冷めた日々。
季節はだんだんと、世の中を冷やして行く。
そして、冷たくなった街へ、まりあは足を運ぶ。
あんな目に逢ったのに何も変わらない。まりあは前にも増して、冷めきっていた。
「4でどう??」
「だめ、5」
冷めた街に響く会話。
だれも聞かない、聞こえても聞こえない振り。
関係ないんだよ。
人は傷付けて、傷つけられて、癒す場所は無く。
また、社会に傷つけられ、傷を悔やんでまたどこか違う社会で傷をつける。
目にはみえないけれど、私は見える。
血で真っ赤に染まった街が…。
だからまりあは止めない。
あんな目に逢っても、止めようなんて思わない。
仕方ない。世の中はそうやって成り立ってる。仕方ない…そして、体を売る日々がまた始まる。前と違うのは、家に帰る時、空をながめながら帰るけれど、なぜか空がにじんでで見える事。怖くて、足取りも前より早め。なぜか怖くって。目が痛い。学校帰り、まりあはえりを連れて出た。えりはどこでも着いて来る。まねばっかりするし、だから売りに誘うのは簡単。まりあの真似するだけだから。
「まりあ、本当に大丈夫??」
「うん。大丈夫、二人なら安心。」
そう、この前、酷い目に合ったから念のためだと思い、えりを誘ったのだった。
「二人で10」
まりあはいつもよりも高額な額をおやじに着き着けた。
「それは無理だよ。高すぎだねぇ」
「そうだよ。無理に決まってるぢゃん。おぢちゃんいくらならいいの??」
えりが可愛い声で言った。
「5ならいいよ」
「おっケェ〜まりぁ仕方ないょ。サッ±といこうょ」
なにも気にする事はなかった。
えりにはあんまり抵抗はない。と言うより遊び感覚なんだと思った。
「うん。いいよ。」
そう、まりあが言った瞬間、後から聞き覚えの有る声が聞こえてきた。
「まりあ!?」
まりあは後を振りかえる。
聞き覚えのある声の正体はりょうだったのだ。
なんでりょうが居るの!?まりあはびっくりし、違う振りをしようとしたが、りょうが近付いてきてて、もうおそかった。