第85話 精霊族と出会う
編集前をご存じの方へお知らせですmm
少し手が加わっています。
圭太:
ねぇ。ロイド君。
師匠から教えて貰った魔力の鎧以外に【忍者】を強化出来る方法とかあるかな。
魔力を強化出来る方法とかあると都合が良いんだけどどうかな?
ロイド:
魔力の強化ですか?
勇者〇〇様の魔力強化以上となるとありませんが、【忍者】の強化と言うのなら精霊魔法を使用されてみてはいかがでしょう。
【忍者】は土属性のゴーレムですし、他属性を追加されて強化の予定だそうなので、属性の塊のような存在である精霊族に何かしら相談されてみるというのもアリと思います。
圭太:
精霊族の国は【転移】を使って、いきなり行くと不味いよね?
正規ルートを知らない人はどうやって精霊族の国へ行けば良いのかな?
ロイド:
人が精霊族の国に行く意味がありません。
精霊族の国へ行けるかも分かりません。
精霊族を見れる者(認識出来る者)が精霊族と契約して、その精霊族を召喚して精霊魔法を使いますが、精霊族が見えない者つまり精霊族を認識出来ない者はどう足掻いても精霊族の国を認識出来るとは思えませんから。
圭太:
あれ?
それだと精霊族がこっちの世界にいるって事にならない?
神様の部屋で読んだ本から得た知識だと精霊族は精霊族の国にいるって事になってたけど・・・。
ロイド:
それですか。
精霊族は必ずしも精霊族の国で暮らしているとは限らないです。
主に生活している者の大半が精霊族の国にいるって事です。
ケータ様たち人族も他の種族の住む国に住んでいたりするでしょ。
それと同じように精霊族も他の国々を旅していたり暮らしていたりもあります。
精霊族の国への行き方ですが、ケータ様にはアンがいますから聞いてみてはいかがでしょう。
圭太:
アンって?あの娘のこと?
ロイド:
そうですよ。
ケータ様のご存じのアンと言えば、あのアンという娘しかいないのでは。
圭太:
どうして、アンに聞けば精霊族の国へと行けるの?
まさか、アンは精霊族が見える(認識出来る)とかって事?
ロイド
いいえ。違います。
アンは精霊族による保護を受けている存在です。
圭太:
どういう事?
精霊族から保護されているって僕らの所にいても大丈夫な事?
正体不明の女性:
大丈夫よ。
圭太:
誰?何処にいる?
正体不明の女性:
私はここにいるよ。
少女のような声が何処からとなく聞こえて来た。
僕の問いかけに返事が聞こえるといつの間にか僕の目の前に五歳の頃のアンが存在していた。
圭太:
えっ?
風の中級精霊族:
私は風の中級精霊族よ。
今はアンという少女を保護している精霊族と言った方が分かりやすいかもしれないわね。
圭太:
どうして僕たちの会話が分かるの?
風の中級精霊族:
ケータさんが誰かと話しているのは分かるけど誰かまでは特定出来ないわ。
人が話す時は音が空気を伝わるから私には分かるの。
風の精霊族だからね。
でも、ケータさんは念話で誰かと話している事までは分かるけど相手までは不明。
ケータさんの発する魔力から何を言っているのかだけは分かるわよ。
初めて、それに気づいた時には驚いたわよ。
普通は念話って魔力同士が繋がるのよ。
ケータさんとサーヨさんが念話で話すと二人が魔力で繋がる訳よ。
ケータさんは正体不明の方と念話を使うとケータさんの付近に魔力の繋がりがあるって事だけが分かるの。私から見れば誰とも繋がっていないのに念話が機能している事が不思議だったって事よ。
悪いとは思ったけど、下級精霊族を使って王国にいる時だけ限定なんだけど、ケータさんと誰かが念話使う時だけ盗聴させて貰ったわ。
今日はアンと私について話してたから出て来たって訳ね。
それで私に何か用なの?
圭太:
僕らの会話を聞いてたんじゃないの?
風の中級精霊族:
細かくは聞いていないわ。
精霊族の事や精霊族の国の事を話してたぐらいにしか分からないわ。
もしかして、精霊族の国に行きたいの?
圭太:
その予定だけど無理なのかな?
風の中級精霊族:
行くのは構わないと思うんだけど、こちらの世界と違って大変だけど大丈夫かな?
その辺は不安が残るわね。
精霊族が住みやすいように作られた環境の国だから、人族であるケータさんが耐えられるとは思わないんだけど・・・。
どうやら詳しく聞くと精霊族の国の環境は激しいようだ。
水属性、火属性、土属性、風属性と四つの属性があるが一緒に生活する事はない。水属性と火属性なんて打ち消し合うから一緒に生活出来ないってのは容易に想像出来る。各属性の精霊族が反発する属性同士だと住み辛くなってしまう。
火の精霊族が住みやすい環境は水の精霊族には住み辛い環境となるからね。そうならないように、それぞれの精霊族が住みやすい環境が必要になる訳。
だから火の精霊族が住む所では人族は進入も厳しくなるって寸法だ。
風の精霊族は空(空中)が主に生活圏内
火の精霊族は火の燃え盛る場所
土の精霊族は砂漠や気高い山とかのある場所
水の精霊族は永遠と続く湖や氷山のある場所
この四つの何処へ行っても人族には厳しい環境だと思う。
その一つ一つの広さが王国の一区画と同じって聞いたしね。
王国は都市エリア、草原エリア、森林エリア、王城エリアの四区画だ。その一区画と同じ広さって精霊界の各属性の精霊族の居住エリアも結構広いということだ。
人族など他の種族が入って来るなんて事を想定していないから移動手段もないし、定期便のような交通手段もないんだろうね。そうなると比較的通過が楽そうな土の精霊族の住むエリアを抜けるのにも結構な月日を要しそうだ。
圭太:
それで、どういう理由でアンを保護しているの?
その上で僕に託したような印象も受けるけど、どうしてかな?
風の中級精霊族:
あの少女は孤児よ。
家族で旅をしている時に馬車がモンスターに襲われ少女だけが生き残ったって訳。
さすがに五歳の少女があんな場所で生存なんて出来ない訳だし、村や町まで歩いて行けるような距離でもなかったわ。
私たち精霊族が人族の子供を育てるなんて事が出来ないからケータさんに託したって事よ。
やっと辿り着いた街で、普通の人ではあり得ないような魔力を纏っているのがケータさんだったからね。無理矢理にでも押し付けたって訳。
もう、彼女も十五歳を迎えたことだし、そろそろ私も見守るのを止めようと考えてた所にケータさんが精霊族の国について話してたから丁度良かったから顔を出してみたの。
あっ。間違っても私たち精霊族が人族の身体を乗っ取って操作しているなんて失礼なことは考えていないでしょうね?
精霊族はそんなことはしないから誤解のないように言っておくわね。
圭太:
・・・。
風の中級精霊族:
何?その沈黙は怪しいわね。
霊的な存在なら憑依して操るなんて事が可能かもしれないけど、精霊族は霊的な存在じゃないからね。
闇の精霊族ならそういう事を平然とやるかもしれないけど、私は風の中級精霊族だから出来ないわよ。
圭太:
闇の精霊族って聞いた事がないんだけど、精霊族って、水、火、土、風以外にもいるの?
風の中級精霊族:
そんな事も知らないの?
精霊族は、魔法の属性と同じ種類がいるわ。
【火の精霊族】【水の精霊族】【風の精霊族】【土の精霊族】がケータさんでも分かる有名な精霊族ね。
【光の精霊族】【闇の精霊族】やこの六つの属性に属さない精霊族もいるけど今回は残りの精霊族については説明しないわよ。
【火の精霊族】【水の精霊族】【風の精霊族】【土の精霊族】は魔法の属性と同じだから、そう言えば誰でも分かりやすいのが一般的だけど、【光の精霊族】や【闇の精霊族】も魔法の属性と同じなのよ。
私たち精霊族以外が魔法の属性について考えると光属性は回復などを想像すると思うわ。
そして闇属性は光属性の反する属性の傷つけるような光属性の効果の反対の行為を想像すると思うの。
もしかしたら、ケータさんは知っているかもしれないけど明るさにも関係しているのよ。
【明かり】と【暗闇】とかも含まれるから忘れないでよね。
分かりやすく言えば光属性の効果の反対が全て闇属性と考えていた方が無難と思うわね。
厳密に言えば、違う部分もあるんだけど詳細を説明した所で意味がないからね。
それで、精霊族に相談ってどんな相談なのかしら?
圭太:
【忍者】の強化にあたって、魔力に属性を待たせたり、精霊族の力を借りられれば僕の魔力だけはない力で強化出来ないかなって相談だね。
風の中級精霊族:
具体的にはどんな事がしたいのよ。
ケータさんの言ってる事は漠然としてて分かるように言って欲しいわね。
圭太:
具体的にか?
それなら、これを見て欲しい。
僕はそういうと【忍者】を強化している魔力の鎧をこの場に作る。
彼女が風の精霊なので、アドバイスを貰いやすくする為に風の魔力で作った鎧を準備した。
圭太:
これを壊してみると分かると思うよ。
僕が魔力で作った鎧を面白い物を作ったのねなんて言いながら鎧を壊そうとするのだ。一応強化しているつもりなので簡単には壊れないと高を括っていたが簡単に壊されてしまう。
風の中級精霊族:
こんな魔力じゃ駄目よ。
鎧を作るって目的は理解出来るけど、属性魔力の方は強化出来ていないわね。
魔力自体は鎧を強化しているみたいだけど、風の魔力が強化出来ていないから同じ属性である私に簡単に壊せるのよ。
これぐらいの強化なら、アンでも壊せるんじゃないかしら。
彼女も冒険者をしているけど壊せると思うわね。
それに普通の女性でも壊せそうだよね。
ハンマーとかの道具を使えばの話だけどね。
強化が目的と言ってたから壊れないような工夫がしたいって事でいいのかな。
圭太:
そうだね。
一応王国の防衛の観点で強化したいんだ。
建物とかが壊れた時に身を守れる盾になればと思ってね。
風の中級精霊族:
それなら、こんなのはどうかしら。
そういうと精霊族の力なのか分からないけど僕が感じたことがないような変わった魔力を鎧に注入する?注ぐ?ような素振を行った。
風の中級精霊族:
こんな具合では駄目かしら?確かめてみて。
僕が彼女が魔力?精霊力?を入れた鎧の強度を確認したのだが、最初に僕が作った鎧よりは強化出来ているんだけど僕が望むような強度は無かった。
風の中級精霊族:
どう?大丈夫そう?
あれ?気に入らないみたいだね。
強度が足りなかったかしら?
圭太:
僕が作った鎧よりは強化出来ているけど、僕が望んでいた強度にはまだ足りないみたいだ。
風の中級精霊族:
そうか。残念ね。
私にはここまでしか出来ないから私より上の上位の精霊族の方なら、もっと強化出来るかもしれないし、何か違う方法があるかもしれないわね。
そうなると精霊族の国に行かないと上位の精霊族の方には会えないから、ケータさんが精霊族の国に行くしか方法はなさそうだわ。
でも、人族には過酷な場所だから心配だわ。
圭太:
過酷過酷と言っているけど、そんなに過酷な所なの?
風の中級精霊族:
人族のケータさんには過酷と思うわよ。
火の所は無理として除外するけど、水の所は永遠と続きそうな湖の上をいかなければならない。
土の所は高い山や砂漠地帯などもある。
どのエリアにも人族が補給することや宿泊するための街などの中継地点や休憩所なんてないから、お城までは一切の補給が受けられないのよ。
一切の補給もなくて、こちらの世界の北の海から南の湖まで歩いて行けると思う?
私は無理と思うわよ。
元の世界の南極と北極が地続きで補給なしで歩いて行けるか?って事と同じなんだろうね。水の所は船を用意して船で移動となるけど殆ど歩くのと同じで補給が一切ないって事なんだろう。
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