第17話 国境の街
日本食もどき
編集前をご存じの方へお知らせですmm
少し手が加わっています。
例の冒険者たちの件から三日が経った。
獣人国への馬車が出発する日の朝が訪れる。護衛の冒険者に挨拶を済ませ馬車に乗り込む。
馬車の行程は
【一日目】 夜は野営して食事を各自で取る。
【二日目】 村で宿泊と村では食料などを補充出来るらしい。
【三日目】 一日目と同じ野営。
【四日目】 二日目と同じで村で宿泊と食料などの補充。
【五日目】 一日目や三日目と同じ野営。
【六日目】 昼ごろには獣人国の街 グラムに到着するらしい。
途中で休憩があるそうだが、休憩はカウントしていない。
定期便だけあって、前回の馬車と同じ行程で目的地に到着するようだった。
前の旅でも思ったことだが行程に無理がない。野営を連泊するという無理がない計画なのだ。
野営を連続するなんてことは乗客や護衛にも無理が出て来るのだ。魔物や盗賊の襲撃なんて危険に常時晒されるその負担は大きい。負担を減らすために食事などの補給や休憩など野営は出来るだけ少なくし、何度か街や村で宿泊する行路を進むのだ。
まぁ、村と言っても定期便専用の宿泊兼補給する目的の村で旅に必要な物と生活する上で最低限の物しか売っていない。普通、村では村人が生活してるはずなのに鍋やヤカンなどの金属製の調理器具などが店先でも売られていない。
食料品も売っているのは日持ちする食べ物ばかりで日持ちしない食べ物は売り場さえもない。宿や飲食店では日持ちしないはずの食べ物を扱っているので食べることは可能だが、村人が各家庭で生活するには無理がある量だ。
圭太:
ロイド君。これって?
ロイド:
定期便の行路に宿泊と補給が出来るように後から村を作りました。
元の世界でも後から作られたなんて施設はあったのではないですか?
例えるなら、高〇道〇のP〇やS〇なんて物は街道の後から作られた物ではないでしょうか。
圭太:
そうだよね。
〇速と同じと考えれば分かりやすかったね。
ロイド:
今は中継の村ですが何れは村に人が集まり町となるでしょうし、今の野営地に中継の村が出来て国全体が発展するなんてこともあるのではないでしょうか。
圭太:
もしかして、転生者か転移者が考案した結果なの?
ロイド:
いえ。違います。
初代勇者が原案ですが、古の契約により他国への侵略行為が出来ないので貿易で稼ごうという案が定期便の基礎となりました。
貿易専門の行路が定期便と名付けられ、人や物が輸送されるようになったと言われています。
その後を転生者が勇者の功績を利用した改定案を出したのが大きな事業となりました。
圭太:
定期便以外のルートの方が三~四日掛けて大きな街などに行くんだね。
ロイド:
そうなっています。
圭太:
初代勇者と転生者の考えが良かったって事か。
馬車は何事もなく国境の街まで到着する。
道中はゴブリンやオーク程度の若干弱い部類の魔物たちをあっさりと護衛の冒険者が倒したので僕の出番は無かった。
圭太:
ここが国境の街?
護衛冒険者:
そうだぞ。
馬車を降りたら翌朝の集合に遅れるなよ。
圭太:
変わった街ですね。
街そのものが国境って感じですね。
護衛冒険者:
初めて来たのかい?
圭太:
はい。初めてです。
護衛冒険者:
この街は国境でな。
宿泊や物資の補給以外に人や物の流通の監視役を兼ねているんだ。
犯罪者や違法な物が他国へと流出しないように監視する部門と検問がある。
もし疫病が発生すれば他国への出入りが封鎖されるんだ。
国境の壁も左右のどちらにも十キロ毎に砦があってな。
この街と砦は壁で繋がってて、この街の検問を通らねぇと他国へとは行けねぇようになってるんだ。
街と同じような仕組みは何処の国境でも同じだ。
これも勇者の子孫の方々のお陰だよ。
ところで、お前さんは王都からの便で来たんだよな?
圭太:
はい。そうですけど・・・。
護衛冒険者:
獣人国で何をするんだい?
獣王を目指してるとかか?
圭太:
僕は冒険者なので修行の旅ですよ。
獣王になんてなれませんよ(;^_^A
護衛冒険者:
そうかい。
修行と言えば王都の騎士団長とは手合わせはしたのかい?
圭太:
えっ?騎士団長と手合わせなんてとても・・・。
護衛冒険者:
何だい。それも知らないのかい。
王都の騎士団長は強者を求めているんだ。
腕に自信があるなら腕試しに模擬戦も出来るんだぜ。
ギルドマスターからの推薦状があれば騎士団長に挑戦出来るって訳さ。
まぁ、ギルドマスターも過去の英雄なんて猛者だから結構難関だがな。
圭太:
あの。お勧めの宿って何処ですか?
そろそろ宿を決めないと・・・。
護衛冒険者:
お勧めの宿ねぇ。
料理も美味いし宿代も安くてサービスが良い【からめ停】と珍しい料理が食べれる【30宿】だな。
ここも珍しい料理だが美味いぞ。
30宿って字面だけ見ると【さんじゅうやど】ってなるけど、まさか30ヤ〇ドってこと?ここにも転生者や転移者が絡んでいるのかな。ここらでは珍しい料理を扱うって言ってたしあり得そうだ。
いつの時代の転生者や転移者か分からないが色々と活躍しているようだ。
護衛の冒険者さんのお勧めの宿を手配してから、話に出た【30宿】が気になるので料理だけでも構わないって事なので行ってみると
女性店員:
いらっしゃい。ご注文決まりましたらお呼び下さい。
相席になるが席に案内される。
料金は何を注文しても銀貨一枚の値段だ。
【親子ドーン】:麺料理で元の世界の親〇丼の麺バージョンといった物だ。
【野菜サラーダ】:名前だけも分かると思うが野菜サラダだ。しかも丼に山盛りでソースの類は一切ない。生野菜をこの量食べるのは苦でしかないと思うのは僕だけだろうか。きっと他の人も苦だよね。
【タマゴヤーキ】:お〇み焼きのような物。ソースをかけて食べるらしい。
【ギョーザ】:これも餃〇そのものだ。ソースに付けて食べる。
他にも色々と元ネタが分かるような料理ばかりだが、現地人がアレンジしたのか元の世界の料理と言っても不味い。何が不味いかというとソースが合っていないのが不味い。
〇肉のタレのような感じなのに酸味が凄い。
酸っぱいソースをお〇み焼きにかけて食べるのは僕には無理だ。
餃〇は餡がゴロゴロした野菜しか入っていないが、とてつもなくデカい。
三十センチもあろうかと思う大きさの餃〇だ。
何か微妙な物ばかりなので親子ドーンを注文した。
麺はパスタ麺だったし、醤油がないので味付けが餡掛けパスタのようになっていて美味くないが食べられない程に不味くはない。誰だ珍しい料理で美味しいと言ったのは・・・(;^_^A
まだ、普通に宿で食べた方がマシだったのかもしれない。
圭太:
ロイド君。醤油とかお米とかはないの?
ロイド
ありますよ。
ただ、ルーク様が考えているような物とは違っている可能性が高いです。
醤油は元の世界の魚醤と呼ばれる物とほぼ同じですが、塩気が強すぎてルーク様には塩辛いかもしれないです。
米はタ〇米って品種をご存じでしょうか?
ご存じでしたら早いのですが、タ〇米を更に不味くしたような米です。
ルーク様の故郷の米よりも細長く食べた食感がパサパサするそうです。
要は、転生者や転移者が持ち込んだ知識などを現地人好みにアレンジしているので元味を好んでいる僕には不味く感じるって訳だ。
おそらくだが、料理を教えて貰った当時は上手く作れていたのだろう。
月日の経過と共に素人にアレンジされ真似された結果がこんなに美味しくない料理になったと思う。こんな様子だと勇者の子孫の街の料理も期待出来ないのかな(;^_^A
獣人国の魔物について調べておこう。
魔物についての知識の有無が致命的になることもあるので調べておいて損はないはずだ。次の街 グラムまでは草原が広がっており、疎らに木が生えている。うまく表現出来ないが、空から見ると薄い緑の地に濃い緑が疎らにある様は水玉模様なんじゃないかな。
そんな土地に生息する魔物は、牙虎、大トカゲ、陸亀、グリンゴブリン、オークなどの低ランクの魔物
大陸亀、巨大トカゲ、ハイオークジェネラル、大牙象、侍猿などの高ランクの魔物が生息している。
名前だけで何となくどんな魔物か分かるような気がする。後は、実物の大きさやその強さだな。怪物もいつ現れるか分からないし警戒を怠るのは止めよう。明日からはいつ出会うか分からない獣人族に期待しつつ宿で明日に備えよう。
圭太:
おやすみなさい。
評価やブックマークをしていただけると励みになります。
ー投稿中の作品ー
赤の勇者 ~ちっちゃい聖女は伝説の勇者様?~
こちらの作品も宜しくお願いしますmm