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チキン!  作者: せおはやみ
古の契約編
21/51

勝手にやっただけなんて言ってみる

 オッサンは治療が終わったと思ったら頭を両手で抱え込みながらも絶叫して立ち上がり首を縦に何度も振っていた。

 頭振り過ぎて気持ち悪くならないかね。

 そんなにヘッドバンキングしてマッチョなヘヴィメタって新しいジャンルか。


 ――ピコーン


 あ、技術増えたのか。

 って音が違うきがする。

 まあ後で久しぶりに確認だよね。


「ぬぉぉぉ」

「アラ、うちの旦那の思考限界を突破しちゃったみたい」


 いやさ、歓喜に震えてもいいんよ、と俺も思ってたんだけど、なんで頭振ってるのさ。


「クロウ、おまえさぁ。

 確かに一つや二つ増えたところでと思ったよ。

 だから俺もついつい言ったさ。

 この際ってな。

 そして確かに知っておいた方が良かった。

 ほんとーに良かった。

 何してんのお前」


 治療ですが何か。

 いや煽るつもりはないから。

 素で治療以外してないからね。


「えっと治療ですけど」

「治療はいいさ、治療はな。

 あー駄目だ此奴本当にわかってねえ、序にお前らもまだわかってねえだろ。

 だからそんな冷静に聞いてられるんだよぉ」


 オッサン混乱の極みですな。

 落ち着く魔法でも打ち込もうかね。


 まあ、多少はほら中を見れる的なチートを惜しみなく発揮して治療したわけですし。

 頑張ってやったから左膝も完治だぜ。

 これでオッサンは「この膝さえ治っていたら」的なセリフを使えない。

 娘の相手とのガチンコでこのセリフを言えないと言う事だ。

 あ、でも膝まで治ったらどうなるんだろうな。

 元々一般人だと絶対に勝てないんだよ、あの膝の状態でもさ。

 一流の冒険者でも完治したオッサン相手に勝利を掴むのは無理だな。

 やっちまったかね。

 済まない、まだ見もしてない娘さん。

 貴方の結婚相手は大変だわ。


「もう、あなたって大体大げさなんだもの」

「その……クロウ様が何かするのにもう驚き疲れてまして」

「俺の嫁さんが何気に酷でえ、まあクリスティーナの感想には同意したいけど今はできねえな。

 いいかお前ら、一つ目だ。

 クロウは今さっき俺の魔力生体障壁を部分的に凌駕するでも無く、まるで無いかのように治療魔法を発動したんだぜ。

 んで二つ目。

 しかも神官よりも凄い治療を神に祈らず手も当てないで済ませた。

 三つ目。

 俺の腕と足が治ってやがる、完全に元通りだ」

「え、ちょっとまってね、えーとよかったわねあなた。

 それで驚く前にクロウさんお礼を言わせてちょうだいね、本当にありがとう」

「待ってください、今の話ですと魔力生体障壁ごしに治療魔法を発動して神殿で無理だった傷を完治させたというのですか」

「これは思考限界を突破するどころじゃないわね。

 ウチの旦那の魔力生体障壁を無視して、しかも手を当ててない訳よね」


 あれ、可笑しくないかその驚くポイント。


「え、だって治療魔法って相手の魔力と同調しないと使えませんよね。

 だから普通に同調させただけなんですけど」

「まったく、常識が崩れそうだぜ」

「フフフ」

「クロウ様、戦闘時だろうと平時だろうと、自分以外からの魔法というのは魔力生体障壁に干渉されます。

 次に治療するにあたって仮に魔力障壁値が減った状態で治療を施すにしても、体内にある魔力に同調するのは無理でしょう。

 直接肌に触れて施して治療する表面の切り傷ならともかく、手を触れないで体内まで効果を及ぼすような高位治療魔法など聞いたことがありませんね。

 そして何より神に祈る神殿の治療魔法で治せなかったものを祈らずに治しています」


 おうふ、またクリスティーナさんがお説教モードに。

 クリスティーナって長いからティーナかな、それともやっぱり禁止でクリスなのかな。

 いかん現実逃避しそうになってた。

 どういうことぉアイちゃーん。


(おかしいですね、神殿関係からの情報でも手を当てての治療行為が絶対にでは無いはずですが)


 たしか神様システム的なあれだよね。

 神秘を神様から授けられた魔法としてってやつ。

 うーん、あっ、そうか神秘は神様のシステムを経由するから使う方も、そして使われる方もシステム的に魔力が操作までされてるのかもしれない。


(可能性はあります、一般の治療院などのデータを検索します。

 傷の処理などは手を離していますが、一部骨折などは手を当てるようです、申し訳ありませんマスター)


 あーいやいや、そこまで考えてなかったの俺だからオッケーよ。

 ある意味こうなる事を前提として話したわけだからさ。


「まあ、でも難しい事をしてるんじゃないんですよ。

 魔力操作で同調させた後にそのまま体内の治療をしただけで。

 元から驚かれるのも前提ではあったので、予定通りと言う事で」

「だが、これも知られたら神殿が……」

「ええ、神の奇跡と讃えるか、もしくは神の力を勝手に使ってると難癖をつけるか」

「私としては治療を施した内容が気になりますが、確かに神殿は厄介ですね」


 神様の名前を使って難癖なんてつけたら危なそうな世界だけどなぁ。


(過度に実在する神の名を使った行為で神罰が起きた例はあります)


「ブーンさんの腕と足、たまたま同じ症状だったんですけどね。

 簡単に説明すると骨が治る過程奇形になおっちゃって、神経っていう感覚とか動かそうとする意識を体の各部分に伝える糸みたいなものがあるんですけど、それを圧迫して痛みを伴って力が上手く入れれなくなってたのと、そんな状態で酷使してた影響で靭帯とかが炎症を起こしてましたから、それを治療魔法で治したんですよね。

 多分同じ症状なら神様の奇跡なら左右の腕と見比べながら施してもらえばいけるんじゃないかなあ、一般の治療院だとちょっと判らないですけど」

「うーむ、それでもやっぱり神殿がうるさそうだ」

「お布施に関わるから可也厄介よ」


 腕を切って手術するって考えは無いだろうし、構造がどうのこうのと詳しく教えられないしなあ。

 お布施かあ、そうだなあ神様のシステム的な問題だもんなあ。

 でもなんでも神様任せで進みすぎるのはどうかと思うんですよ、元日本人的に。ええ、今日本人というか人止めてるんで。

 でも一つだけ名言ができそう。

 進み過ぎた魔法は最早神の奇跡にしか見えない、パクリ的な。


「しかしよ、俺は一体何をしてクロウに受けた恩を返せばいいのだろうな、娘に俺の腕……」

「じゃあ、美味い飯でお願いします」

「クククッ、マルの言う通りな奴だな。

 どうせ金は受け取らないっていうんだろ」

「ええ、勝手にやらせてもらったんで」

「何にせよ本格的に礼を言わないといけないな。

 有難う。これからは親しい奴らが呼ぶようにブンと呼んでくれ。

 この分の礼は料理で返すぜ、お前のお陰で今まで以上に美味い飯を提供できるだろうからよ」

「じゃあ、私もマルでいいわよ、それと、今は大人しく寝かし(拘束)つけているから挨拶には来れないけど、娘共々これから宜しくね」


 料理の美味い下宿先、ゲットだぜ。

ちょっと更新方法を模索中

一度纏めて投稿して反応をみたいなと


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