第116話 立ち寄った武器屋
編集前をご存じの方へお知らせですmm
少し手が加わっています。
真田雫:
武器や防具の店も見ておこうよ。
お金を貯める目標になると思うからさ。
食事が終わって武器を売る店で、どんな物が売られていて、どれぐらいで買えるのか事前に確かめようという話から始まった。
女性店員:
いらっしゃいませ。
森川早苗:
今日は買えないかもしれないですが、見るだけでも構いませんか?
女性店員:
構いませんよ。
そう言われて、それぞれが興味がある武器や店内の様子を確認しようってことで武器を見ることになった。
真田雫:
あれ?銃みたい物があるよ。
銃って駄目って聞いていたけど大丈夫なのかな?
女性店員:
あっ、それですね。
魔法銃ですよ。
真田雫:
魔法銃?
女性店員:
はい。使用者の魔力を使って撃つ魔道具です。
異世界の人は武器はロマンだと言って作ったらしいんですがガラクタですよ(;^_^A
銃や魔法銃という言葉が聞こえてきたので皆が雫さんの元へ集って来た。
全員が揃った所で女性店員さんに魔法銃に関しての説明を受けている所で、女性店員さんは指を銃を撃つような真似をして見せた。
雫&早苗&理沙:
?????????
女性店員:
道具を使って魔法を使うよりも、このように魔法を使う方向へ指を向けるだけで魔法が使えるんですよね。
この魔法銃は腰とかに剣を差すのと同じように装備する必要があって、いざ魔法を使う時にワンテンポ遅れる訳ですね。
女性店員さんは、魔法銃を撃つ動作と指を指して魔法を使う動作しながら魔法銃と魔法の使い方の違いを説明して貰えた。
女性店員:
ねっ?腰やカバンの中に魔法銃があると魔法銃を取る為の動作の分だけ魔法を使う動作がワンテンポ遅れるでしょ。
森川早苗:
確かに言われるとそうだわ。
魔法銃は、火、水、土、風、光、闇の攻撃(人を傷付けること)が出来る魔法の適正がないと使えない。魔法銃を装備して、元の世界の銃を撃つような動作は指を対象に差すよりもワンテンポ遅れる。
女性店員:
それに、重大な欠点があるのよ。
魔法が使えない所では魔法銃も使えないし魔力が尽きると使えないのよ。
雫&早苗&理沙:
えっ?
女性店員:
どうして、そんな顔をするの?
魔法が使えない場面で魔法が使えないのは普通のことでしょ。
立花理沙:
あのぅ。銃の先端から鉄の玉みたいなのを入れて飛ばす事は出来ないんでしょうか?
女性店員:
なんだい?
貴女たちは、自称クリエイターな異世界の人達の仲間かい?
立花理沙:
いえ。違います。
女性店員:
そんなことしてどんな効果が見込めるんだい?
鉄の玉を飛ばすのは出来ると思うけど、その鉄の玉を加工する技術や量産するなら金が必要だよ。
良い鍛冶師を抱えている何処ぞの金持ちかい?
森川早苗:
一体、いくらぐらい必要ですか?
女性店員:
そうさねぇ~。
鉄の玉を一つ作るのに金貨一枚ぐらい掛かると思う。
魔法銃も改良しなければならないから何個も集めないと危険だしなぁ。
立花理沙:
えっ?簡単に出来る物ではないってことですか?
女性店員:
簡単に出来る訳がない。
多分だけど、魔法を使った時に玉が押し出されないと玉は飛ばねぇ。
玉と筒とかに僅かな隙間が必要だ。
その僅かな隙間は一ミリにも満たさない誤差で作らないと大変なことになると思う。
手元で魔法で爆発するんだからな。
下手すれば死ぬかもしれないから依頼を受ける鍛冶師がいるかどうかも怪しいねぇ。
この世界の最高クラスの鍛冶師を何人も雇って拘束する訳だから、安く見積もって一年白金貨十枚ぐらいで足りるかどうかだな。
材料費を貴女らが用意するってことが前提だし、生産コストも後払いなら実際にはもっと必要だな。
真田雫:
早苗。白金貨十枚って十億だよ。
森川早苗:
十億ですって~。
それってお高くないかしら。
女性店員:
なら、止めるんだな。
最高クラスの鍛冶師が貴女らの為に他の依頼を断ってまで作るって意味が分かるかい?
貴女らの依頼を受けなくても全員が白金貨十枚なんて簡単に稼げる連中がやるってんなら高くもなるさ。
参考にだがそこの鉄の剣が銀貨十枚だ。
最高クラスの鍛冶師が作ると金貨一枚になるって知ってるかい?
ガラクタを本当に使えるようにするには金が掛かり過ぎるのさ。
ガラクタは実用性がないからガラクタなのさ。
自称クリエイターな異世界の人という人たちが店に置かせて貰って販売しているそうだ。その中の何個か説明されたけど、実用には向かない武器ばかりだった。武器はロマンだと言っていたそうだ。
ー刀身が飛んで行く長剣ー
対人戦で闘技場や模擬戦のような一回限りの戦闘で予想外の攻撃に向いている。
元ネタはスペッツナイフだ。
ナイフのように小物を何個も持つことで有効な訳だけど長剣では無理がある。特に戦闘の最中に刀身が飛ばして外したら予備の剣を出すまでにやられそうだ。
戦闘も一回限りではない。
冒険に出れば、何度も戦闘を繰り返すことだってある。長剣だから予備を何個も持つには無理があるしね。
長剣のようなメインの武器よりもナイフとか予備の武器の刃が飛ぶようにした方が冒険者にはいいように思う。『遠足は帰るまでが遠足だ』なんて言葉を借りるけど、冒険に出ても帰り道もあるんだから簡単にメイン武器を使えない物には出来ないと思うのは僕だけだろうか。
そんな考えがないから自称クリエイターな異世界の人達は長剣の刃を飛ばそうとロマンを抱くのかしれない。
それに鉄の剣なんだから高ランクのモンスターには突き刺さらないという致命的な欠点もある。高ランク冒険者なら銀貨十枚で売ってるような鉄の剣で高ランクのモンスターを相手にしないと思うけど・・・(;^_^A
ー魔法銃ー
魔法の適正がある者が適正のある魔法しか撃てない。
火魔法の適正があれば火魔法を撃つことが可能になる。
だたし、魔法を使う訳だから、魔法が使えない場所、魔力切れ、魔法が効果のないモンスターには意味がない。
魔法銃を利用しても魔法の威力が高まる訳ではないので【火の矢】は【火の矢】のままなのだ。
魔法銃を元の世界の銃を装備するように装備して敵対する相手には『私は魔法銃を持っています。魔法を使います』と馬鹿なアピールをしているのと同じ意味もある。もちろん、魔法銃は脅威ではないので、魔法を使える者がいるという認識だけになる。
女性店員さんが言ったように実用出来る銃もどきを作ろうとすると莫大な金と月日が必要だろう。鉄の玉で金貨一枚って言ってたけど鉄の玉が通用するモンスターにしか効果がない。魔法銃と名前が付いているけど原理はパチンコなんだから理沙さんが求めるような銃ではない。
鉄の剣の時と同じだけど、鉄の玉が通じるモンスターは限定されるし意味があるのか不明。人相手に使うならアリなんだろうけど実用的じゃないように思う。野球のボールやソフトボールの玉ぐらいの玉が飛んで行って当たるんだから結構痛いと思うけど、問題は威力だね。
結局は風魔法か何かで鉄の玉を飛ばすだけの代物になってしまう。
元の世界の銃の構造や仕組みなど必要な知識がある者が作らないと実用化は無理と思う。素人作りの魔法銃を改造した程度だと金持ちの道楽にしかなりそうにないね。
まぁ、元の世界の銃に似たような物が出来上がると古の契約に違反するか何かで抹殺されると思うけどね(;^_^A
ー炎の剣ー
剣を鞘から抜いて魔力を込めると使用者の魔力が尽きるまで炎が出続ける炎を纏える剣。魔力が尽きるまで鞘に納めることが出来ないという欠点がある。この剣はまともそうだ。将来的に魔力の制御が出来るようになれば本物の炎の剣に似た剣になると思う。
まぁ、半端な知識を持った異世界の人の鍛冶師が作った武器だから、実用に向かないのは仕方ないことかもしれないね。
女性店員:
貴女って本当に鉄の玉が飛ぶ魔法銃が欲しいのか?
立花理沙:
ええ。出来れば魔法が使えない所でも使えると有難いんだけど・・・。
真田雫:
止めなよ。理沙。
それは古の契約に触れるって言われたでしょ。
女性店員:
そう。それじゃ仕方ないな。
銃の話をし始めてから女性店員さんは何故か男言葉のような言葉使いをしている。
先程までの愛想の良い女性は何処へ行ったのかと思うぐらい豹変した態度だった。
女性店員:
・・・・。・・・・・。
彼女が何を言っているのかは分からなかった。
突然、静寂が訪れたと思うと何処からか現れた人が女性店員さんの顔を鷲掴みで掴んでいたのだ。
女性店員:
わ、私じゃないわ。
あ、あの異世界の人達に教育をして欲しいのよ。
謎の男性:
そんな理由で儂を呼んだのか。
ほう。こっちへ来て間もない異世界の人か。
どうせ。銃を作りたいとか言って諦める気がないって事だろ?
女性店員:
え、ええ。そ、そうよ。
急にカメラのフラッシュを浴びたように目が見えなくなったと思うと僕らは意識を手放した。
ー閑話休題ー
謎の男性:
それで、お前らが銃を作りたいって言ってた異世界の人だな?
僕らは先程まで武器屋にいたはずなのに今は見知らぬ家の前にいた。
この家って日本の何処にでもあるような家なのだ。
どうして、こんな所にいるのか。
どうして、こんな所に日本の家のような家があるのか疑問だった。
森川早苗:
ここは?何処?
立花理沙:
ええ。そうよ。私よ。
謎の男性:
そうか。では、死んでもらうしかないな。
早苗&理沙&雫&誠:
!!!!!!!!
僕はその殺気の恐怖から何も言えなくなった。
殺されるやこんな所から逃げたいという考えしか思い付かない。魔王と対峙した時でもこんな殺気を受けた事はない。殺気の影響で身体は動けないし声も出せない。
雫さんや早苗さんや理沙さんは口から泡を吐き気絶しているようだった。
謎の男性:
ほう。この殺気に耐えられる者がいるのか。
お主。名前は?
誠:
僕は誠です。
謎の男性:
誠か。覚えておこう。
パチンと指を鳴らすと彼女らは宙を浮いたと思うといつの間にか部屋の中にいた。彼女らが衣服の乱れなども直されており椅子に座った恰好になっている。
謎の男性:
まぁ、椅子にでも座れ。
もう、殺しはしないと思うから安心しろ。』
殺すかもしれない事を否定しなかった。
まだ、安心出来ない状況ということらしい。
早苗&理沙&雫:
う、ううう。
そういう声が聞こえて来たと思うと彼女らは全員一斉に目覚めたようだ。
森川早苗:
ここは?
雫&理沙:
・・・
謎の男性:
ここは儂の家のリビングじゃな。
テーブルがあってその周りの椅子に全員が座ってお茶を飲んでいる様が似合っていそうな場面だ。目の前にはにお茶と『煎餅?』アラレのような茶請けがあった。お茶は日本茶だった。
早苗&理沙&雫:
!!!!!!
真田雫:
私たち。元の世界に戻れたの?
お茶と茶請けに唖然とする僕らと元の世界に戻れたと思い発言した雫さんの言葉だ。
謎の男性:
お前らのいう元の世界ではない。ここは儂の部屋じゃな。
転生や転移した者は元の世界には戻れんぞ。
森川早苗:
どうして、そんな事が分かるんですか?
謎の男性:
それは神様から聞いた話だからだ。
この世界には神様がいる。
その神様が『もう元の世界には戻れない』と言ったのだ。
儂たちはそれを信じるしかない。
それよりも古の契約で禁止されている内容を無視して銃を作ろうと考えるのはどうしてだ。
銃を作ろうと考えるとその関係者全てを犠牲にするのにどうして銃を作ろうと考える。
立花理沙:
私は魔法しか使えない。
魔法が使えない所で身を守るすべが欲しいだけです。
謎の男性:
それは我儘というのではないか?
元の世界でも法律で禁止されていることを平気で犯そうとしているのにか?
立花理沙:
そうして我儘になるのよ。
謎の男性:
お前一人が銃を開発すれば死ぬのはお前だけだ。
お前が死ぬだけなら自業自得だ。
協力者まで巻き込んで死ぬのは自業自得とは言わん。
我儘を通した結果でしかない。
立花理沙:
貴方にそんなことを言う権利はないわ。
私は自分の身を守る為に銃を作る。
それが例え魔法銃としてもね。
だいたい、貴方は誰なの?
謎の男性:
儂か?儂は古の契約を管理する者だ。
契約を守らなかった者の存在や証拠を一切無かったことに出来る力を神様から与えられている。
お前は異世界の人だから、元の世界とこの世界でお前は存在しなかった事になるってことだ。
立花理沙:
管理者って何なのよ?
謎の男性:
お前たちの知る【神様に近い】存在だ。
立花理沙:
神様のような存在なら魔王を倒して私たちを元の世界に戻してよ。
謎の男性:
それは出来ない。儂にはそんな力は与えられえてはいない。
儂は古の契約を守ろうとしない者を始末する力しか与えられていないからな。
では、改めて問おう。
古の契約を守ると誓えるか?
守れないのであれば始末するしかないぞ。
立花理沙:
ち、誓うわ。
謎の男性:
それでは今回は【警告】としておこう。次はないぞ。
それとお前だけは誓約の証を付ける。
僕らは元居た武器屋にいた。
いつの間にか理沙さんの黒髪が白髪になっていた。白髪ではなく、真っ白な髪の毛となったのだ。
真田雫:
あれ?理沙。
その髪はどうしたの?
立花理沙:
髪?どういうこと?
真田雫:
貴女の黒髪が白髪になっているのよ。
綺麗な白色だから、まるで白色に染めたみたいよ。
理沙さんは手鏡を出して自分の髪を見たらしい。
立花理沙:
そんなどうして・・・そうか誓約でこんな事になった?
あれは幻ではなく本当のことだったのね。
僕らは管理者と名乗る者に古の契約守ることを誓わされた。
理沙さんは警告という形で今回は見逃して貰えたが、ペナルティの如く白髪にされてしまったのだ。
管理者は僕には『儂の本気の殺気に耐えられるようになれば稽古をつけてやろう。』と言われたのだった。僕が全く動く事も出来なかった殺気が本気ではなかったことに驚愕するしかなかった。
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