第19話 危険な奴が襲って来た。 ※
モンスターのステータスがあります。
編集前をご存じの方へお知らせですmm
少し手が加わっています。
二日三日ほど進んだある日のことだ。
【ピピッーピピッーピーピピュー】と
危険信号かと思うような音が急に頭の中に鳴り響くと同時に『【危機察知】のスキルを獲得しました』とメッセージも聞こえて来た。
ロイド:
ルーク様。そこから離れて下さい。大きな危険が迫っています。
言われた通りに素早くその場から離れたと途端に【ドーン】という大きな音と共に巨大な青い生物が存在していた。その姿は、まるで翼の生えたゴ〇ラだったのだ。
圭太:
ゴ、ゴ〇ラ?
何処の世界に怪獣と戦えっていうんだ。
あの大きさは無茶だろ。
ミ〇〇ルでも撃ち込まないと倒せそうにないぐらいの雰囲気だ。
体長は約十メトルほどのゴ〇ラ。
東〇に版権払ってるの?と言いたくなるよ(;^_^A
その上、本家にはない翼まで生えているし、どうやって戦えと・・・。
圭太:
ロイド君。コイツは?
ロイド:
竜種のように見えますが詳しく鑑定してみます。
怪物
状態:狂戦士
レベル:100
スキル:身体能力アップ強化、再生、狂戦士、気配遮断、並列思考、咆哮、変態
ロイド:
・・・これは、怪物?
それもこれほどまでに強力になっているとは一体。
圭太:
怪物が怪獣となったよ。
それも変態付きだ(;^_^A
ロイド君から怪物の情報が流れてきた。
ロイド:
変態とは姿形が変わることを指します。
これ以上の姿の変化があるかもしれません。
以前の熊型のようにパワーアップも想定出来ますし、怪物の能力的にルーク様が全力で向かわないと苦戦すると思われます。
ご注意下さい。
圭太:
再生もあるんだよね?
ロイド:
おそらくですが、切り落としても再生すると思われます。
傷が塞がる程度であれば良いのですが・・・。
強力な再生能力だと一撃で止めを刺す必要も出て来るかもしれません。
圭太:
えい。
刀剣に魔力と闘気を纏い一撃を加えてみた。
腕の肘の部分で切り落とすことが出来たが、腕が地面に落ちると同時に落ちた腕は例の如く消える。消えたと思った拍子に切り落としたはずの腕が再生を始めていた。僅か数秒の間に腕は再生してしまった。
あの異様な魔石を取り出すような攻撃を加えるか大技で消滅させるかしか選択はなさそうだ。
圭太:
もう。面倒な怪物だなぁ。
怪物:
グロロローォォォン
攻撃を避けながら刀剣を一閃する。
大きく咆哮する怪物からは威圧するような力が押し寄せて来る。僕は吹き飛ばされないようにグッと足に力を入れ耐える。
怪物:
ガッ
口から炎の塊を吐き出す。
ブレス?と思ったが、どうやら火炎弾のような攻撃だった。
圭太:
えええい。
足元を攻撃する仕草に怪物は反応して僕の攻撃を躱した。
膠着状態が続く中、秘技を使わなければ手詰まりであるのだ。僕は一度 刀剣を仕舞う。怪物の攻撃をギリギリのタイミングで躱しながら攻撃の機会を伺っている。どうにも絶好のタイミングが訪れる様子もなく戦いは続く。
魔法でけん制しても無反応だから魔法もけん制には使えないようだ。
圭太:
ロイド君。どうしようか。
ろいど:
もし、アレを使って駄目だった場合はどうされるのですか?
圭太:
そうならないようにタイミングを計ってはいるんだけど・・・中々、タイミングがねぇ。
よっ。と
怪物の攻勢は止まらないし、疲れてもいなさそうだ。
圭太:
でも、このままだと、きっとマズいよね。
ロイド:
おそらく。そうかと。
圭太:
やるしかないか。
【火球】【氷球】【水球】
【光球】【闇球】【土球】【風球】
これでも喰らいやがれ~。
行っけぇ~。
怪物:
グッ?ギャ?グロ?
各属性の色とりどりの球が怪物の気を引くように身体の周りを回り始める。この光景に戸惑っているように見える。当たればなんてこともない球だが鬱陶しいのである。
手を振って魔法の球を潰そうとするが、上手く球に当たらず空振りするばかりだ。怪物の気が魔法の球に取られている間に僕は準備が出来た。
圭太:
【二の太刀:十文字】
怪物:
ギャオオオオオー
闘気と魔力を込めた剣筋が怪物を縦横と十字に切り裂く。
痛みを感じていそうになかった怪物が痛みによってか分からないが一際大きな咆哮を上げた。【十文字】の斬り跡が痛々しく見えるが突如、怪物が薄っすらだが光を帯び始める。
圭太:
何が始まる?
もう一撃【一の太刀:武雷】を喰らえ~。
やったか?
ロイド:
ルーク様。それはフラグでは?
【武雷】の追撃が怪物に当たり爆発し煙が立ち込める。
煙が晴れると、姿形が変わってしまった怪物が堂々と立ち構えていた。先程までは、翼の生えたゴ〇ラを思わせる姿だったのだが、今の姿は先程とは異なっていた。その姿を例えるならキ〇グギ〇ラだ。
本家は金色だがコイツは黒色だ。
ゴ〇ラの頭部が三つの竜になったとでも表現した方が早いのかもしれない。頭部はそれぞれが独立した動きをしている。
怪物:
ギュルルル~
怪物:
グギャギャギャ~
怪物:
ギョロロロ~
三つの頭がそれぞれ叫ぶ。
圭太:
本当にキ〇グギ〇ラのようだな。
また、面倒な姿に・・・はぁ。
益々、倒すのが面倒になって来て溜息が出る。
【十文字】と【武雷】をまともに受けても倒せなかった訳だし、その上変身されたら厳しいとしか言えない。既に先程与えた傷も癒えてしまって傷跡さえも見当たらない。
圭太:
これが変態の効果?
ロイド:
そのようですね。
ここまでの姿の変わりようの変態は聞いたことがありません。
圭太:
でも、これって誰かが使っているんだよね?
ロイド:
使っているというよりは作ったと言った方が正しそうですよ。
理性というか使役されているというかそういう風には感じません。
圭太:
作られたモンスターが暴走しているって考えたら都合が良いってことか。
ロイド:
はい。その通りです。
圭太:
そろそろ無理があるから止めを刺しますか。
ロイド:
では後でゆっくりとお話しましょう。
ご武運を・・・。
圭太:
【飛行魔法】
【雷の矢の雨】を喰らえぇ~。
飛行魔法は空を自由に飛ぶってことはなく、空中に浮かび上がるなんて表現が似合う魔法だ。上空から雷雲もないの何処からか発生した雷の属性を持った無数の矢が降り注ぐ。
『ドドドドドドーン』『ドドドドーン』
鳴り響く音と怪物や地面にぶつかる音も合わさり轟音に包まれる。それでもまだ雷の矢の雨は降り注ぐ。
圭太:
コイツを喰らいやがれぇ~。
【爆裂光斬】
いつの間にか長くなっていた無人の刀剣を上段から思いっ切り振り下ろした剣筋からはとてつもなく大きなエネルギーの斬撃が怪物目掛けて飛んで行くのだった。大きなエネルギーの塊が怪物にぶつかると聞いてならないような音がしたかと思うと怪物は跡形もなく消滅していた。
大きなクレーターが、その衝撃のエネルギーの大きさを物語る。
異様な魔力に包まれた魔石のみが怪物の存在を証明しているかのようだった。この破壊のエネルギーで付近200メトル程はクレーターとなり、周りの木々も吹き飛んでハゲあがってしまった。
流石 世界の破壊者である。
ルークが秘技を使い、怪物の消滅を確認し魔石を仕舞った時、急に恐ろしいまでの殺気に辺りが包まれる。
圭太:
!!!!!!!!!!
逃げるとか回避すると考えるそんな間もなくルールが気付いた時には見知らぬ場所で黒髪の少年が光輝く刀剣を構えていた。
圭太:
だ、誰?
黒髪の少年:
ほう。アイツを倒したのはお前か。
少しだけ手加減してやるから手合わせしろ。
黒髪の少年は僕に立てと促し、お互いに武器を構え見据えた。
不意に斬撃が一閃飛んで来る。音もなく動作も見えなかったが、どうやら少年が振るった斬撃のようだ。ギリギリ躱すのが精一杯で、刀剣を構え直す。
黒髪の少年:
あれをギリギリ躱すかぁ。これではどうだ。
先程よりももっと早い斬撃が飛んで来るが逃げることが出来ない。
何とか刀剣で防ぐことが出来たが不壊なはずの刀剣が折れた。刀剣が折れたことで勢いは弱まったが片腕を失うこととなる。
圭太:
グハァ・・痛ったぁ~。
片腕を失ってしまったが、素早く【回復】を使い出血だけに止めた。
普通なら片腕を失う激痛に藻掻き苦しむのだが、今は戦闘中なので我慢するしかなかった。
黒髪の少年:
ほう。片腕を失っても闘争心は衰えぬか。
片腕を失っても闘争心だけを失わない姿に少年は感嘆する。
何合か剣を打ち合わせている内に少年が不思議なことを呟いた。
黒髪の少年:
お前。もしかして圭太君か?
久しぶりだな。圭太君。
その髪色は黒じゃないけど似合ってるぞ。
もう構えを解いても良い。
こちらからは攻撃しないから安心しろ。
この世界の住人や元の世界でも僕自身を知らない人に僕の本名を知っている者などいるはずがないのだ。
圭太:
人の片腕を落としといて何を言っているんだ!
黒髪の少年:
儂じゃよ。圭太君。
お前の師匠の小林じゃよ。
圭太:
師匠の小林さんは五年前に死んだ。
それに師匠は九十八歳の高齢の爺さんだ。
お前みたいに若くもない。
黒髪の少年:
異世界転生と言えば分かるだろ。
儂は異世界転生で十五歳の少年として生まれ変わった。
お前が儂を信じぬというのなら儂だけしか知らないお前の秘密をここで暴露してやろうか?
圭太:
僕の秘密の暴露?
黒髪の少年:
お前にとっては恥ずかしい秘密じゃろうな。フハハハハハハハハ。
ー補足ー
ステータスの攻撃力:100みたいな表示は敢えて避けています。
ステータスを確認出来る者には実際の能力値が見えています。
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ー投稿中の作品ー
赤の勇者 ~ちっちゃい聖女は伝説の勇者様?~
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