第21話 庭。想像の五倍ヤバい。
【事件】裏庭ジャングル討伐戦!?ハルミ、自然とガチバトルした結果ww
— 土曜日の朝。
晴天、そよ風、絶好の“平和な一日”――のはずだった。
……はずだった。
しかし――
裏口のドアを開けた瞬間。
広がるのは――
草。
草。
草。
そして、草。
「……え、これ……森?」
腰の高さ? 甘い。
肩の高さ? まだ優しい。
中には――完全に“ボス級”の雑草まで存在。
これはもはや庭ではない。
――“ダンジョン”である。
料理班は最強(ママ+おばあちゃん軍団)
裏庭は地獄(担当:ハルミ)
そして始まる――
一人 vs 自然の、絶望バトル。
土曜日。
快晴。
風も気持ちいい。
最高。
――のはずだった。
治美は。
裏口を開けて。
止まった。
沈黙。
「…………」
庭。
いや。
森。
草。
デカい。
多い。
怖い。
しかも。
半分くらい。
治美より背が高い。
「……え?」
風。
ざわぁぁぁ。
草、
揺れる。
完全に威嚇。
治美、
震える。
「うそでしょ……」
その頃。
キッチン。
完全封鎖。
レジーナが宣言していた。
「はるちゃん」
「はい」
「この床に入ったら」
一拍。
「除籍するわよ」
「重い!!」
しかも。
近所のおばあちゃん軍団まで来ていた。
最強。
「レジーナさん、
玉ねぎ切りますねぇ」
「ありがとうございまぁす」
「はるみちゃんって、
昔からあんな感じ?」
レジーナ、
即答。
「どっちの意味かによるわね」
「どっち?」
「運動神経ゼロの方か、
野生動物の方か」
おばあちゃん達、
爆笑。
一方。
庭。
治美。
鍬を握っていた。
勇者みたいに。
「……やるしかない」
振り向く。
家の中を見る。
「みんなが料理してる間……」
一拍。
「私は庭を救う」
そして。
突撃。
第一の敵。
雑草レベル1。
シャッ!!
小さい草、
切断。
治美、
ドヤ顔。
「見た!?
余裕なんだけど!!」
その瞬間。
ぽこん。
横から草。
また生えてた。
「は???」
自然。
容赦なし。
第二の敵。
ボス草。
デカい。
怖い。
風で揺れてる。
「……今、
笑った?」
ざわぁ。
「絶対笑ったよね!?」
治美、
突撃。
そして。
スポンッ。
勢い余って。
転んだ。
尻から。
べしゃあっ。
「なんでぇぇぇぇ!?」
空へ叫ぶ。
「普通の人生ください!!」
家の中。
おばあちゃん達。
「はるみちゃん生きてる?」
レジーナ。
「たぶん」
第三の敵。
蜘蛛。
治美、
草を引っこ抜く。
その瞬間。
ぞろぞろぞろ。
「…………」
蜘蛛。
大量。
「ぎゃああああああああああああああ!!」
悲鳴。
町中へ響いた。
たける、
裏口へ来る。
真顔。
「……おさわさん、
蜘蛛と戦ってる」
めい、
くまちゃん抱っこ。
「はるちゃん、
くもになる?」
泉。
「可能性ある」
レジーナ。
「放っときなさい!!
人格形成よ!!」
四十分後。
治美。
ボロボロ。
草まみれ。
汗だく。
髪、
完全に鳥の巣。
でも。
庭。
綺麗。
……半分くらい。
でも。
机置ける!!
治美、
両手を上げた。
「勝ったぁぁぁぁ!!」
「自然!!
私の勝ちぃぃぃ!!」
その瞬間。
ぺたっ。
肩。
「…………」
トカゲ。
「ぎゃあああああ!!」
治美、
走る。
ぐるぐる。
叫びながら。
泉。
当然。
撮影してた。
たける、
ため息。
めい、
拍手。
おばあちゃん達。
しみじみ。
「はるみちゃん、
元気ねぇ」
「うるさいけど」
「でも頑張ってる」
「それは本当」
その後。
治美は机を並べ。
椅子を置き。
花まで飾った。
そして。
立ち止まる。
傷だらけ。
ボロボロ。
でも。
嬉しそうだった。
そこへ。
めい、
だきっ。
「はるちゃん!!
おにわきれい!!」
治美、
感動。
「めいちゃん……!!
私ね、
みんなのために――」
「キッチン出禁だからでしょ」
たける、
真顔。
「それもある!!」
治美、
二人へ飛び込む。
どさぁっ!!
三人まとめて転倒。
めい、
きゃっきゃ。
たける、
潰された。
でも。
その腕の中で。
たけるは考えていた。
“好き”
“家族”
“ずっと”
そんなもの。
本当に続くんだろうか。
また。
急に終わるんじゃないか。
その不安だけが。
まだ胸に残っていた。
泉、
ぽんぽん。
「お疲れ。
今日は自然が負けたね」
治美、
空を見る。
「今日だけね……」
「明日にはまた生えてるよ」
「怖いこと言わないで」
そして。
宴会準備は進む。
おばあちゃん軍団。
最強。
レジーナ。
完全に将軍。
庭には。
勝利の匂い。
そして。
大量の殺虫剤の匂いが漂っていた。
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