第60話 裏切り者
編集前をご存じの方へお知らせですmm
少し手が加わっています。
一方、その頃の僕らはというとレイラとルークと僕とで例の施設付近にまで来ることが出来た。ルークのアドバイス通りに進んだだけなんだけど予想以上の簡単に施設を見つけることが出来たのだ。
圭太:
ルークさん。
これからどうしますか?
ルーク:
さん付けはしなくても構わないぞ。
リーダーとかルークとでも呼べば良いさ。
それに予定では夜になってからリチャードたちと合流することになってるから、それまで俺たちも動けない。
いつでも動けるように身体を休めておくだけで良いぞ。
レイラ:
私は、そこの木陰で少し休みますから時間が来たら起こして下さい。
そういうとレイラは木陰で休憩するつもりのようだ。
戦場に近いはずなのにこんな時に昼寝なんて一体どんな神経しているだろうね。
圭太:
・・・。
ロイド君をマネてジト目をしてみたんだが、華麗にスルーされたよ。トホホ
ロイド&ルーク:
・・・。
ルークとロイド君がお互いには見えないはずなのにシンクロしたジト目をするんだけど(;^_^A
僕も休憩を終えて辺りが薄暗くなって来た。
そろそろレイラを起こさないとと考えてレイラ寝ていると思われる場所に行ってみたんだけどレイラはそこには居なかった。寝ていた形跡はあるんだけどレイラ本人はいなかったのだ。
何処かへ移動したなら居場所を伝えてから移動するはずだしレイラは何処へ行ったんだろうか。
そんな心配をしているとルークが僕の傍へとやって来た。
レイラが何も言わすに居なくなったことをルークに伝えると居なくなったレイラを心配する訳でもなく僕に意外なことを聞いて来たのだった。
ルーク:
ランス。君は一体何者なんだい?
圭太:
何者と言われましても、ランスロットとしか言えないんですが(;^_^A
ルーク:
その口調だよ。
ランスなら、そんな口調を使わない。
それに君から感じる魔力がランスロットの魔力の質とは違うように感じるだけどね。
まさか、君が俺らの探している人物だと言うのか?ランスロットの身体にいるのは勇者ケータなのですか?
圭太:
勇者ケータ?
ルーク:
勇者ケータを知らないなんて、やはり君はランスロットではないようですね。
圭太:
勇者ケータを知らないだけで、そこまで思うのですか?
ルーク:
ランスロットの背中の剣は、師範代に勇者ケータの剣はどんな剣だったのか?と聞いて作られた剣です。
勇者ケータをマネてまで使えもしない日本刀を背中に背負っているんですよ。
ランスロットは勇者ケータに憧れていますからね。
それに君の様子がいつもと誓っていたから様子を伺わせて貰いましたが、ランスロットは投擲は出来ません。
投げる系統の攻撃方法は彼には向かないのですよ。
的に当たらないと言えば分かると思いますがね。
まだありますよ。
俺が仕込んだ闇ギルドのリーダーをいとも簡単に処理してしまうのも彼には出来ません。
リーダー格の男性と共にいた連中を含めると彼では無理なのですよ。
予定では彼はあそこで捕獲出来る予定でしたからね。
圭太:
・・・。
ルーク:
図星だったから、黙まりますか?
まぁ、いいでしょう。
我々の目的の人物が君だったんですから、ようやく見つけることが出来たので嬉しい限りとでも言っておきましょうか。
では、失礼でしょうが君には死んでもらうか封印をさせてもらいます。
我々の力では封印するぐらいしか出来そうにありませんが、この時代に召喚したことへの影響で君も力を存分に使えないはずですから、もしかしたら死んでしまうかもしれませんがね。
それでは、お手並みを拝見させて貰いましょうか。
危険な存在と聞いてはいましたが力を存分に発揮出来ないのは少し残念ですが手合わせして貰えますよね?
そういうとショートソードと呼ばれる類の短剣を両手に構える。
短剣の二刀流とでも思ったらいいかな。単なる二刀流ではなくて利き手の方の刃は上向きに構えて、反対の手の刃は逆に構えてるから昔読んだ某漫画に出て来そうな忍者が構えるような二刀流だ。
圭太:
誤魔化すことは出来ないみたいだから、仕方ないけどルークには消えてもらうしかないみたいだね。
僕は何故この時代に召喚されたのかや無事に元の時代に戻れれば良かったんだけど無理そうだしね。
【真勇教】の仲間のようだけど王国の騎士を名乗るのも気に喰わないしね。
僕は背中にある日本刀をいつも通りに構えてルークと対峙する。
召喚の影響で本来の力を発揮出来ないみたいだけど、破〇流武術にそんなものは関係ないからね。師匠は【身体能力】の差が勝敗に影響するのを嫌うからね。
流石に、身体能力の差が十倍以上離れているのは仕方ないと思うけど、僅差の範囲(二~三倍ぐらいの差)なら実力は変わらないと判断するしかないね。
ロイド君にルークとランスロットの強さの差がどれぐらいあるか確認して貰ったが、お互いに差は殆どなく誤差の範囲でしかない。剣術の技量の差で決着がつくはずだ。それに僕には最終手段もあるからね。
ルークの戦い方はクセのある戦闘方法だった。
どうクセがあるかというとフェイントを多く絡めたような戦法だった。
誘いに乗らないように注意しながら戦うのは辛いけど大変という訳ではない。様子を見ながら戦えているから僕の方が上手みたいだね。余裕がある=上手と判断してるんだけど、本気を出す前に片付けないと危険かもしれないね。
圭太:
他のメンバーは無事なんですか?
ルーク:
余裕があるみたいだね。
誰も本命が君と分からなかったから無事とは言えないかもね。
圭太:
【真勇教】の目的は何だい?
この時代に僕を召喚してまで僕を殺したり封印したって何の得にもならないはずだよ。
ルーク:
恨みを晴らすと言えば分かると言われていますが、心当たりはありませんか?
圭太:
恨み?この時代の人に出会ったことはないはずだし、召喚されt・・・もしかして、人族の賢者の仕業か?
ルーク:
ご名答ですよ。
賢者様が過去に勇者ケータにされたことへの恨みですよ。
幸いにして時間だけはたくさんあったそうで準備する期間は余る程だったとか。
ですが、本物の勇者ケータは過去の人物。
それで考えたのが勇者を召喚して復讐しようと取られた行動が今回の件ということですよ。
何か簡単に答えたんだけど、おそらくはその通りの内容だろうね。
本命がまだあるのか?人族の賢者の事だから何か勝算があっての行動だろうから何らかの手の内が隠されているはずだしね。
ルークとの勝負に決着を付けないで情報を引き出しながら戦闘を行うのも結構大変な作業だ。
【痕跡】を使えば情報は得ることが出来るんだけど、死体にしてしまうと消えてしまうかもしれないという不安が残る。戦闘中に【痕跡】を使うのは状況的に不味いと思うしね。
致命傷や状態異常を与えて動けなくなった所に【痕跡】を使うのがベストタイミングだしね。ルークも上手くフェイントしたり攻撃したりするので僕の攻撃が確実に当たる訳ではない。
掠る程度にしかならないから致命傷とまではいかない。
ルークの使うヒット&ウェイ戦法も面倒だしね。
そんなことをしても僕には効果ないけど、何かを狙っているようにも感じるから警戒だけは怠らない。
ロイド
ケータ様。
付近に怪しい連中が集まり始めています。
おそらくはケータ様を取り囲むつもりではないでしょうか。
約二十人ぐらいにはなりそうです。
ロイド君が他の連中が集まり始めていることを教えてくれた。
邪魔が入ると面倒なことをしそうだから纏めて倒してしまった方が都合が良いかな。ただ、全員集合された上で相手に先手を取られると面倒なのは変わらないから速攻で範囲攻撃で纏めて始末しようと思う。
圭太:
面倒なのが来る前に
【眠りの雲】
【麻痺の霧】
同時攻撃を喰らえ。
眠りや麻痺に耐性の無い者たちがバタバタと倒れて行く。
残ったのはルークだけで状況は殆ど変わらなかったが増援がいなくなっただけでもマシと思わないとね。
ルーク:
おい。おい。おい・・・ウソだろ?
増援を【察知】されるなんて予想してなかったぞ。
圭太:
それ。
口に出して言っちゃ駄目なんじゃないの?
ルーク:
・・・。
思わず口にしてしまった事を指摘されて黙ってしまったのか、それともジト目なのか分からないけどね。戦いを邪魔されると情報を引き出せなくなってしまうからね。
圭太:
人族の賢者は何処にいる?
ルーク:
俺が言うとでも思ったか?
圭太:
聞くだけって無駄じゃないからね。
答えてくれるかもしれないしね。
まぁ、身体に聞くから気にしないで戦闘に集中してよね。
僕は、偽装していた日本刀から【偽装】を解除する。
ランスロットの持ってた日本刀は小夜ちゃんの【神剣 戦】をマネて作られた刀だ。マネたと言っても武器として機能しない訳ではないんだけど、双刀流に合うように出来ているから普段長刀を使う僕には少し短いのが使い辛い。
破〇流武術が【身体能力】になくても使えるから、もしかしてと思って【神剣 永遠】を呼び出してみたら僕の手元に神剣が来たんだ。神剣を見つからないようにロイド君に【偽装】して貰ったんだけど、偽装する範囲全てをランスロットの持っていた日本刀にしてしまった。
だから、切れ味や扱い易さなども同じになってしまった。
これから少し本気を出すのには不便だからね。
僕は【神剣 永遠】を呼び出して気付いたことがある。
それは刀の銘のことなんだけど、小夜ちゃんと神様が仕組んで銘を付けたと勘違いをしていた。神剣を受け取ったのも魔法の言葉も教えて貰った時だから、それ絡みだとてっきり思っていたんだ。
【神剣 永遠】の永遠(トワ)は永遠に一緒という意味を僕と小夜ちゃんが永遠に一緒という意味で捉えていたんだけど、永遠の指す相手は僕と神剣が永遠に一緒という意味だったのだ。
『いつでも』『何処でも』『どの時代でも』一緒という意味が神様によって込められていた。時代が変わって離れてしまった今でも時代をも超えて神剣は僕と一緒と知ったのだ。
神剣に魔力を流すと、流石にルークは気付いたようで
ルーク:
その刀は何だ?
ランスロットの持っていた刀とは違うんじゃないのか?
圭太:
あれ?知らないの?これが僕の刀だよ。
ランスロットのは他の勇者の刀をマネて作られた武器だ。
勇者ケータの刀と言えば分かるはずだよね。
ルーク:
それが勇者ケータの刀か。
何て神々しい光を放っている刀だ。
ランスロットの持っていた刀が偽物としか思えない。
圭太:
勘違いしていないかい?
ランスロットがあの刀をどうやって入手したのかは知らないけど、あの刀の元となった刀も神々しい光を放つ刀だ。
勇者ケータが使っていたという噂があるのなら、その噂が偽物だよ。
神剣を出したんだから分かるよね?
ルーク:
何が分かると言うんだい?
ルークが短剣を振って来るのだが、神剣で受け止めることなく短剣と神剣が接触した瞬間にスパッと斬れる。剣を重ねることさえも出来ないのだ。普通の短剣ではこうなるのも仕方ないけどね。
剣と刀を打ち合わせることすら出来なかったことにルークは唖然とはしたが、自身の持つ短剣を僕に向かって投げつけて来た。僕が避けると彼は次の短剣を既に準備出来ていた。
圭太:
いつの間に次の短剣を準備したのか分からなかったけど、何度短剣で攻撃しても神剣の前では意味がないよ。
それに、まだお仲間がいるようだけど【魔法を打ち消す魔法陣】を使ったから悪巧みは出来ないよ。
では、続きをお願いしようかな。
そういうと僕ば破〇流剣術の基本の構えを取る。
ルーク:
勇者ケータが、ここまでとは・・・。
圭太:
調べなかったの?
僕は過去の勇者なんだから情報ぐらいいくらでもあるんじゃないの?
ルーク:
・・・。
圭太:
それに人族の賢者様がお仲間にいるんだから情報を得るのも簡単なはずだし、作戦指示も出して貰えば良かったんじゃないの?
まさか、人族の賢者様ともあろうお方の指示がこんな抜けた指示ではないですよね?
ルーク:
・・・。
先程からルークが何も言わなくなった。
多分、全ては賢者の作戦だったんだろうね。僕が【察知】を使えるって知らないはずはないと思うんだけど賢者は知らなかったのかな?
ルーク:
【看破】を使えることを知っている。
それは間違いないんだけど【察知】はどうだったかな。
人族の賢者は僕の【痕跡】を受けているから記憶をコピーされていることぐらい知っていたと思うんだけど高齢だったから忘れちゃったのかな。
それとも転生すれば、そんな記憶は消去されるのだろうか。
今回の賢者の作戦も前回同様に隙がある。実は賢者の名は名ばかりで作戦作りが下手なのかもしれない。
それを信じてる仲間ってどうなのかな(;^_^A
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