第12話 探索と休日の出来事
お約束♪
編集前をご存じの方へお知らせですmm
少し手が加わっています。
ダンジョン探索 二日目
今日は、中ボスまで行ってみようと思う。
道中、出会ったBランク冒険者パーティー【無限の翼】の四人と十階層で別れた。
圭太:
中ボスってDランクモンスターだよね?
ロイド:
そうですね。
Dランクだとリザード系のモンスター、クマ系のモンスター、ヘビ系のモンスターなんかが該当すると思います。
圭太:
〇〇系のモンスターって何?
ロイド:
細かく言うとルーク様がお嫌うネタばれとなりますので、私なりに具体名を伏せたつもりでしたが、お気に召しませんでしたか?
圭太:
そういう事ね。
リザード系のモンスターだったら、ファイヤーリザードのような感じかな。
ロイド:
そのように考えられると宜しいかと。
ただ、ファイヤーリザードはCランクです。
圭太:
・・・そうなんだ。
道中では コボルド四体、ハイゴブリン四体、グリンキャタピラ二体を倒した。
グリンキャタピラから出た体液が気持ち悪かったのだけが印象に残っている。今まで見た事もない両開きの大きな扉があった。その前には他の冒険者パーティーが順番待ちをしていた。
男性冒険者:
おい。お前はソロか?なら俺たちの後ろに並べ。
そう言って順番の最後尾を指す。
次に来た冒険者パーティーに向かっても同じことを言っていく。
男性冒険者:
おい。お前たちはパーティーか?・・・。
僕の後ろを最後尾と言って指す。
ここでもテンプレがいた(笑)
ロイド:
・・・。
だから・・・痛いって。
ボス部屋は冒険者パーティーが中に入って三十秒ほどで自動に扉が閉まる。
中ではボスを倒すか全滅するかじゃないと扉は開かない。扉が開くと中は何故か戦闘の形跡さえもなくなって綺麗になっている。
奥の部屋で【転移魔法で地上へ戻る】【次の階層への階段】を選ぶ。
この奥の部屋には大きな箱がある。中で全滅した冒険者パーティーの装備品とギルドカードが入っている。
男性諸君らが気にする部分かと思うので先に言っておくが、女性冒険者が亡くなった場合、身に着けていた下着は入っていないので期待しないように。装飾品やアクセサリーの類も魔道具じゃなければ残らない仕組みだ。魔道具であれば遺品として残るようだ。
箱の中はギルドに依頼された冒険者やギルド職員が定期的に回収しているので、依頼を受けていない冒険者には箱を開けて中を確認出来ない。カギが閉まっているので開けられないけどね。
男性冒険者:
次は俺たちの順番だ。
みんな。いくぞ。
前にいる冒険者パーティーが気負いを入れて中へと入って行く。
ものの数分で扉が開くと今度は僕の番だ。僕が入ると扉が閉まる。中に入ると急にモンスターが出現した。
ゴブリンジェネラル:
グギャギャギャギャギャギャー。
雄叫びを上げるモンスターの叫び声が聞こえる。
Dランクモンスターの【ゴブリンジェネラル】だ。
その姿は普通のゴブリンとは比べ物にはならず、肉付きの良い身体に皮鎧を装備している。右手には長剣を装備し左手には皮の盾を装備して、ゴブリン種でなければ戦士の恰好だ。一端の戦士のように長剣と盾とを構える。
ゴブリン種は全て馬鹿だと思っていた僕には、まともに長剣を構えるゴブリンジェネラルがまともに見えた。鉄の剣を正面に構え、キッと睨み挑発してみる。ゴブリンジェネラルは僕に向かって来るはずだったのだが、急に怯えたように逃げ惑うような行動を取るようになった。
長剣を『来るな!来るな!』と言っているかのように振っているのだ。
圭太:
あれ?
ロイド:
はい。【ゴブリンに恐れられし者】が有効になった結果ですね。
圭太:
・・・。
張り切って損した気分だ。トホホ。
逃げ惑うゴブリンジェネラルに止めを刺し、Dランクの魔石を手にして【転移魔法陣で地上へ戻る】。冒険者ギルドへと足を運び、受付のお姉さんに報告と魔石の買取をしてもらう。今日の収入は銀貨二枚だった。
冒険者ギルドにいる冒険者さんに聞いたのだが、ダンジョンに出るボスはランダムで出現するようだ。何度行っても同じモンスターが出る人もいるそうなので運が影響するみたいだ。明日は、気分転換にダンジョン探索は休みしよう。
休みの日に何をするのか決めていないがダンジョン探索を休む事にした。
この世界にもゲーセンとかあれば行くんだけど、遊戯関係が全く発展していない。僕の他にも転移者もいるはずだし、転生者もいるというのに何一つ発展していない。そういう僕も転移者なんだけどね(;^_^A
ロイド:
・・・。
知識はあっても技術がない、それが本来の異世界と僕は思う。
某漫画では異世界からの人が異常な活躍をしているが、現実はそう甘くないようだ。今日を休みにしたものの暇だ。何もする事が思い付かない。
こうしている内に日が暮れそうだ(;^_^A
そうだ。森へ行こう。
何処かのキャッチフレーズではないが森の奥地に何があるのか見に行くのも面白いかもしれない。そう思い立つと早速準備をして森の奥地へと向かう。
圭太:
フフフフ・・・。
ご機嫌に歌を歌いながら森の奥地へと向かう。
注)圭太本人は音痴で他の人が聞けば分かるような歌でさえ何を歌っているのか分からない。例えるなら、圭太本人は童謡を歌っているつもりなのだが他の人が聞けば某国の国歌や般〇心〇を歌っていると思うだろう。それぐらい歌う事に関してはある意味では方向音痴なのだ。
ところで一方では大変な事が起こっていたのだ。
圭太本人はご機嫌なため気付いていないが、モンスターや動物を狩るために森へ来ていた冒険者たちは突然モンスターが逃げ出し肝心な獲物を捕る事が出来なかった。
男性冒険者:
おい。獲物が逃げて出しているぞ。
これでは狩りが出来ん。
また、別の所ではゴブリン種、オーガ種、オーク種、竜種と言ったモンスターが恐れ逃げるように魔の森から出て来て街へと雪崩れ込もうとしていた。
街では特別警報の鐘が鳴り住民は避難を開始し、名の通った高ランク冒険者たちには緊急招集が掛けられていた。そう。ゴブリン種、オーガ種、オーク種、竜種と言ったモンスターによるモンスターの暴走だ。
注)竜種と竜族の違いについて
竜族は人として扱われます。人型の姿になれ言葉を話すことが出来ます。竜種はドラゴン系モンスターの総称です。人型にはなれず言葉も話せません。ルークが呼んでいるドラゴンとは竜族の竜型の姿と同じ姿をしたモンスターです。
では、何故突然こんな事が起こったかというと原因はルーク本人にあった。
ルークが持つ称号【〇〇に恐れられし者】が勝手に働き、音痴な歌を歌いながら歩いて来る様は、まるで【恐怖の大王】が突然現れて大暴れしていると感じたゴブリン種を始めとするモンスターたちは混乱し逃げ惑うのである。
勢いのまま森の外へ逃げ出しモンスターの暴走へと発展したのだった。
ギルドマスターは何も知らず『ルークは何処だ。』とモンスターの暴走へ対抗作戦に参加させるためルークを探していたのだった。
ロイド:
ルーク様。ルーク様。
圭太:
♪♪♪♪♪
ロイド君が何度も呼び掛けてはいるがご機嫌な圭太本人には聞こえず散歩を楽しむのだった。森の奥地へと辿り着いてロイド君の疲れた様子を尻目に何も知らないのは圭太本人だけだった。
ロイド:
・・・。
圭太:
静かだねぇ~♪
ロイド君。何かあったの?
ロイド:
・・・いえ。何でもありません。
ご機嫌な圭太を気遣いロイド君は大きな溜息を吐くのだった。
(神様):
アハハハハ。やるねぇ。彼は・・・。
そんな声もロイド君には聞こえていたとかいないとか。
魔の森の奥地もモンスターの暴走の影響を受け、モンスターの姿さえ見つける事は出来ない。【恐怖の大王】からは逃げるか隠れるかしか出来ないモンスター。隠れる事を選択したモンスターは『どうか見つかりませんように・・・。』と懸命に隠れるしかないのだ。
当の本人は一休みと昼食を食べる。
圭太:
こんな所で食べる昼メシも悪くはないな。
呑気な物である。
森の奥地で昼食を食べ、街へと帰ると街の中は騒然としていたのだ。
圭太:
どうかしたの?
女性受付:
ルークさん。一体今まで何処にいたのですか?大変だったんですよ。
圭太:
今日は天気が良かったから、ちょっと魔の森の奥地散歩していたんだ。
女性受付:
森へ散歩?
男性冒険者:
魔の森の奥地と聞こえたぞ。
女性冒険者:
魔の森だって?
などなど色んな人が圭太の言動に驚いていた。
魔の森の奥地に気軽に散歩する者なんて誰もいない。
そこへ別の【恐怖の大王】がやって来たのだった。
ギルドマスター:
おい、ルーク。部屋までちょっと来い!
ギルドマスターの一言が、事の真相を理解したと物語っている。
どうして?という顔をした僕を例の如く部屋と連れて行かれた。
ギルドマスター:
お前には魔の森で暴れるなと言ったよな?どうして暴れたんだ?あぁん?
圭太:
僕は何もしていませんよ。森の奥地へと散歩に行っただけです。
ギルドマスターの威圧を込めた問いに僕はたじろいでしまった。
今回は優しくお話処ではないようだが僕には心当たりがない。
ロイド:
ルーク様が森の奥地でなされた事が付近のモンスターに影響を及ぼしてモンスターの暴走が発生したようですよ。
【〇〇に恐れられし者】が働き付近にいたゴブリン種、オーク種、オーガ種、竜種などが森から逃げ出したようです。
ロイド君が原因を教えてくれた。
圭太:
・・・。
(もう、気軽に散歩も出来ないの?)
ロイド:
そういう訳ではありません。お歌いになられたことが事の発端と思われます。
ジャ〇アンかよと突っ込んでおく。トホホ。
僕が呑気に散歩をしている頃に街では大変だったようでお小言をたくさん言われ数時間後には開放された。
圭太:
はぁ~。疲れた(TT)
折角、気分転換に森へと散歩に行ったのに戻って来るなりお小言なんてテンションだだ下がり中である。そんな事があった数日後のある日ギルドマスターに、また部屋へと呼ばれる。
圭太:
ガハハハ・・・。おう?よ、よ、よ、よう。ガハハハ・・・。
大声で笑い、笑うのを止められないのか何を言っているか分からない。
手で座れと合図されたので、挨拶と座れとでも言っているのかもしれない。
通訳すると『よう。ルーク。まぁ座れや。』と言っているみたいだ。
ギルドマスターが落ち着いてから
ギルドマスター:
お前も大変だねぇ。歌いながら森を散歩しただけで・・・。ガハハハ・・・。
まだ、止まらないようだ。(;^_^A
ギルドマスター:
歌いながら散歩しただけでモンスターの暴走を引き起こすなんてお前だけだぞ。
圭太:
・・・はぁ。
ギルドマスター:
何にせよ。Bランク昇格おめでとうとだけ言っておく。
他にも言いたい事は山ほどあるが・・・。
女性秘書:
こちらが、ルークさんの新しいギルドカードです。
秘書さん?が手渡してくれたのだが、今までと何ら変わらないように見える。
圭太:
何が今までのと違うんですか?
ギルドマスター:
見た目は変わらないぞ。
魔力を流すとキラキラ光るだけだ。
圭太:
それに何の意味があるんですか?
ギルドマスター:
さぁ?俺には分からん。
たぶん、何の意味もないぞ。
ドヤ顔で言うギルドマスター。
圭太:
・・・。
ギルドマスター:
何でも新しく雇った新人付与師がキラキラ光る方が綺麗だからという理由で付与したらしい。
特に変わった理由や特に目的もないらしいぞ。
ま、まさかこんな所でデコったギルドカードを見るはめになると思わなかったな。たった数日でどうやってBランクにまで昇格したのかは六十一階層でモンスターを倒し捲ったのだ。
Bランクのモンスターを十二体ほど討伐した結果が昇格へと承認されただけある。六十階層までの中ボスとエリアボスの二体のBランクのモンスター。魔法のバッグへ食料やお泊りセットを用意して六十一階層でBランクのモンスターを合計十体狩り終えた所で帰路に着いた。
帰りを楽にする為に、中ボスのいる階層の直ぐ下の階層である六十一階層で狩りをしたのだった。中ボスかエリアボスのどちらかを倒すと【次の階層への階段】か【転移魔法陣で地上に戻る】を選ぶ訳だが、これはダンジョンを探索する上での話だ。
要は、次へ行くか戻るかの選択って事だ。
次の階層への階段や転移魔法陣は厳密にはボス部屋にはない。
ボスを倒した後にボス部屋から少し奥へ行った所の部屋に階段や魔法陣がある。降りて来た階段を上り、転移魔法陣を使えば地上へと帰れるからだ。
この街では魔の森とダンジョンがあるので高ランク冒険者となると結構稼げるようになった。
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