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試験と魔法陣と組み合わせ

男の口元が、さらに歪む。

「ほう。自分から頭を下げるか」

俺は地面に手をつき、深く頭を下げた。

「お願いします。色々な魔法を知りたいんです」

しばしの沈黙。 森の風が、木々を揺らす音だけが響く。 やがて、男は小さく息を吐いた。

「知りたい、か。懐かしい響きだ」

顔を上げると、男の瞳は先ほどまでと違っていた。 鋭いだけではない。どこか、遠いものを見る目だ 男はしばらく俺を見下ろしていたが、やがて視線を空へ向けた。

「昔、同じことを言った者がいた」 ぽつりと落とすような声だった。

ぽつりと落とすような声だった。

「力ではなく、知識を求めた。魔法とは何かを知ろうとした者だ」

一瞬だけ、男の表情が柔らぐ。

だが、すぐに消えた。

「だがな坊主。知るということは、背負うということだ」

低い声が、森の空気を震わせる。

「属性の相性。魔力の流れ、器の量。禁忌。世界の均衡。――知らぬままでいれば、踏み込まずに済む領域もある」

俺は唾を飲み込む。 ただの魔法使いじゃない。

この男は、“もっと上”を知っている。または上だった者かもしれない。

「それでも、知りたいか?」

迷いはなかった。

「はい」

即答だった。

男の目が細くなる。

「四歳にして即答か。面白い」

そのとき、背後の木の上から声がした。

「師匠、また拾うんですか?」

軽やかな声。 振り向くと、枝の上に一人の少女が座っていた。 俺より少し背が高い。年上だろう。耳は少し尖っていて、 雷のように鋭い目をしている。とても美形だ。羨ましい。

「その子、さっき死にかけてましたよ?」

「死んではおらん」

男は淡々と返す。 少女はひらりと地面に降り立った。

「私はエアナ。師匠の一番弟子」

俺を値踏みするように見つめる。

「あなた、何歳?」

「四歳」

「は?嘘でしょ」

「本当じゃ」

少女の目が大きくなる。 男は口元をわずかに歪めた。

「さて、坊主。弟子にしてほしいと言ったな」

空気が変わる。 森が静まり返る。

「ならば試験だ」

地面に、指先で魔法陣を描く。 青白い雷が、静かに弾けた。

「これを解いてみせろ」

俺の前に現れたのは、複雑に絡み合う魔法陣だった。多分俺の予測だと2個以上の属性を合わせたものだろう。 少女が小さく笑う。

「それ、私でも3ヶ月はかかりましたよ?」

男の目が俺を射抜く。

「知りたいのだろう?」

胸の奥で、鼓動が鳴る。

――面白い。やってやる。 とは言っても、どすればわかるのだろう。

初級同士の魔法を組み合わせてるのは分かるだがどの魔法かが全くもってわからない。ドレインを使ってみるか。

「ドレイン」

微かに胸の中で、赤と青と黄色の3つ魔力は感じたが、どの詠唱がわからない。

「坊主、面白いものを使うな」

あ、そうだった。ドレインは俺だけのオリジナル魔法だった。

迂闊に見せてしまったけど大丈夫か?

「その魔法を目に集中させながら使ってみろ」

「わかりました、やってみます」

「ドレイン」

何ださっきと違って魔法陣が分解され3つの魔法陣が浮かび上がる。

「ファイヤ、ウォーター、サンダー。の3つです」

何だとても簡単な魔法じゃないか、なぜわからなかったんだ? どれも初級魔法の登竜門だぞ?

「正解だ」

「坊主、名は?」

「アルフォードです」

「アルフォードか」

男は一歩、近づく。

「ドレインと言ったか?その魔法」

続けて言う

「その魔法奪う魔法だ、見ればわかる」

エアナが腕を組む。

「ずるいですよ師匠。私のときは三日放置したくせに」

「お前は力で解こうとした」

淡々とした返答。

そして男は、静かに告げた。

「アル。今日からお前は、私の二番弟子だ」

胸が強く打つ。

だが男は続ける。

「ただし」

空気が変わる。

「そのドレインと言う魔法を――二度と軽々しく人前で使うな」

低い。重い。

「それは希少ゆえ見つかれば命を奪われるかもしれんぞ」

背筋が冷える。

やはり、ただの魔法ではない。

「はい」

男は満足そうに頷いた。

「私はエルディオン」

一瞬、空気が震える。

エアナが小さく笑った。

「知らないの? 元・皇ですよ、この人」

森の奥で、雷鳴が小さく鳴った。

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