモノ自体が理っていうこの世界を覆う魔術、いや神様の作った理という奇跡で出来てる一つのシステムな訳だな。


(ご明察です)


 それで俺には魔力操作が能力として付与されている。

 スマホ機能の力が技術として既に組み込まれている訳だから、こんなことも出来るのではなかろうか。

 えい、っと魔力操作をしてみる。


 第一項 基本項目

 名前:クロウ

 年齢:――

 性別:男性

 種族:ハイヒューマン

 魂位:1

 魔力生体障壁値:――20000/15350

 魔力量:――――――23150/27800 (回復値 19/S)

 生命力:―――――― 1550/ 1550 (回復値 12/S)    

 状態:正常


 ふむ、最大値は増えないけど、魔力生体障壁値は増やせるか。

 さらに魔力生体障壁を操作してみる。

 うむ、形も変えられる、成程ね、これが【魔力操作】か。

 ありゃ、これ少しづつだけど継続して掌握してないと最大値を超えてる分は自然に発散していくのか。

 勿体ないな引っ込めよう。


(為された事が想定外ですね。

 これならシステムのエラーが出るのも致し方ないのでしょう。

 マスターのされた防御力の強化でしたら、技術で魔纏術を利用し防具に魔力付与する事により同等の効果を発揮できます。

 そちらでしたら許容量の範囲内であれば魔力の拡散が発生しません。

 同様に武器に付与する事で敵の魔力生体障壁を減少させる事ができます)


 成程、要はその削りあいが此方での戦闘の重要な要素ってことか。

 普通に攻撃してるだけじゃダメなのか。


(魔力を持った武器などであれば通常の攻撃にも意味がありますが、魔力の全く無い攻撃では障壁を通じて衝撃を与える事は可能でもダメージを与えたり、切り裂いたりする事は不可能です)


 それも一つの理って訳ね、了解。

 であるならば、この世界には銃器って発達してなさそうだな。


(そうですね、口径の小さな銃弾では強者の魔力生体障壁を貫けません。

 火薬式の銃にコンセプトが似た魔銃が開発はされましたが、此方も意味を成すほどの弾丸を作るにはコストがかかりすぎるなどの問題があり開発中止になっているという情報があります)


 まあファンタジーだもんな。

 銃より剣とか弓だろうよ、浪漫だもの。

 仮に銃があってもやっぱり魔銃であって欲しい。

 でも開発中止ってことは既に何かはあるってことだ。

 収集しておきたいアイテムだなあ。


 そうだなこの世界で何をするかも決まってないけど、コレクエの続きをやってみようか。

 兎に角、材料を集めて武器を強化したり、色んな物を作ったりだな。

 流石にゲーム時代みたいなキャラ系は無理か?

 いや能力を使えばカードも作れそうだしなんとかなるかもしれない。


(目的を持つのは良いことですね、マスター。珍しい物のリストを作成しておきます)

連投中

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