真っ暗闇
「まりあ!!久しぶり」
「…。」
まりあは言葉が出てこない。
今、私は売りしてる真っ最中。
見られたくなかった??ううん、違う。そんなんじゃない。こんな奴、知らない。
「なんだ。君達、男が着いてるのか!?危うく騙される所だった。」
そうゆうと、おやじは去っていった。そしてえりが
「待ってぇ〜。」
と、言って追い掛けたがおそかった。
「もう。せっかく捕まえたのに!!まぢ、ありえない。てか、まりあ??この男だれぇ??もしかして彼氏??」
「ちがう。」
「嘘吐き。まりあもなんだかんだ言って、やるぢゃω。」
そうえりが話してると、りょうはいきなりまりあの手を掴んだ。
「何!?離して。」
「無理!!着いてこい」
りょうはまりあを連れて、走り出した。
「まりあ〜待ってよ。」
「ごめん!!まりあ借りる。」
「なんだ。ある意味ラブラブぢゃん!?」
りょうとまりあはえりの前から、去っていった。
「痛い。離して!!」
りょうは、離してくれない。ただ無言にまりあを引っ張ってく。
「もう、どこ行く!?シツコイの嫌い。離して。」
りょうは立ち止まった。そして荒い息で、
「まりあ!?体売ってる??」
まりあは、震えた声で、
「う、うん…。」
「何時から??」
「もう、一年になる。」
「…。」
りょうから返事はなかった。
そして沈黙が続き、二人はどことなく、路上のコンクリートに座った。
人はだれもいない。
聞こえるのは、遠くの方で車の走る音と街のうるさい音。まりあの方から切り出した。
「あたし、売りしてる…。」
「…。」
何もいわないりょう。
「もう、嫌いになったでしょ??あたし汚れてる。」
「汚れてない。汚れてなんかないよ。」
「なんで!?そんなの、あんたにわかるの!?だいたい、売りしてもあんたなんかに関係無い!!」
りょうはまた黙った。
「だまってても何も分からない。もういい。あたし、帰る。」
そういって、まりあはりょうの前から去って行った。
去って行く、まりあにりょうは、なにも言えず、追い掛ける事もできなかった。
まりあは、帰り道。
なぜか涙がこぼれた。
りょうも、路上にうずくまっていた。空には何もない。まっくらで、寂しくて。