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世界はやさしいね  作者: 玻璃乃月
3/31

第一章乃 さん

父は、とてもユニークな存在だった。

私がカメラが欲しいと言った時、

彼は、こう返した。

「半分出そう、今までの君のお年玉を貯金してある

 そこからね。

 後半分は、自分で働いて出しなさい。」

資産家の父からすれば、大した金額ではないだろうに

これも教育というものだろうか?


私は、木の上から夕焼けを眺めるのが好きだ。

様々な複雑に織り成す色相を見るのが好きだ。

いつの頃からか、それを記憶だけではなく、

物理的に残したいと思うようになった。


最初に思いついたのはカメラだった。

これが良いと思ったのが、何故かフィルムカメラで

Canon NewF-1というカメラを購入する決心をする。

決して安い買い物ではないため、父に相談したところ

前述の回答であった。


半額分を私は、肉体労働で稼ぐこととした。

すでに巫女としてのやることは身に着けていたので、

小学校が終わると、脇目も振らず帰宅し、

自宅の神社にて、見習いさん達に混じり、

見習い給料を時給換算して、毎日2時間働くことで、

数ヵ月後には、このカメラを手にすることができた。


折り良く、小学校には新しい教頭先生が赴任した。

かの方は、県展で常連の写真家でもあった。

考えれば、タイミングが良過ぎるだろう。

カメラ購入までに、誰かが手を回した事を

今では確信している。

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