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第4話「書き手の想い」


「そういえば今日って流星群の日だったっけ?

 一回見てみるか。」


その人は歩いてベランダに出た。


「お、見える見える!

 懐かしいな。

 この曲思いついた時も、今みたいな流れ星見えてたなー。」


僕もベランダに出てみた。

暗い夜空には、光り輝く細い線が現れる。

数分に1回だけど、赤、青、黄など、色とりどりな線が、

空のキャンパスに描かれていって綺麗だった。


「あの時、⬛︎⬛︎が誘ってくれたんだよな。

 やってみたいことがあって挑戦してみようと思ったけど反対された日に。

 一人で泣いてたら偶然会って、

 話聞いてもらったら流星群でも見てみないかって。

 移動したんだよな。星が綺麗に見える場所に。」



「そしたら、流れ星に願い事をする時は何回も何回も早く唱えるより、

 自分の願いを強く持って、大きな声で叫んだ方がいいって言ってたな。

 願いを言うだけじゃダメだ。

 流れ星は願いを叶えるというより、自分自身の決意表明を聞いてくれる。

 だから大きい声の方が、

 どんなに遠くにある星でも、その決意を受け止めてくれるって。

 何なら遠くから応援してくれるって。

 夜空を見上げれば、頑張れー!頑張れー!って光で応援してくれるって。

 面白かったな。思い出し笑いしちゃった。」

 

「一緒に、大きな声で叫んだんだよな。

 “最後まで絶対諦めないから、やってみる!”って。

 ホントあの時周りに人いなくてよかった。」


「あの時のこと、曲にしてみたかったんだよな。」


ピンポーン


「何だろうこんな時間に。宅配かな?それともうるさかったかな?

 はーい、今出ます。」


そういうと、その人は部屋の扉を閉めて玄関まで行ってしまった。


ガチャ


「あの、どちら様...」


鈍い音と共に、言葉が途切れた。

曲の速さが段々と遅くなっていく。

この部屋に向かって複数の足音が向かい始める。

一体何が起きているんだ?


突如、視界が少しずつ歪み始める。


曲が弱々しくなっていく。


いつのまにか場所が移動している。

ここはどこだろう、マンションの外?

すっかり明るくなっている。

人もたくさん集まってきていた。


パトカーが複数台止まっている。


近くで話している人がいた。


「ねぇ知ってる、

 ⬛︎さんの部屋に強盗が押し込んできたらしいんだって。

 情報通の、お隣さんが言うから間違いなさそうよ。」


「あら、そうだったの?

 まだ若いのに。

 可哀想ね。」


目の前が真っ暗になった。


ーーーーーー


「おーい、おーい、しっかりして!」


「うわぁ!ってあれ、戻ってきた?」


気づいたら、暗い森に戻ってきていた。

目の前には謎の人がいる。

一体何が起きていたんだろう。


「あ、良かった良かった。

 君が説明する前に移動しちゃったから驚いたよ。」


「え、今のって何なのか分かるの?」


「勿論。それは自分の手で曲を作るために必要なことなの。

 今のは、君が作り手と接していた時の記憶だよ。

 なんか、顔がわからない人とかいなかった?

 まるで油性の黒ペンで顔が塗りつぶされているような人。」


「いた。家に帰ってパソコンを操作していた人。

 もしかして、その人が作り手?」


「そうだよ。その人が作り手だよ。

 どうだった?」


「大変そうだった。

 でも、曲を作る時は嬉しそうに見えた。

 表情はわからなかったけど。


 一緒に流れ星を見たんだ、

 あの星空は綺麗だった。

 ずっと見ていたかったな。


 あと、流れ星が関係していた理由も分かった。

 僕は素敵な理由だと思った。」


「それは良かったね。安心したよ。

 あ、書き手じゃないけど怖い人がいたって言いだす人もいるんだけど、

 怖い人っていた?」


「んー、怖い人はいなかった。」


僕は怖い人は見てないけど、作り手の人が急に静かになったり、景色が急に変わったりしたことは驚いたな。

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