第5話 初めての戦闘 ※
主人公の最初のステータス表記です。
今後、ステータスの表記がある話には「※」が付きます。
主人公や仲間や敵やモンスターなどのステータス表記がある話には※が付きます。
編集前をご存じの方へお知らせですmm
少し手が加わっています。
圭太:
ロイド君と呼べばいいのかな?
ロイド:
はい。どのような呼び方でも構いません。
圭太:
訓練はどのようにすればいいかな?
ロイド:
こちらの方で特別に用意したモンスターとのバトルに勝利してもらいます。
そうする事でケータ様が得た経験で能力アップします。
能力アップして魔法を使えるようになるまで頑張って貰います。
ケータ様は剣術レベル5と少し高めです。
それを活かした方が良いと思われます。
また、ケータ様は見た目や名前で目立ってしまいます。
各王家ゆかりの者には異世界人と直ぐに分かってしまうので、その対策をされていた方が後々都合が良いように感じます。
何か別の名前とかご希望はないでしょうか?
圭太:
・・・。
黒髪・黒目で童顔や武内圭太なんてこの世界では使われないような日本風の名前も変わっているからさすがに異世界人だとバレるよね。もし、目立った実績が残れば国の上層部に黒髪で変わった名前の者がいると報告され、その人物は異世界人ではないかと疑われてしまう。
そんな異世界人らしき人物の目撃情報や噂から何処かの国が異世界人を召喚した?なんて騒ぎが大変な問題を引き起こすかもしれない。名前と黒髪を何とかすれば異世界人とバレないであろうとロイド君は言っているのだ。転生者や転移者がいるって神様から聞いたので、用心して圭太と名乗るのは止めようと思う。
圭太:
じゃあ【ルーク】と呼んで。
ロイド:
畏まりました。ルーク様。
ロイド君に訓練場の場所を聞き訓練場へと向かう。
訓練場に入ると入り口直ぐの所に控室ような部屋がある。そこには各種武器の類が準備されていた。片手剣よりも少し長く、長剣よりも少し短い馴染みのある大きさの剣があった。
僕は幼い頃に剣術道場に通っていた。
幼い頃に使っていた剣の大きさがこの剣である。何でも師匠が言うには子供が大人用の長剣を使うには少し長く、子供には扱えない重さなので子供用の長剣だそうだ。
大人用の長剣は、おおよそ刃の長さが150センチほどの長さで、この剣の刃の長さは120センチほどだ。片手剣の刃の長さは100センチほどなので片手剣より少し長い程度だ。幼い頃に使っていた剣は身体が大人に成長した僕には短い。
いくら慣れていたと言っても間合いや剣の重さや剣の扱いやすさの感覚が違ってくるのは仕方ない事だ。懐かしい感じのする大きさの剣を手に取り一振りしてみる。身体が成長した為に、あれほど重かった剣は軽く扱いづらいものだった。
剣を振ることは生死に関わる大切な事だ。
色んな剣を手に取り試してみたが、今の僕に丁度良い普通の長剣(当時の僕には大人用だった長剣)を使う事にした。
ロイド:
ルーク様。用意は宜しいですか?
圭太:
ああ。準備は良いよ。
ロイド:
では、訓練を始める前に伝えておく事があるのでお聞き下さい。
まず、モンスターですがルーク様が実戦されるのは初めてなので本来の強さよりも弱く設定しております。
実戦になれていただくと元の強さに、そしてより強くしていきます。
そうした経験を積む事と魔物の種類を変えていき色んな魔物と実戦して経験を積んでいただきます。
手始めに、ゴブリンというモンスターと戦っていただきます。
ロイド君が言ったかどうかのタイミングで、僕より少し離れた所にゴブリンが現れた。
ゴブリン:
グギャ!
ゴブリンは自身がどうしてこんな場所にいるのか分からないといった具合だったが、僕を見つけると直ぐに態度を変えた。
ゴブリン:
グギャー!
威勢の良い鳴き声と共に僕に襲い掛かって来る。
僕は冷静に動きをみて、一刀の元にゴブリンを切り捨てる。
ゴブリン:
グ、グギィー
そう一言鳴きするとゴブリンはゆっくりと倒れるのだった。
何度かゴブリンの弱体化した個体を倒していると遂に能力アップを体感した。先程まで比べて身体の動きがスムーズになったように思える。某漫画ではステータスの変化した値やスキルや魔法を覚えたなんてメッセージが流れるが、そんな事はないみたいだ。
ロイド君には僕が能力アップしている事を把握されており、次は複数のゴブリンと戦ってもらいますなんてことを言っている。鬼教官か!なんて思ってみたが、すぐさまゴブリンが二体出て来た。
やっぱり、鬼教官だ!
難なく二体編成のゴブリンたちを倒すと次は三体編成のゴブリンたちになり、三体目のゴブリンを倒すとまた能力アップを体験した。六体編成のゴブリンたちと同時に相手取っている時、最後の一体のゴブリンを倒し終わると三回目の能力アップを体験した。
ロイド:
次は普通の強さのゴブリンです
ロイド君が言うや否やゴブリンが出て来た。
今度のゴブリンは、今までの弱体化している個体よりも心なしか元気?活きが良い?ような気がする。
ゴブリン:
グギャギャ!グギャギャ!
何かを叫んでいるようだが何を言っているのか相変わらず分からない。
やはり、ロイド君は鬼教官だ。間違いないだろう。少しぐらい休ませて欲しい所だ。
普通の強さのゴブリンと対峙する。
元気なゴブリンだが、弱体化していると言っても六体同時に相手にしていたのだから楽に倒せると思っていた。
ゴブリン:
グギャグギャ
威嚇なのか分からないが僕の方を見ながら叫ぶように鳴く。
右手には何かナイフのような少し短めの剣のような物を手にしている。子供がチャンバラをするように右手の物を振り回して、僕の方へと近づいてくる。能力アップという急な変化に身体と意識が追い付かず、ゴブリンの攻撃を躱し切れずに受けてしまった。
圭太:
痛っ。
痛みを感じた所を見ると赤く腫れているだけだった。
斬れているかと思ったが、思いの外ダメージは少ないかった。
圭太:
今度はこっちの番だ。
ゴブリンを余裕をもって倒す事に成功する。
圭太:
ロイド君。休憩したい!
それを聞いたロイド君が近づいて来て、先程の怪我を直してくれた。
どうやら回復魔法のようで赤く腫れた所が淡く光っている。光が消えてくると痛みが引き、怪我がなかったように元に戻る。
圭太:
ありがとう。ロイド君。
ロイド:
どうか気にしないで下さい。
少し疲れているようなので少しだけ休憩にしましょうか。
少しの時間しか休憩しかないのは、やはりロイド君が鬼教官だからだろうか。
ロイド:
休憩時にご自身の【身体能力】を確認されると良いでしょう。
頭の中で「【身体能力】」と考えるだけでご自分の【身体能力】を確認が出来ますよ。
僕は言われた通りに【身体能力】と考える。
武内圭太
年齢:18歳
性別:男性
レベル:10
スキル:異世界言語、剣術レベル5、火魔法の心得、水魔法の心得、
土魔法の心得、風魔法の心得、破〇流剣術
※〇〇魔法の心得:〇〇の下級魔法が使えるようになる。
称号:中二病
【身体能力】を確認し、僅かな休憩を終えると次の訓練だ。
普通の強さのゴブリンを例の如く六体を苦労して倒すとロイド君の今日の訓練の終了を告げられた。
ロイド:
更に強いゴブリンを用意しておりますが、今日はもう遅いので明日にしましょう。
既に部屋の中が若干だが暗くなっていた。
ライト?の光が辺りが暗くなる事で目立つ。
ロイド:
お腹は減らないようになっていますが、身体作りも兼ねてお食事をして下さい。
お食事の後はお風呂へとお入り下さってお休み下さい。
お食事?これから自分で作るのか・・・面倒だなと思う。
ロイド君に食堂へと案内される。
ロイド:
お食事は何をご用意いたしましょうか?
どうやらロイド君が作ってくれそうだ。
圭太:
異世界だけど、今日はカレーが食べたい気分だけどカレーなんて食べられるのかな?
ロイド:
大丈夫ですよ。ルーク様の知識にある料理は全て召し上がる事が可能です。
知識にない物は無理ですが・・・。
どうやらカレーを食べる事が出来るようだ。
元の世界の食べ物は異世界では食べられないか食べられたとしても味や食感など元の世界の食べ物とは似ても似つかない物と某漫画で得た知識だ。黒い固いパンや味気のないスープ、香辛料の配合が違うのでカレー風味のカレースープと言った具合に異世界料理の定番という料理だ。
だが、ロイド君にカレーを注文したつもりだったが、ロイド君はカレーを作ろうとしないし、持って来る気配もない。やはり僕が作るのだろうか?
ロイド:
ルーク様。
椅子にお座りになってからカレーライスが食べたいと願って下さい。
また、意味不明なことを言っている。
椅子に座ってカレーライスが食べたいなんて願ってもカレーなんて・・・。
圭太:
!!!!!!
カレーライスがいつの間にかあるのだが出て来た瞬間は分からなかった。
テーブルの上に急にカレーライスが出て来たような印象だ。
ロイド:
どうぞ。お召し上がり下さい。
してやったりと笑うロイド君を横目にカレーライスを食べる。
圭太
美味いよ。ロイド君。
でもこれは魔法かな?
ロイド:
これは魔法ではないですよ。
神様が特別に用意したこのテーブルで食べたい物を願うとその料理が出て来ます。
ただ、料理を願う者の知識が現実へと物体化するので知識がない物は出す事が出来ません。
知識にある食べ物なら可能なら、もしかするとアレも可能なのかもと思いアレを願う。
マンガ肉である。
元の世界では、漫画に出て来るような肉の塊は売っていない。ていうか、骨の周りに肉がある状態なので実際の生物の大きさを考えると存在し得ない動物の肉のはずだからだ。マンガ肉という名の食べ物であって漫画に出て来るような肉の塊ではないのだ。
遂に僕はマンガ肉を手に入れた。誰もが憧れるマンガ肉だ。
某漫画の主人公のように「ニクー」と叫びたい気分だ。あの主人公のようにマンガ肉にかぶりつく。
僕には無理だった。嚙み切れない(><)
マンガ肉はナイフなどで切り分けて食べ、お腹いっぱいで食事を終え食休みの後は風呂だ。風呂は元の世界と同じような作りだった。手短に風呂を済ませると寝室へと案内される。
ロイド:
こちらでお休み下さい。
まるでホテルのスィートのようなベッドだった。
今日の出来事をまとめると
神様に異世界へと招かれた。
図書室で本を読み、この世界の知識を得た。
ロイド君を僕のサポート係として預かった。
本当にサポート係なのだろうか?鬼教官の間違いでは?と思う。
今日は体感だと約五~六回ぐらいの能力アップを体験した。
普通の強さのゴブリンなら苦労はするが倒す事が出来るようになった。
十体以上になると対応出来るかどうか分からない。
食事は元の世界の知識があれば自分で作る事なく食べる事が出来た。
風呂、寝室のベッドも元の世界に似ている。
ベッドに寝転んでいるといつの間にか寝てしまっていた。目が覚めると翌日になっていた。
翌日の朝。ロイド君と共に訓練場に入る。
ロイド:
今日は普通のゴブリンより更に強いゴブリンを相手にしてもらいます。
今までよりも強い魔物ですから一層気を引きしめて下さい。
今日一番目のゴブリンは今までのよりも一層元気だ。
ゴブリン:
グギャグギャグギャ
こちらを見てまるで笑っているようだ。
これを挑発と受け取れば良いのか?笑いながら『かかってこい』と言っているようにも見える。普通のゴブリンと更に強いゴブリンだけど、その違いが明らかだった。すばやく行動し力強い攻撃をして来る更に強いゴブリン。ゴブリンなのでどちらもフェイントに釣られやすい馬鹿っぽい行動を取るのは変らずみたい。
能力アップした事で身体が軽く感じるのと昔の稽古していた頃の感覚を取り戻したと思う。剣術道場の師匠が亡くなってからも、ランニング、素振り、型の練習は欠かさず行って来た。今なら、もしかすると師匠から教えられた秘技が使えるのではないかと思う。
破〇流剣術とか言っていたけど、そんな流派なんて知らないし(;^_^A
師匠は中二病を患っていたのではないか。
中二病を拗らせて亡くなった師匠の冥福を祈ろう。
(師匠):
儂は中二病で亡くなってなんかいないぞ!
圭太:
ロイド君。次のゴブリンから武器を変えるよ。
そう言って日本刀を手に取る。
更に強いゴブリンと対峙しながら師匠に教わった構えを取る。集中しつついつもの構えから一連の流れの如く剣を降り抜く。
圭太:
【一の太刀:我無】
師匠じゃないけど中二病の秘技を使いゴブリンを切り捨てた。
更に強いゴブリンには二本の剣筋があり【我無】が成功したことを物語っている。
【一の太刀:我無】とは、切り上げからの袈裟斬りの二連撃の剣技だ。
態々、こんな技に名を付けるなんてやはり師匠は中二病だ。
(師匠):
中二病ではないぞ(怒)
ー補足ー
ステータスの攻撃力:100みたいな表示は敢えて避けています。
ステータスを確認出来る者には実際の能力値が見えています。
評価やブックマークをしていただけると励みになります。
ー投稿中の作品ー
赤の勇者 ~ちっちゃい聖女は伝説の勇者様?~
こちらの作品も宜しくお願いしますmm