第72話 人族の賢者の力は侮れない
編集前をご存じの方へお知らせですmm
少し手が加わっています。
賢者には影武者がいると考えてたのに賢者が二人もいたよ。
一人は人族の賢者。
僕がトロフィーに変えて殺されてしまった人物だ。
もう一人は元エルフ族の賢者のアリス。
彼女は小夜ちゃんを召喚した後に小夜ちゃんによって殺された人物だ。召喚と殺されたとかで小夜ちゃんとは因縁がありそう。
僕は小夜ちゃんに言われた通りに魔法陣を解除する。
そうしないと僕が人族の賢者と戦うのは不利になるそうだからね。
小夜ちゃんの言い方から人族の賢者も結構強いというような印象を受けたんだから最初から飛ばして行くしかないのかもしれない。結果として転生させてしまっても仕方ないかも。
小夜ちゃんとアリスが戦うみたいだけど、小夜ちゃんが余裕がないと言うんだからアリスも結構強いのかもしれない。互角なんてあり得ないと思うんだけど互角だったらアリスは強者になってしまうんだけど・・・悪役であるはずの賢者が強者になってもいいのだろうか?
ランスの身体じゃなければ本来の自分の力を存分に発揮出来ると思うんだけど、人族の賢者が用意した僕と賢者との戦いの場合(ハンデ戦)かもしれないけど手抜きをするつもりは一切ないね。
戦いの結果として転生してしまうのはもうどうでもいい。
小夜ちゃんとアリスが因縁の相手になるなら、僕と人族の賢者も因縁の相手のはずだしね。
圭太:
人族の賢者。
名前を聞いていないかったから賢者と呼ぶんだけど・・・。
ザイン:
私の記憶を持ちながら私の名を聞くのですか?
まぁ、いいでしょう。
私の事は何とでも呼べばいいんですが、賢者とも呼びづらいでしょうから【ザイン】とでも呼ぶといい。
この時代に勇者を召喚したのは私ですよ。
勇者の力を抑える効果のある術式も使いましたからね。
肉体がこちらの用意した肉体にならなかったのは予想外でしたがランスロットですかな?
王国の魔法騎士という者の噂も聞いていますから私の相手としては十分でしょうか。
私を武術戦闘に向いていない賢者と思って侮らないようにして下さいね(笑)
そういうとザインは魔法か魔道具か分からないが強力な魔力が溢れて来るのを感じる。その魔力がザインの身体にまるで鎧を纏ったように可視化してる。
武器もいつの間にか薙刀と思われる得物を持ってた。
薙刀は刀身の部分の方が僅かにだが柄の部分より長いように見える。刀身は魔力に覆われて禍々しい色で発光しているのだ。神剣と打ち合えそうな印象を受ける。
圭太:
ロイド君。
僕の本来の力は使えないのかな?
いくら何でも本気を出せばランスの身体が持たないと思うんだけど・・・本気出せそう?
ロイド:
う~ん。仕方ないですね。
ランスの身体への負担が掛からないように私が調整します。
全力で戦っても大丈夫ですが負けないで下さいね。
ロイド君の言葉が引っかかるけどこれで全力出しても大丈夫そうだ。
身体能力の上限に影響されそうだけど、ある程度は破〇流武術や魔闘気を使えば身体能力の限界を越えることは可能だしね。ランスの身体で限界を越えた力を発揮しても元の身体と同じ力が出せる訳ではないしね。
ザインの奴は鎧を装着してるけど、こちらは無人の武具もどきの鎧でしかないからね。一撃でも当たれば厳しいと思うな。
小夜:
本気を出す気になったみたいね。
これは返してあげるわ。
返すと言ったけど後で返してよね。
貸してあげるというのには変だから・・・。
そういうと小夜ちゃんが【無人の武具(本物)】を僕に貸してくれた。小夜ちゃんにあげた物だから小夜ちゃんのなんだけどね(;^_^A
小夜ちゃんの方は深紅の鎧を装備してたよ。
あれは確か帝王から受け取った竜神の鎧だ。小夜ちゃんも【真なる勇者】になれたんだね。どんな試練だったのか気になるけど後で試練については聞いておこう。
参考になると思うからね。
僕が用意出来る範囲での準備はほぼ整ったと思う。
後は、ザインの力量がどれぐらいか次第かもね。
小夜ちゃんが本気を出しなさいというぐらいだから結構な使い手だと思うけど、薙刀を使う相手だと間合いが広いから僕の方が不利かもね。【魔法を打ち消す魔法陣】も解除したから、これからは何でもアリのバトルだ。
先手を取った方が良いんだろうけど相手の手の内を探る方が先かもね。
神剣をザインに向けて構えて軽く挑発してみる。
圭太:
僕の全力を見たことがないはずだけど大丈夫なのかい?
ザイン:
私の情報網を過信して貰っては困りますよ。
貴方がどんな戦法で戦うのかまで既に調査済みですよ。
そうじゃないければ勇者ケータを召喚してまで殺そうとは思わないですよ。
我々の準備が整ったからこその勇者召喚なのですからね。
僕は一合だけ打ち合わせるつもりザインの方へと駆け出して行く。
神剣は鞘に納めているから抜刀系の秘技を使える状態での突進だ。避けても返し刃があるんだから何とかなるだろうと感覚で攻め込む。
圭太:
手始めにはこれだよね。【一の太刀:武雷】でも受けて見な。
軽くだけど【武雷】をすれ違い様に使ってみたんだが、ザインは余裕で躱し何事も無かったかのように僕を見て笑っている。
ザイン:
勇者ケータの力を抑え込む術は効果があるようですね。
本気の貴方の力なら先程の技で私の腕が斬られて無くなっていたんでしょうがそうはいかないみたいで助かりましたよ(笑)
あれぐらいの力加減では余裕みたいだから、次はもう少し力を増やしても大丈夫そうだね。
小夜ちゃんとアリスも戦っている場所だから大規模魔法は使えないから剣技だけになるのは相手も同じだろうからね。アリス(味方)を巻き込んでまで大規模魔法などは使わないはずだしね。
そんな事を考えてて時期もありましたよ(;^_^A
ザインは周りの事なんて関係なく無差別に広範囲に攻撃出来る魔法を躊躇なく使って来る。【火球】や【火槍】など初級魔法を集束させているのは僕が使う魔法よりも一回りも上の魔法のように感じる。
初級魔法なのに凄い威力が出せるなんて流石は賢者と呼ばれるだけの事はあるかな。【火球】や【火槍】なのに、僕の【火の矢の雨】並みの魔法が飛んでくるの避けるのは難しい。
一つ一つが小さく集束しているし、その上に威力も桁違いに大きい。
ドーンという爆発音を聞くだけでも威力が高いと分かる。賢者ってここまで魔法が強力だったのかと侮ってたよ。トホホ
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