表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/56

「目的=資源の獲得」 「上限=満足点」



古い時代の戦争は、ある意味で単純だった。


「目的=資源の獲得」

「上限=満足点」


だから終わりがあった。


・金が集まる

・土地が増える

・賠償が確定する

・家臣が満足する


どこかで「もういい」が発生する。


だから賄賂も効いたし、借金も効いた。

「損得で止まる戦争」だった。


---


しかし、ドリトル周辺の時代、あるいは接続戦の時代では構造が違う。


戦争の目的がこう変わる。


・資源そのものではなく「接続」

・勝利ではなく「影響」

・獲得ではなく「維持」

・満足ではなく「優位状態の継続」


つまり、“上限が消えた”。


---


昔の戦争:


> これだけ取れたら終わり


今の戦争:


> 取れても終わらない

> 取れなくても終わらない

> 影響が残る限り続く


---


だから、賄賂が効かない。


借金も効かない。


理由は単純で、


「止まる条件が“金銭的満足”ではなくなったから」


---


ヴィンセント王国のスパイ報告にも似た分析がある。


> 接続戦は利益最大化ではなく

> 状態維持競争へ移行している

>

> よって“もう十分”という概念が成立しない


---


王クラークはこれを別の言葉で表す。


「飽和がない構造だな」


優利恵が問う。


「飽和がない?」


王は頷く。


「昔の戦争は腹がいっぱいになると止まった」


「今のは、腹がなくなった戦争だ」


---


その違いが決定的だった。


昔:


* 欲望に上限がある

* 経済で終わる

* 和解点がある


今:


* 欲望が構造化されている

* 経済では止まらない

* 和解点が定義されていない


---


だから戦争は続く。


止める人がいないからではない。


「止める理由が設計されていないから」続く。


---


優利恵は少しだけ黙って言う。


「これってさ」


ロイが答える。


「はい」


「“戦争が変わった”んじゃなくて」


「“終わり方が消えた”んですね」


---


夜の王都ドリトルは静かに動いている。


水は流れ、契約は更新される。


資源管理ロボは同じ位置に立つ。


出来ません

売りません

守ります


それはもう勝ち負けの装置ではない。


「止まらない世界における、唯一の停止点不在構造」だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ