第28章 — 祖父の家、サクラおばあちゃん、そして捜索の始まり
今朝の特報!
家族ドラマに突如、衝撃の展開!ある寒い夜、幼いハルミがついに行動を起こす!
行方不明の「息子」タケルを探しに、祖父の旧家へと急ぐハルミ。そこで、ハルミはすべてを一変させるかもしれない「ある書類」を見つける…!
さらに、近所に住む優しいおばあちゃん、サクラが思いがけない手助けをする。
ハルミはタケルを見つけられるのか?
物語はここから始まる:大規模な捜索!
夜明け前の空気は、まるで噛みつくように冷たかった。
メイは即席のスリングに包まれながら震えていた。
ハルミも震えていた――寒さと、そして恐怖で。
それでも彼女は行った。
祖父の家へ。
同じ古い家。
同じ曲がった縁側。
同じ、見捨てられたような空気。
ハルミは扉を押した。
鍵はかかっていなかった。
ほこり、古い木、そして長い間動いていない空気の匂いが鼻に入る。
メイがぎゅっと体を縮めた。
「大丈夫だよ、メイ…」
ハルミはささやいた。
自分でもあまり信じていなかったけれど。
家の中は凍りつくほど静かだった。
まるで幽霊のような気配が、肌にまとわりつく。
ハルミはスマホのライトをつけた。
「よし…よし…何か見つけよう。なんでもいいから…」
引き出し。
箱。
古い棚。
彼女は慎重に、でも焦りながら中を探した。
焦りすぎて、引き出しを一つ壊してしまうほどに。
「しまった…ごめん…」
彼女は引き出しに謝った。
そう、本当に。
メイはクマのぬいぐるみを強く抱きしめていた。
ハルミが見つけたのは――
古い写真。
未払いの電気代の請求書。
医療関係の書類。
落書きされた紙。
小さい頃のメイの絵。
そしてそのとき――
古い木箱の奥に、青いフォルダーがあった。
ハルミはそれを開いた。
止まった。
読んだ。
息を飲んだ。
別の町の病院の書類。
母親が入院している病院。
そこにはこう書かれていた。
「入院中」
「付き添い:なし」
「退院予定:未定」
そして書類には、病院のカードが留められていた。
住所と、昔の面会時間が書かれている。
ハルミの心臓が痛いほど強く打ち始めた。
「……あそこだ。」
彼女は分かった。
感じた。
胸の中で誰かが叫んだみたいだった。
「メイ。」
彼女は強く言った。
「走らなきゃ。」
メイは目を大きくした。
「タケル…?」
ハルミは書類を胸に抱きしめた。
「必ず連れて帰る。」
方法は分からない。
でも、行くしかない。
彼女は祖父の家を飛び出した。
後ろで扉が大きく閉まった。
家に戻ると、沈黙はさらに重かった。
ハルミは書類をテーブルに置いた。
目をこすり、必死に考える。
「タケルを探しに行きたい…でもメイを一人にできない…
どうすればいいの…」
声が震えた。
胸が痛む。
頭もズキズキする。
そのとき――
トントントン。
ノックの音。
ハルミは驚いて、すぐにドアへ走った。
タケルだと思って。
「タケル?!」
ドアを開ける。
でも――
そこにいたのはタケルではなかった。
向かいの家の優しいおばあさん、サクラさんだった。
「働き者のイケメン息子」で有名な、あの人の母。
手には小さなお菓子の袋。
大きなピンクのコートを着ていた。
「ハルミちゃん…こんな遅くにごめんね。
さっき窓からあなたが外で慌てているのが見えて…何かあったのかと思って。」
その瞬間。
ハルミは息が詰まった。
涙が、止める前にあふれた。
「サ、サクラさん…
タケルが…いなくなって…
どうやって探せばいいか分からなくて…
メイも一人にできないし…
私…全部ダメにしちゃった…」
サクラさんは、とても優しい笑顔を浮かべた。
まるで温かい毛布のような笑顔だった。
ゆっくり近づき、ハルミの腕にそっと触れる。
「大丈夫よ。
あなたはちゃんと頑張っているわ。」
そしてメイの前にしゃがみ、にこっと笑った。
「メイちゃん、ハルミがお兄ちゃんを探しに行っている間、
おばあちゃんの家でお菓子食べない?」
メイはまばたきした。
そして元気にうなずいた。
「うん!お菓子食べたい!」
ハルミは固まった。
「サ、サクラさん…そんなお願い…」
「お願いじゃないわ。」
サクラさんは、優しいけれど逆らえない声で言った。
「私が言ってるの。
ほら、行きなさい。
これ以上寒くなる前に。」
そしてこっそりウインクした。
「メイちゃんは任せて。
あの子を連れて帰ってきなさい。」
ハルミは深呼吸した。
両手で涙を拭いた。
そして――走り出した。
サクラさんはメイを優しく抱き上げた。
まるで本当の孫のように。
「さあ、行きましょう。
おばあちゃん、甘いパンを焼いたのよ。」
メイは首にぎゅっと抱きついた。
その光景を見て、ハルミはまた泣きそうになった。
でも、今は。
ミッションがある。
ハルミは家を飛び出した。
寒い。
髪はぼさぼさ。
体は震えている。
適当にコートをつかんだ。
薄すぎるコート。
帽子をかぶった。
マフラーは忘れた。
靴下はバラバラ。
靴も左右違う。
でもメイだけは、ちゃんと暖かくしてサクラさんに預けた。
彼女は走った。
家の階段を降りたその瞬間――
目の前に立っていた。
あの「働き者のイケメン隣人」。
背が高くて。
カジュアルな服で。
疲れた顔で。
出張から帰ってきたばかりだった。
彼は手を上げた。
「こんば――」
ハルミはミサイルのように通り過ぎた。
「タケルーーー!!
タケルーーー!!
絶対見つけるからーーー!!!」
凍った地面で滑りそうになりながら、
それでも全力で走っていく。
青年は歩道の真ん中で立ち尽くした。
二回まばたきした。
「……たぶん……忙しいんだろうな。」
そう言って家に入った。
少し困惑しながら。
捜索、再開。
ハルミは念のため、もう一度祖父の家へ走った。
何もない。
扉を叩いた。
「タケル…お願い…
返事して…」
彼女は額を冷たい木の扉につけた。
深呼吸。
そしてささやいた。
「絶対見つける。
約束する。」
書類を手に。
胸の直感を信じて。
震える足で――
彼女は向かう。
病院へ。
過去へ。
そして、彼がいると確信している場所へ。




