第117話 初めてのクエスト
編集前をご存じの方へお知らせですmm
少し手が加わっています。
冒険者ギルドにお勧めされた宿屋に着いた。
女性受付:
いらっしゃい。何名でのご利用ですか?
部屋割りはどうされますか?
森川早苗:
四人です。全員が同じになるような部屋希望したいのですが可能でしょうか?
女性受付:
四名様ですね。お部屋に案内します。
僕らに案内された部屋は入り口の扉を開けると直ぐに左右にロッカーみたいな荷物置きと武器や防具を置けるスペースがある。僕らの正面には、おそらく寝室への入り口にはカーテンが引かれており、奥の寝室が入り口からは見えないようになっていた。
カーテンを開け、奥へと進むとそこには左右の壁に張り付くような二段ベッドが備わっていた。二段ベッドの個室?にあたる部分にあるカーテンで個人のプライバシーを守るようだ。宿屋というよりは簡易宿泊施設と言った宿の部屋だった。
本当に寝るだけしか出来ない。
金のない冒険者には安くて便利な宿だ。
こんな部屋でも一人大銅貨一枚(約五千円)もする。
この宿には、四人部屋と二人部屋のに二種類しかないそうで、二人部屋は僕らに案内された部屋を半分にしたような部屋だそうだ。一人の客や二人の客には二人部屋を案内し、三人の客や四人の客には四人部屋を案内する。それ以上の人数や細かい部屋割を希望する場合でも人数調整されて部屋が割り振られる。
今日は、もう寝て明日からに備えよう。
ー閑話休題ー
翌日は王都から出てフィールド(草原)で魔物狩りや薬草や木の実などの採取を目的としたクエストを行おうということで現在はフィールド(草原)にいる。
『異世界を題材にした物語』のように王都の中で冒険者がするような仕事はない。冒険者は王都の外でクエストをして王都の中は孤児など戦う力がない者が行うからだ。魔物の暴走の影響でモンスターが活性化しているので身を守る力がない者が気軽に街の外へ出るのは危険だからだ。
王都の中と外で戦う力の有無で棲み分けされているのだ。
「誠ちゃん。今日は魔物を倒しに行こうか。」ってことから始まっていまに至る訳だが、フィールド(草原)と言っても、某ゲームのように簡単にモンスターに出会う訳ではないからピクニックと同じとしか言えない。
遠くに見えていた森が近くになると、やっと魔物に出会う?遭遇することが出来た。
灰色の毛皮で頭には角が生えたウサギのモンスターの一角兎が二体いた。日本だとウサギは一羽二羽と数えるんだけど、この世界だとウサギは動物でもモンスターでも一体ニ体と数えるんだそうだ。たまに〇匹で数えるモンスターもいるけど、殆どは〇体で数える。
真田雫:
あっ。あそこにホーンラビットがいるよ。
森川早苗:
誰の魔法を使って倒そうか?
立花理沙:
毛皮とは売れそうだから傷を付けない魔法を使う方がいいと思いますわ。
森川早苗:
私が風魔法を使ってみるわね。
【風の矢】
真田雫:
あっ。ウサギが逃げた!
ホーンラビットに向かって、薄い緑色の矢が飛んで行ったんだけどホーンラビットは避けた。ウサギも命が惜しいんだから逃げもするだろう。魔法が当たらなかった方は躍起になって様々な魔法を使う場面になってしまった。
立花理沙:
【火の矢】
森川早苗:
【風の矢】
真田雫:
【水の矢】
立花理沙:
【土の矢】
ザク、ザクと地面に次々に魔法の矢が刺さる音がするが、肝心のホーンラビットには誰一人当てることが出来なかった。
誠:
【雷の矢】
誰も魔法を当たられなかったので仕方なく僕が止めを刺した。
フィールド(草原)に魔法の痕跡が・・・穴だらけだ(;^_^A
真田雫:
練習では出来たのに、どうして当たらなかったんだろうね。
お城の中での魔法の練習は、大きな的を(故意に)ゆっくり動かして魔法が当てやすいようにされてたしね。それも五メトルもあるかどうかの至近近距離でだ。そんな的当てを外す方がおかしいと思えるぐらいの練習と実際にモンスターを倒す場面を一緒にしないで欲しい。
モンスターや動物も命が惜しいから魔法が飛んで来れば避けもするし逃げもすると思う。
そんな動いているモンスター目掛けて魔法を当てることが出来ないのなら、当分は魔法を当てる練習をフィールド(草原)で行うしかなさそうだ。素早く動く的に魔法を当てる練習を実戦を交えて行うしかなさそうだ。
僕らはホーンラビット四体を倒した。
最初に魔物を発見した時は二体だったんだけど、彼女らが魔法を外して逃げた先に新たな二体のホーンラビットと合流してしまった結果だ。
倒した魔物は雫さんの魔法のバッグに直ぐに入れた。
魔物に対して魔法を使う時にフェイントやら注意を逸らしてとかしなければ魔法を当たらなそうな気配がする。魔物は生きていて動く。魔法や攻撃に対しても逃げることもするし避けもするだろう。
こちらに向かって来る場合も考えると動く的に確実に魔法を当てる事が出来ないと今後厳しくなると思う。砲台のように当たる当たらない関係なく魔法をぶっ放すだけなら、強力な魔法を使える彼女らなら問題ないだろうけど・・・。
その後、僕らは何度かモンスターと遭遇して倒していて、モンスターの中には死体として残る個体と魔石やアイテムに変わる個体とニ種類のモンスターがいることに気付いたようだ。
最初はモンスターの種類で違いがあるのかと考えていたようだけど、同じモンスターでも個体差ごとに死体になるのと魔石になるのと違いがあることに気付いたようだ。
魔石になる方の個体はまるでゲームでモンスターを倒した時と同じようにモンスターの死体が消え、魔石が残り時にはアイテムがドロップする。見た目で魔石になるか死体になるかの違いを判断する事は出来なかった。
モンスターを倒してみて、死体が残れば『うげっ、面倒~。』と嘆き、魔石になってアイテムをドロップすれば『ラッキー。アイテムゲットだぜ!』と喜ぶ雫さんたちだった。
後で聞いた話だが、モンスターが消えて魔石が残った個体がダンジョン産のモンスターで、ダンジョン産のモンスターであるなら全てが魔石とドロップアイテムになるそうだ。
敢えて、ダンジョン産のモンスターであるならと強調したのはダンジョンの中にも外の世界と同様に死体になる個体も存在するらしい。
ダンジョン内のモンスターの殆どが魔石を残すのだが、稀にそういう現象があるぐらいの感覚でいいそうだ。ダンジョンでモンスターが死体になった=異常事態だと慌てないようにとのことだった。
クエストを終えてギルドに報告時に確認したことだが、モンスターを倒した時の経験値もダンジョン産の場合はギルドカードを通して受け取るらしくて、パーティーを組んでいればメンバー全員が均等に経験値を得る。
死体になる個体の方は戦闘に於いての貢献度で他のメンバーも経験値を得られる。止めを刺した者は気持ち程度経験値が他のメンバーより優遇されるとのことだった。気持ち程度なので本当に極僅かな経験値だそうだ。
魔物を倒した事で僕らはレベルアップした。
僕はレベルが二つ上がってレベル三になった。彼女らはレベル一つアップしただけだった。
だけど、ステータスの成長は彼女らの方が成長した値が高かった。
僕はレベル三になったのに各ステータスは三しか上がっていた。生命力は400で魔力が200上がっていた。
それに対して彼女らのステータスの成長は各ステータスが五十も上がっていた。生命力は200で魔力が100上がっていた。
各ステータスの伸びは彼女らの方が良かったが、今後どう成長するのか分からないから様子見するしかなさそうだ。僕の方が以前と同じように成長しているのでレベルが高くなって来ると化物じみた値になるのは僕だろうと思う。
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