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チキン!  作者: せおはやみ
古の契約編
4/51

持ち込み可

 異次元倉庫、所謂インベントリですよ?

 基本チートの定番じゃないか。

 なんでこれスルーしてたんでしょう。


(恐らくはマスターは説明前後で不老の方に多大な衝撃を受けておられたからではないでしょうか)


 あるあるだな、如何にも俺らしい。

 それで、これってどうやって使ったらいいのだろうか。

 定番の詠唱その2かな。


(異次元倉庫の内容は此方で把握しております。リストを作成、表示します)


 無詠唱ですらなかった。


 でもリスト化とか助かるね。

 中に何を入れてるか判らないとか普通にあり得るし。

 って、流石スマホ機能付きアイちゃんの仕事が半端ないです。

 ティロンと現れたのは画像付きフォルダだった。


(文章だけでの一覧では判り難いと思いましたのでアイコンやカードを参照し、能力を利用して作成しております。

 尚、類似品等は一括してフォルダに纏めて置くことが可能です)


 なるほど、女神様からの必要最低限の物資と、無くなったコンビニエンスストアのビニール袋的な何かだけか。

 武器とかでのフォルダ作成は可能だろうか。


(可能です、アソート、分類作成、表示内容を変更します)


 武具、薬品、食品、採取、雑貨、衣類されてる。

 

 有能な秘書みたいだね。

 にしても、すっごい今更だが、アイちゃんとの会話が全て脳内でやり取りされている件。

 つまり思考がダダ漏れ的な感じがしてる。


(ええ、今更ですが、まるっとお見通しですよ。

 あんなことからこんなことまで)


 え、ドウイウコトですかね。


(問題はありません、私はそういう存在ですので。

 マスターの趣向がどうあろうと常にそれを肯定しております、ええ、多分)


 スルー力が凄すぎると思ったら不穏な発言が続いてた。

 すいません、最低な変態ではないとおもってます、です、はい。


 冷や汗が引かないけど流しておこう、色んな意味で。

 上手い事言おうとしても意味がないけどね、筒抜けで。


 さて、冗談は此処までにしてだ。

 この異次元倉庫に入っている内容なのだけれども。


(まず自動的に与えられたアイテムがありました。

 上下衣服、外套、防具一式、武器一式、生命力回復薬、状態異常回復薬、食料三食、水筒、地図です)


 正にこれぞ初期装備って奴だろうな。

 冒険者用初心者セットがあるなら申し分ないよね。


(一部のアイテムも品質としては悪いものではありませんんでしたが、使用されるのであれば能力によって改変する事をお勧めします)


 古の契約でもらったアイテムが速攻でディスられている、哀れだ。

 というかだ最低限でも改変前提なのね。


(はい、まずコレクエの技術は利用可能ですので、魔法によって改変が可能です。

 ですが其れほど装備に関してだけは問題がないかと思われます)


 古の契約のバグ具合が凄すぎる、いや本当に、ご都合主義万歳。

 

 普通に遊んでいたゲームだけど、コレクエのサービス自体がまだ開始から数か月しか経っていなかったのでライトユーザーな俺のキャラはカンストもしていなかった。

 当然だけど、装備もまだ最強まで育て上げて無かったからなあ。

 それにゲーム自体がまだ成熟してなかった。

 テコ入れとも、シナリオ進行とも言われる大規模なアップデートがまだ二回だけだった筈。

 そう考えると、よくある殲滅魔法とか凄い魔法はまだ使えないってことだよね。

 しかし変わったゲームでもあったからなあ。

 数か月とはいえ普通に遊べば、目的の一つとも言える人気絵師の書いたキャラクターのコレクションカードや人気声優のアプリケーションボイスなど埋まってしまいそうなものだけど無理だったんだよね。

 様々な企業がダンジョン側で参加してて、企業キャラクターとかを投入した結果なんだけどさ。

 コンプリートは事実上不可能。

 ボイスで企業名を喋ったりさせてとか、あからさま過ぎてて引いたよ。

 だけどこの企業が参入する広告システムって運営、企業、ユーザー全員にメリットがあったんだ。

 実際に上手く使えば企業宣伝になるのは間違かったし。

 ゲーム会社に齎される利益が生じるわけで、実際に無料で有料のガチャなんて無いのに運営出来てたから関心した。

 広告の例を挙げればポーションのネームは其のままに現実のドリンク系の外観をデフォルメして登場させたり、中にはダンジョンのコレクションアイテムとして割引券や引換券なんかを登場させたりと様々だった。


 話が逸れまくったな。


 実際のリストを見てみよう。

 まずは武器からいこうか。


 武器

 →刀剣類 2

 →槍類 1

 →弓類 0

 →その他 0


 なるほどね、まあ今の所は装備が使えるかどうかかな。ポチポチポチっと。

 あ、自分説明書読まないタイプなんで百聞は一見にというより感じろ派。


 刀剣類 2

    →刀 2


(スムーズに展開できるようなコンセプトにしておりますので問題はありません)


 さすがっす。


 でそれがこちらっと。


 名称:黒鴉

 分類:刀

 位階:逸

 特殊:――


 名称:夜燕

 分類:刀

 位階:逸

 特殊:――


 うお、ってこれあれか、キャラクターが装備してた武器防具だけはそのまま再現されちゃったかぁ。

 そりゃ問題ないっていいますわ、だってコレバージョンアップ後のお気に入りだった刀の名称だもの。

 鑑定結果は刀で統一されちゃってるけどこっちの世界基準なのね。

 因みにゲームでは墨鴉が太刀、夜燕が脇差である。

 これ攻撃力評価が無い、特殊効果とか苦労に苦労を重ねた強化とかは無くなってのだろうか、ちょっと悲しい。

 それにしても、この逸ってどんなもんなんだろうな。


(此方の世界では其れなり評価です)


 ほう、確かにゲームでも手に入れるのに可也苦労した材料で頑張って作ったからね。


(補足までに、上から、神、幻、伝、宝、逸、特、優、上、中、下となり上から5番目の評価です)


 まあ此れ位のアイテムだから再現されたのかねえ。これを強化するってことだよね。


(現状で可能な付与をしようと思いますが如何でしょうか)


 お勧めの付与か、うん、元のアイテムのステータスに戻せ無くてもこっちで安心して使えるようにはして欲しいな。


(承りました。

 能力開放、術式展開、錬金付与。

 異次元倉庫内での術式の稼働を確認。

 ――行程を終了。

 現状で可能な範囲の強化、付与を展開しました)


 名称:墨鴉

 分類:刀

 位階:宝

 特殊:不壊:霊斬


 名称:夜燕

 分類:刀

 位階:宝

 特殊:不壊:飛燕


 おぉ、元の墨鴉と夜燕についてた付与が少し戻った。

 ってちょっと、位階が宝!? 強化ってレベルじゃないんですけど。

 こんなの持ってて大丈夫なのかな。


(最高腕前をもつ鑑定職人でも鑑定は不可能にしております。

 それ故に価値が判らないことで目をつけられる可能性は考えられます。

 能力で偽装は可能です。

 処理中――終了。

 お待たせしました偽装情報を作成、位階を逸へ、特殊効果を未表示、アーカイブ上でも念のため同等の表記としました)


 流石アイ様仕事が早い。

 なんで様付けかって? そんなの当たり前じゃないか、俺よりも有能なんだもの。


(ノー、マスター、呼称は『ちゃん』を希望します。

 上下関係ははっきりさせておきましょう。

 呼称に関しては現状の物のみでお願いします。

 それ以外は許可できかねますね、ええ)


 わ、判った、アイちゃんね。

 ブルって悪寒が走ったんですけど。

 やっぱり女性の呼称は可愛らしいほうがいいよね、うん、逆らえないとか思ってないっすよ。

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