猛暑日の叫び声
こんにちは( ‘-^ )b
よさので~す改稿ついでに変えます
今よりこのくらいのがうまい気がするのは錯覚と思いたいですね。
轟音が鳴り響いている。さっきまでいた世界とは違う。冷たい雨が降り注いでいた。こうして僕は暗い闇の中に落ちたのだった。
その日は随分と暑くて、熱中症の患者もわりかし多かった。そんな高校1年生の僕、鈴木智保は彼女の詩音と家で西瓜を食べていた。
詩音は極度の恥ずかしがり屋だ。あまり会話も続かない。でも、そんな所もまたよかったり。
........思い返すと色んなことがあったよね。元々詩音は幼馴染み。小さい頃名前がコンプレックスで虐められていた僕をよく助けてくれていた。一方詩音も虐められていた。僕は気付くことが出来なくて、知らず知らずに詩音を傷つけていた。本当に優しい奴だ。許してくれているなんてね。
彼氏、彼女になったのは去年。僕からの告白でなんなりと受け入れてくれた。その後は初手つなぎ、初ハグ、初キス.....物凄いペースでしてしまった。はっきりいって詩音は着いていけてないだろう。また詩音を傷つけてしまったら.....なんて考えてる。チリンチリンと風鈴がなった。悲しい音だった。
「智保......」
普段は明るくて笑顔沢山な詩音が、顔をうずくめていた。
「どうしたん?」
「千夏...いやや...怖い」
”千夏”
悪寒が襲うのがわかった。いつだっけ...
苦しい記憶が脳裏に浮き上がる。
あの日もまた猛暑日で、まだ小さかった僕等はクラクラする視界に目を細めていた。陽炎だろうか。地面が揺れ出す。あまりの暑さに反吐が出そうだ。涙目になりながら僕等は病院を目指していた。
千夏.....。詩音と同じ古くからの付き合い。幼馴染みだった。性格は怖いわ厨二病拗らすわ、少し心配だった。違う意味で心配しなきゃいけなかった。
千夏は自殺しようとしたのだ。
リストカット。千夏はそれもまた酷かった。ズバズバと動脈を切った事で手術までの大事になった挙句、AB型だった千夏は輸血が足りなかった。
つまり、千夏は天国にいった。
死んだ。
思い出すだけで頭が痛い。病院に行った刹那死ぬなんて。
漫画の様な話は本当に起こるんだと初めて気がついた。3人でいた日々はほんの一瞬で崩れ去っていった。
残された僕は冷徹で物悲しいセカイ
に堕ちたように腐っていった。
夢だと思いたかった。
目が覚めた。そこは地獄でもなんでもなく、いつもの僕の家の中だった。
「なんや。夢か。」
埃塗れの扇風機はガガガガッと音を立てている。なかなかリアルな夢を見たなと自分でも呆れた。
するといきなり聞きなれた音が鳴り響く。
プルルルル......プルルルル......
電話....か。久しぶりだから吃驚した。
ピッ
「もしもし。鈴木で...」
「もし.....もし.....詩音です。智保......ですか?」
異常に震えた声だった。嫌な予感がした。
「智保やけど...なしたん」
「千夏.....千夏......」
驚いた。
まさか、と思い聞いてみた。
「詩音も千夏の死ぬ夢...みたん」
問いかけた僕は勢いのあまり前のめりになっていた
「やっぱり...。ごめんもう嫌や.. 。千夏に電話したんよそしたら ....。」
「そ、そしたら.........?」
僕は肩を震わせて返事を待った。
まあ悟っていた。だろうなとは思っていた。
でも信じがたい事実で、しかも、あいつが。
正夢....というものが初めて証明された。僕の中で。
「.....ねぇ」
詩音は下向いたまま話始めた。
「こんな話したくなかったんやけど実はな...私もリストカットしとるねん...ごめんなあ言わんとって」
少しだけ驚いた。元から根暗なとこもあるし千夏に比べれば ....って感じだったけどもちろんいい気はしない。嫌な予感しかしない。
何をすればいいのかわからない。だって下手すれば千夏みたいに...
考える度悪寒が僕を襲う。
詩音は咽び泣いていた。嗚咽がたまに聞こえた。
真夏なのにすごい寒くて僕は疲れた。
詩音は泣きつかれたんだろうな、二人して眠っていた。