第32話 建国の準備
建国に向けて職人紹介を
編集前をご存じの方へお知らせですmm
少し手が加わっています。
先輩は人族の王都で、小夜ちゃんはエルフ族の所で暫くは様子見ということにした。先輩とは何も問題がなければ合流する必要もないしね。小夜ちゃんには【位置表示】があるから何か行動すれば直ぐに分かるから、その時に駆け付ければ良いかと思う。
先輩の方は冒険者ギルドで冒険者にでもなるんじゃないかな。
元の世界では柔道をやってた以外に何も知らないから冒険者になってお金を稼ぐぐらいしか出来ないかも。もし、IT系の仕事だったら?肉体労働の冒険者活動は辛いかもね。
ー閑話休題ー
【圭太の王国】の今後も考えないとね。
ただの広い空間では淋しいし、土地も利用しないと勿体ないしね。折角、【圭太の王国】の名称なんだから国を作らないとね。
異世界系の某漫画などでは、幼女や少女やケモミミなんかの奴隷や仲間の女性たちと恋愛関係や結婚なんかするんだけど、今の処はそういう予定はない。
後は、内政チートとかもあったかな。
僕が自由に出来る世界だから何でも出来るんだけど住民を増やして僕の自由に国を作ろうかな。
圭太:
ロイド君。国を作る場合は先に住居とかが在った方が良いかな?
それとも自分たちで作って行った方が良いかな?
ロイド:
この空間を利用するなら、ある程度の大きさの都市を作って段々と発展させていく方が良いかもしれないですね。
城中心に城下町から作っていって、中央から発展させていく方が良さそうです。
圭太:
ロイド君。ダンジョンの壁とか壊したら、その跡はどうなるのかな?
ロイド:
・・・そうですね。
元に修復されるのではないかと思いますが、試したことがないので分かりません。
ダンジョンを採掘場にしようと考えていませんか?
圭太:
な、何のことかな?
ロイド:
ダンジョンの壁を切り出すのは構いませんが、切り出した壁をどうやって加工するのですか?
ルーク様しか切り出せない壁を誰が一体加工するのでしょうか。
壁は不壊が備わっているので聖剣を使えば斬り出せますが、聖剣はルーク様しか使えないですからルーク様が加工まで行うのでしょうか。
圭太:
あれれ?あの壁は不壊なの?
ドワーフ族の職人さんなら加工出来ると思ってたけど・・・。
それじゃ、職人さんが指示した通りにカットするのはどうかな?
ロイド:
聖剣を武器に使うのではなく他の用途に使いたいと・・・。
圭太:
やっぱ。駄目だよね。
師匠が怒りそうだね(;^_^A
という訳ですね。
国を作るのに職人さんがたくさん必要なので紹介して下さい。
ギルドマスター:
お前は、どうして「という訳」なんだ。
俺には急に現れたかと思うと意味不明なことを言っているようにしか聞こえないぞ。
困惑したマルチドのギルマスが僕に文句を言って来た。
確かに、急に現れたかと思うと国を作るための職人を紹介してと言われたら誰だって困るだろうね。
ロイド:
・・・。
この目は「困ると分かっている」なら言うなよの目だね。
ギルドマスター:
職人の元締めを紹介するから、人手の手配や材料なんかの調達とかでギルドの方で出来そうな依頼があれば回せよ。
そういうと職人の元締めさん宛の手紙を受け取った。
職人の元締めさんの所に行ってギルマスからの手紙を渡す。
職人元締め:
おい。お前が国を作るって?
国とは何だ?獣人国とか人族の国とかの国のことか?
圭太:
僕の土地に大きな都市を作ろうと思っているんです。
そこで都市の基盤となる街並みを作って欲しいのです。
お金は白金貨300枚で出来る所まで、まずは作って頂きたいです。
職人元締め:
それは儂らには無理だな。
ドワーフ族の国にいる師匠のとこなら喜んで作りそうだから紹介してやるよ。
圭太:
ありがとうございます。
僕はこうしてドワーフ族の国にと足を運ぶことになる。
紹介された工房へと行くと、そこは工房というよりは工場だった。僕の中では工房とは職人が数人で何かを作っている光景を想像していたのだが、ここでは職人が数人どころか大人数で作業をしている様は昔の工場のようだった。
そこで紹介の手紙を渡して職人さんの元締めの方の師匠さんと話をすると現地を見せて欲しいとのことでした。
職人師匠:
ここでなら儂ら総出で都市を作ってやる。
現地次第では考えてやろうとのことで、早速現地へと向かうのだが転移魔法でしか行けないので魔法を使うと驚いていたのだが、現地を見ると凄く興奮した様子で直ぐに了承を貰え、都市を作ってもらうことになったんだ。
工房の人が全員がいなくなっても大丈夫なのか?なんて確認したのだが「気にするな」の一言で済まされてしまった。材料や機材などの搬入や調達もあるので打ち合わせに工房に戻る。
男性職人:
あの城にあった魔道具を調べたいんだが構わないか?
圭太:
魔道具?そんな物ありましたか?
男性職人:
お前。自分の城なのにわかんねーのかよ。
工房みたいな所があってよ。
そこには儂らにさえ何に使うのか分からねー魔道具があったんだな。
魔道具だから少しばかり魔石を都合して貰えねーか。
圭太:
魔石って、これでいいですか?
男性職人:
こいつは何ランクの魔石だ?
普段から魔石を扱う儂らも見たことがない魔石だが、何処で手に入れた?
受け取ったSランクのモンスターの魔石に驚いた様に魔石を受け取る職人たちだった。
目を輝かせて魔石の詳細について聞いてくるのでSランクの魔石であることを伝えると僕を上から下まで舐めまわすように確認して来た。
男性職人:
武人のようには見えないんだがお前さんは強者なんだな。
Sランクのモンスターは滅多に討伐されねーから儂らにも中々手に入らなねー代物なんだな。
そんな話をした数日後のことだ。
都市のよう帝が何故だか分からないが凄い速度で発展していたのだ。
僕の予想を超える早さだったので聞いてみると何と例の魔道具が魔石の魔力で街や都市を作るための道具だったらしい。魔石を入れると魔石の魔力に応じた数の建物が出来るみたいだった。魔道具には設計予定の図面を読み取れる能力もあり、設計した通りに都市が完成していくって寸法だ。
ただ、完全に人手が不要かというとそうでもないようで、細かい部分のチェックして回るだけでも一苦労するなんてことを聞いた。一日で百件の住宅の不具合を見て回るなんてそう出来ないしね。
こんな便利な魔道具があるなら依頼なんてするなって言われたけど、そんな魔道具があるなんて思いもしなかったんだし仕方ないよ。
男性職人:
この魔道具があれば・・・。
この魔道具を使って他所でも使いたいなんて事を言っていたけど、移動出来ないと分かったようで早々に諦めたようだ。
男性職人:
ここは便利に出来ているが、一体どうやって魔道具を手に入れたんだ?
圭太:
それは僕にも分かりません。
ダンジョンを攻略し尽くしたら、この空間はその時の褒美として神様から貰ったので・・・。
男性職人:
神様からかぁ。ダンジョン攻略って楽なのか?
圭太:
数が多かったから大変でしたよ。
世界中を回って三十八個もダンジョン攻略ですからね。
男性職人:
そんな数のダンジョン攻略が必要なのか。
儂らには無理そうだな。
どうやら、僕と同じようにダンジョン攻略すれば魔道具を含めたこの世界を貰おうと思っていたようだ。攻略するダンジョンの数と世界中ってことに驚いた風だが魔道具に関しては諦めきれないようだ。
【圭太の王国】内での移動や輸送関係について何も考えていなかった。
男性職人:
この都市は中を移動するだけでも苦労するな。
工具を持って移動する事が大変と嘆いてる職人さんの愚痴から気付かされた。
都市の中だけでも移動は大変なのに王国全土となると更に大変になってくるんだろうね。馬車で移動出来る範囲に都市や街を作るって事でいいんじゃないかな。
獣人国の時のように移動に約四十日も必要なんて不便でしかないからね。
僕も常に手伝えるとは限らないしね。何か移動手段を考えないと駄目かも。
お城を中心とした都市、屋敷を中心とした街を三つ作るでいいと思うんだけね。
屋敷の方もどうやら僕が移動させようと考えると移動出来るようだし、師匠の空間のように自由になるようだ。
【転移】だけは僕が許可をした者以外には使えないようにしとかないと問題が起こりそうだし、この国に来るのも僕の許可を得た者しか出入り出来ないようにしとかないと攻め込むなんてこともありそうだしね。特に人族とかエルフ族なんかは僕から見れば危険な種族だしね。
例の設置式魔法陣なんだけど、実は簡単に作れたんだけど【絶死のダンジョン】の時ほど便利ではなかったんだ。一度魔法陣に魔法を封じ込めると解除は出来ないし複数の効果を持たせることも出来ないから用途ごとに設置式魔法陣を用意しなければ駄目なようだ。
魔法陣の魔法と同じだね。
ロイド:
魔法陣の魔法を設置式(移動可能)にした物が設置式魔法陣ですが(;^_^A
賺さずロイド君のツッコミが入る。
転移魔法を封じ込める場合は二組の魔法陣が必要で、その魔法陣同士でしか転移は出来ない。【絶死のダンジョン】のように一つの魔法陣と複数の魔法陣に繋げることは出来ない。失われた技術とは複数の転移魔法陣を一つに纏めることだったようだ。
設置式魔法陣が失われた技術と思っていたんだが違っていた。
その事については職人さんたちから大笑いされたしね。
何でも過去に設置式魔法陣と呼ばれていた技法も今では技術革新があり今は設置式魔法陣とは呼んでもいないようだ。職人だけに教えられる魔法やスキルの効果を物に付与する技術が開発されてからは物に魔法印を刻むだけで同様の効果を得られるらしい。
この技術の便利な所は小さな物にも魔法印が刻めることだ。
これが魔法陣(設置式含める)だと魔法陣を展開する広さの空間が必要になって来る。最低でも縦横五メトルの広さが必要なのだ。
現在の技術と比べる不便なのだが設置式にも便利な所はある。
大きな術式を行使するのには大きな魔法陣が必要になって来るからね。この技術と魔道具の違いについてだけど魔道具は魔力を流さないと使えない。
この技術は魔力を必要としないのでONとOFFの切り替えが出来ない。
ONとOFFの切り替えの必要のない魔道具に使える技術なんだけど大型の魔道具に魔法印を刻み込む作業は重労働になってしまう。大きな倉庫全てに文字を書き込みなんてことを想像すると大変さが理解出来る。
上手く棲み分けが出来ていそうだね。
職人さんたちに都市への入り口に大きな門を作ってもらう事にした。【看破】などを利用して不審人物が入国しないようにする工夫だ。不審人物が職人さんなどに紛れ込んでたら危ないからね。
転移魔法対策も門の傍に建物(検問所)を作った。
転移や転移魔法の使い手はここに一旦来るようにした。僕の王国だから法則を無視出来るからね。ただし、神様や師匠は法則さえも無視出来るみたい。
いろいろ工夫して僕の王国が完成を迎えた。
人が住んでいないのに都市だけが出来るのもおかしなことなんだけど、これから人を集めればいいかな。そう言えば都市作りを手伝ってくれた職人さんたちは独自の工房を作ってここに住み着くことにしたそうだ。直ぐに移住するという訳にはいかないので受け入れ態勢が整ったら迎えに行くという約束で一旦帰って貰ったのだ。
ある程度の食料や素材などの準備が出来ないと食事や仕事とかも出来ないからね。食料、住民など色んな問題があるけど、直ぐに全て解決出来るなんてことはないから徐々に解決していくしかないね。職人さんも元の生活に戻って貰ったので、例によってマルチドのギルマスに会いに行く。
圭太:
この前は職人さんを紹介していただき、ありがとうございます。
ギルドマスター:
それで国?は完成したのか?
圭太:
住人のいない都市は完成しましたよ。
ギルドマスター:
住人がいない都市?何だそれは?
圭太:
家とか作っても人が住んでいなかっても家ですよね。
それと同じで都市の形だけは出来たのですが住人がいないだけですよ。
ギルドマスター:
それって都市と言えるのか?
圭太:
これからですよ。
人が集れば都市や国になる訳ですから。
ギルドマスター:
それで、何の用だ?
ただ、礼を言いに来ただじゃないだろ?
圭太:
最近、王都の冒険者ギルドの方で【黒髪の青年】で【ケイシ】や【ケーシ】という感じの名の冒険者って登録していますか?
登録したならどんな活動していますか?
ギルドマスター:
なんだ。知り合いか?
お前が探しているヤツか知らねぇが最近【黒髪のヤツ】ならギルドに登録したぜ。
確か、低ランク冒険者だったはずだが・・・変なヤツだよ。
低ランクのヤツだが防具も着けずに素手で高めのランクのモンスターを無傷で倒しやがるからな。
普通は防具を着けないと怪我するぞ。
圭太:
素手でモンスターを倒して防具なしですか。珍しいですね。
ギルドマスター:
そうだ。
だから、こっちにも情報が来てるんだ。
圭太:
まぁ、問題なく活動しているなら構いませんよ。
ギルドマスター:
あ。お前は無茶苦茶するから冒険者ギルドもSSSランクの冒険者にしようかという案が出てるけど、どうだSSSランクになるか?特例だそうだぞ。
圭太:
SSランクで十分ですよ。
SSSランクになってもSSランクと違いがありますか?
ギルドマスター:
そうだよな。
SSランクでさえ扱いが十分でないのにSSSランクなんてどう扱うだろうな。
俺には分からんな。
圭太:
Sランクの魔石が結構な数あるんですが、何個までなら買取して貰えますか?
ギルドマスター:
Sランクの魔石か?
ここだと十個だな。
王都のギルドや他のは分からねぇな。
圭太:
では、今日は魔石を買取して貰って帰りますね。
そういうとSランクの魔石を十個買取して貰って帰ることにした。
白金貨十枚が入った袋を受け取りマルチドのギルドを後にした。
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