第16話 命名:のじゃ幼女 ※
モンスターのステータスがあります。
編集前をご存じの方へお知らせですmm
少し手が加わっています。
昨日は依頼内容である魔物が狩れなかったので今日も王都の森林の奥地へと向かう。ヘビやクマの魔物を始めとするBランク魔物を次々と討伐しながら奥地へと進む。
昨日、あの冒険者パーティーと別れた場所で彼らが行った方へと進む。
池には昨日行ったから今日は反対方向を選んだだけだ。
圭太:
今日は、尾行もないし安心して魔物を狩れるな。
青い竜もいそうにないしね。
ロイド:
青い竜はいますよ。
圭太:
えっ。いるの?
ロイド:
ルーク様は普段は【魔力探知】と【気配探知】の同時使用による頭痛に懸念されて探知範囲を百メトルほどに限定されていますが、探知範囲を広げると青い竜の存在を見つけることが出来ますよ。』
圭太:
【のじゃ幼女】はいるのかぁ・・・。
【のじゃ幼女】と名付けられたのも可哀そうではあるが、そんな発想する僕にロイド君はジト目を向けて来る。
ロイド:
・・・。
相変わらずだ(;^_^A
圭太:
【のじゃ幼女】は僕のことを知っていたみたいだけど、ロイド君はその事についてどう思うかな?
ロイド:
あれは竜種ではなく竜族の方ですね。
何故、こんな所に竜族がいるのか分かりませんが、おそらくルーク様を狙っているか監視しているように感じました。
監視対象や標的が目の前に現れるとあのような態度を取る者も少なくありません。
何故、ルーク様が監視されるか標的にされるかについては分かりません。
狙われる?監視対象にされる?どちらも心当たりがない。
次見かけたら捕まえて優しくお話しないと駄目かな。
(青い髪の幼女):
何か寒気がするのじゃ。
森を奥へと進んで行くと冒険者の物と思われる武器や防具などが置いてあった。
争った形跡はあるが、武器や防具などが置いてある事に警戒する。何故、警戒するかというと、魔物に殺された場合だとその冒険者の死体を魔物に食べられたりするのだ。
だが、武器や防具などは壊れていないし、血が着いて汚れている訳でもない。
寧ろ、丁寧に整えられている様子に罠かと思わせる雰囲気がある。警戒を緩めずに武器や防具などを確認すると荷物らしき物から五枚のギルドカードを見つける。
例の冒険者の持ち物だった。
尾行までされたので罠かと疑ったがギルドカードを捨てるような真似は普通はしない。装備だけで獲物を釣るのが普通だからだ。亡くなったなら冒険者ギルドにカードを届けようと思いギルドカードを拾うと威嚇する怪物が目の前にいた。
怪物
ウロロロロオ~ン。
圭太:
また、【探知】を擦り抜ける魔物?
それも覆面レ〇ラー?これはクマか?
圭太:
ロイド君。【鑑定】を頼む。
ロイド:
【鑑定】
怪物
状態:異常
レベル:90
スキル:身体能力アップ強化、狂戦士、気配遮断、狂化強化
ロイド:
この前の魔物と姿形は変わっていますが、同じタイプの魔物のようです。
圭太:
例の怪物という名の魔物?
ロイド:
その通りです。
圭太:
前のヤツは倒したから倒すのは簡単だけど、今日は【のじゃ幼女】が見てるよね?
ロイド::
ここからだと結構遠いですが、私たちのことは見えているようですね。
圭太:
そうか。
手の内は明かせないから技を使わないで倒すしかないってことか。
一方が攻撃をするとそれを相手が躱して、それに反撃をするなんてことをお互いに繰り返すことしか出来なかった。お互いに攻撃が当たらない。
怪物が意外にすばやい動きで僕の攻撃を躱す。
まぁ、こっちもヤツの攻撃を躱すんだけどね。
そんな攻防を続けていると、一際大きな叫び声を上げると魔物の目が赤く光ったと思ったら、その身体が光始める。
怪物:
グギャーン
圭太:
ん?パワーアップかな?
今まで魔物の体毛の青かった部分が更に強く光始めると今まで青かった部分が赤になり、まるでサ〇タの衣装を身に纏っているように見えるのだ。
圭太:
・・・グハァ
急に動きが早くなったことに対応出来ずに攻撃を受けてしまった。
その攻撃は重く吹き飛ばされそうになったが耐える。
怪物
ウロロロロオ~ン
かかって来なと言っているように挑発して来る。
このままでは厳しいので刀剣に闘気と魔力を順に纏わせる。
【キーン】とまるで金属同士がぶつかり合う音がする。刀剣と魔物の爪がぶつかり合いがそんな音を発したのだ。一旦、距離を取り魔法でけん制をする。
圭太:
【炎の槍】
魔物は右手で【炎の槍】を薙ぎ払う。
バシュという音と共に薙ぎ払われた魔法は消滅する。
圭太:
魔法はけん制にもならないか。
・・・はぁ。仕方ないかぁ。
【一の太刀:我無】
【ガギギギギ】という音と『グギャッ』という叫び声が聞こえる。
この前の魔物を一撃で倒せたはずの【我無】でさえも魔物は耐え凌いだのだ。怪物は満身創痍ではあるが致命傷を受けたという様子ではなさそうだ。
圭太:
ウッソ~。あれを耐えるの~。
ロイド君。
森を出来るだけ破壊しないようにするには、どれぐらいの本気を出せばいいかな?
ロイド:
本気を出されるので?
圭太:
それしか方法はなさそうだけど・・・それとも何か良い案があるの?
この本気というのは闘気と魔力を合わせた出力の事だ。
破壊する力の方が強くて普段は使えない。怪物と対峙してから十%程度の出力の本気で戦っていたがパワーアップしたヤツを倒すには十%の出力の本気では足りないのだ。
ロイド:
五十%までなら・・・耐えられるのではないかと。
そう聞くと僕は刀剣を鞘に納める。
【光の矢の雨】の絨毯爆撃を魔物の目眩ましに使う。
ドドドドドドドドドドッドォーンと轟音がする。
圭太:
【一の太刀:武雷】
チンという刀剣を鞘に納めた音がした。
圭太:
お~い。大丈夫かぁ~?
青い髪の幼女:
あ、危ないのじゃ。
何とかギリギリで避けた青い髪の幼女(仮称:のじゃ幼女)が遠く離れた所で怒っているのが見える。
そう。僕と青い髪の幼女(仮称:のじゃ幼女)との間に先程まで多くの木々が遮っていたのだが、【武雷】により突然道が出来たように木々が消滅し、青い髪の幼女(仮称:のじゃ幼女)の元まで一本の道が続いていた。
魔物がいた場所には異様な魔力に覆われた魔石が残されているだけである。
ロイド:
ルーク様。魔石を直ぐに仕舞って下さい。
ロイド君に言われ魔石を仕舞ったのだった。
青い髪の幼女:
放すのじゃ、放すのじゃ。
泣きながら、そう訴える青い髪の幼女(仮称:のじゃ幼女)
武雷の威力に呆気に取られた所を掴まえたのだ。幼女だけにお菓子という名の餌でも釣れたかな(笑)
ロイド:
・・・。
さて、優しいお話をしましょうか。
圭太:
昨日の続きだけど、何故、僕のことを知っているのかな?
青い髪の幼女:
し、知らぬのじゃ。
明らかに目を逸らした。
音も出ないのに口笛まで吹いている姿が誤魔化し切れていない。
圭太:
ウソが下手だね。
青い髪の幼女:
な、何のことじゃ。
ウソなんて吐いていないのじゃ。
それよりも放すのじゃ。
昼寝を邪魔したお主が悪いのじゃ。
圭太:
昼寝?そんなことで話を逸らしても誤魔化されないよ。
青い髪の幼女(仮称:のじゃ幼女)は凄く怯えているように見える。
青い髪の幼女:
・・・のじゃ。
圭太:
えっ?聞こえないよ
青い髪の幼女:
その物騒な魔法を仕舞えというとるのじゃ。
僕の周りには【火球】【氷球】など球形の魔法がいくつも飛び回っている。【火球】を手で掴まえて青い髪の幼女(仮称:のじゃ幼女)へとそっと差し出す。
圭太:
物騒な魔法ってこれのこと?
あげようか?
青い髪の幼女:
い、要らぬのじゃ。物騒な魔法は早く仕舞えというとるのじゃ。
怒って来た青い髪の幼女(仮称:のじゃ幼女)を揶揄うのも楽しい。
ロイド:
・・・。
ロイド君の視線が痛い(;^_^A
圭太:
僕のことを知らないと言って本当のことを言わないようだから君のことから聞こうかな。
君は何処の誰で、何処から来たの?
青い髪の幼女:
妾はエルフ族なのじゃ。
エルフ族の国の方から来たのじゃ。
その指先は、本当のエルフ族の国の方角を指さずに、全く違う方向(明後日の方角)を指していた。
圭太:
エルフという名前?
青い髪の幼女:
エルフ族という種族なのじゃ。
圭太:
竜族は種族さえもウソを吐くんだね(;^_^A
青い髪の幼女:
・・・。
圭太:
もう一度聞くよ。
君の名前は?
青い髪の幼女:
妾は・・・名は言えぬのじゃ。
圭太:
君って呼ぶのはなんだから【のじゃ幼女】と呼ぶけど良いかな?
青い髪の幼女:
よ、幼女は嫌なのじゃ。
圭太
【のじゃ少女】で決まり。
青い髪の幼女:
・・・【のじゃ少女】。それも嫌じゃ嫌なのじゃ。
圭太
我儘なヤツだなぁ。
青い髪の幼女:
そもそも変な名前は嫌なのじゃ。
お主も【変人】と呼ばれて嬉しいと思うかの?
妾も同じように【のじゃ少女】も【のじゃ幼女】も嫌なのじゃ。
圭太:
もう面倒だから【のじゃ幼女】以外は受け付けないから・・・。
ロイド&青い髪の幼女:
・・・。
二人からのジト目かい。
圭太:
それより、何でこんな所にいる?
誰かに命令されて此処にいるような気もするが・・・。
青い髪の幼女:
お主がアレを倒すのを妾は見たのじゃ。
アレを倒せるのは熟練のAランク冒険者達が協力してやっと倒せると聞いておるのじゃ。
一人では決して挑んではならぬ強い魔物なのじゃ。
圭太:
・・・。
青い髪の幼女:
それにあの技は何じゃ。
あのような技は見たことも聞いたこともないのじゃ。
圭太:
あれが見えたのか?
青い髪の幼女:
そうなのじゃ。
圭太:
へぇ~。見たのかぁ~。
腰の刀剣に手を添える。
青い髪の幼女:
暴力は反対なのじゃ。
見た者を消すなんて物騒すぎるのじゃ。
圭太:
まっ、いっか。
今度捕まえたら斬るからね。
ロイド:
・・・。
ロイド君の視線が痛い(;^_^A
【のじゃ幼女】にネタ振っても知らないんだろうね。一通り楽しんだから開放することにした。
圭太:
もう、捕まるなよ。
青い髪の幼女:
もうお主には付き合いきれぬのじゃ。
では、さらばなのじゃ。
青い竜の姿に戻り飛び去って行った。
ロイド:
あれで宜しかったのですか?
圭太:
そうだね。
怪物を討伐した僕を監視していただけの様だしね。
それに怪物について詳しく知らないようだしね。
ロイド:
誰がどんな目的で怪物を使っているのか知らなさそうでしたね。
圭太:
今回、偶然見つけた最初の怪物を僕が倒した。
それを【のじゃ幼女】が偶然見つけただけだからね。
ロイド:
そうですね。
おそらくは怪物を使っている人物は手当たり次第に動く生物を殺す算段だったのでしょうね。
怪物の行動サンプルが取れ得れば良しと言った具合で・・・。
そう二人で話ながら王都のギルドへと戻った。
Bランク魔物二十体、Aランク魔物五体の討伐報告と魔石を買取して貰った。
後、忘れないように
王都の森林の奥地で、Bランク冒険者パーティー【銀の戦車】の武器や防具などの装備品、荷物袋などからギルドカード見つけて、それらを回収して受付に渡している事をギルマスに伝えた。彼らの死体は確認出来ていないので、もし彼らの帰還がなければ戦死したかもしれないと判断してくれとも伝えた。
ギルドカードの再発行などで生存は確認は出来るが、事の顛末を聞くにおそらく死んだだろうとギルド側も判断するらしい。
ー補足ー
ステータスの攻撃力:100みたいな表示は敢えて避けています。
ステータスを確認出来る者には実際の能力値が見えています。
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