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終焉の起源 ~起源の始まり~  作者: エグP
第六章 勇者アルベルと転生のスキル
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第98話 スキルの持ち主 辛島絵里

編集前をご存じの方へお知らせですmm

少し手が加わっています。

 待望の【完全記憶メモリー】を持つ少女からの応募があった。


 名前は、辛島絵里カラシマエリという十六歳の少女だった。

完全記憶メモリー】のスキルを持っているはずなのに、何故か高校受験に失敗し現在は一年の浪人中だそうで、浪人期間中に同級生とかに知られないように子供産むことを決意したそうだ。


 この少女はもしかしてスキルを上手に使えないのかもしれない。

完全記憶メモリー】のスキル絡みだから応用力がないのかもしれない。経験した記憶は残るけど、それから発展した内容に関しては自力が必要なのだ。


 『リンゴ一個百円の物を五個買って、千円札一枚で支払いお釣りは何円でしょうか?』みたいな質問があったとする。これを学校で学んでいればお釣りは五百円と答えが出る訳だ。

 

 学校で習ったのはリンゴが六個だったりしてリンゴの数が異なっていたり、持って行ったお金が違ったりすると応用が出来ないと答えることは出来ない。


 小学生レベルの問題だからさすがに中学生だから問題ないと思う。

中学生レベルで応用が必要な場合には対処出来ない場合だってあると思う。テストとかだって内容を理解出来なければ回答することは出来ないからね。特に国語や英語あたりだと、出題される文章が異なるのは【完全記憶メモリー】にとって天敵かもしれない。

 

 中学生レベルの応用や引っ掛け問題で躓いて受験に失敗したって感じかな。

下手に学校での成績が良かったから高校受験で躓いたなんて事はスキル持ちならあり得そうだからだ。


 学校で教わった内容がそのままテストに出る。

知っていることだから正しい回答が出来る。だけど、高校受験は知らない事を問題に出されると躓くって具合だな。


 この少女の両親は普通そうだ。

父親だけでもなく母親もいる両親健在の家庭だ。少女は一人娘らしく他の兄弟姉妹は見当たらない。


 お金に執着して子供を産んだ後に追加報酬などを請求するような輩ではなさそうだと判断する。


 『応募ありがとうございます。貴方に子供を産んで貰うことにしました。

つきましては、ご両親の了承を得る必要があるため挨拶に伺いたいのですが、いつが宜しいでしょうか?具体的な日時を決めて頂ければ、こちらの方から伺います。

返信をお待ちしております。』


 こんなメールを返信してみた。

どのような反応をするのか期待したが直ぐ様メールへの返信があった。


 『連絡ありがとうございます。

両親の方はいつでも構わないと申しておりますので、都合の良い日にして貰えればと・・・。』


 そういう返信があった。


 『では、早速ですが、今日の十九時ごろにご自宅に伺います。

そのことをご両親にお伝え下さい。夕飯時で申し訳ないですが、直ぐに帰りますから何もご用意頂く必要はありません。では、のちほど・・・。』


 そういって返信して、子供達に連絡を入れる。


卓也:

応募のあった中からスキル保持者が見つかった。

今夜には挨拶に伺って、近々転生する予定だ。

転生出来る環境は既に出来上がっているから、挨拶の結果次第だということだな。

出生届は父さんの籍だと問題になるから武士の家で引き取ってくれ。


武士:

何故、父さんの籍だと問題になるんだい?


卓也:

父さんは彼女が妊娠すれば死亡する。

死亡届を出した者は除籍されるはずだ。

子供が生まれても入れる籍がない。

来栖はいつかは結婚すると思うから、子持ちで結婚よりは武士が子供を引き受けた方が無難な気がする。

まぁ、籍を入れるだけで父さんはお前達に合うつもりはないからな。

流石に、子供になった姿を見せて父さんだと言われて納得出来るとは思わないからな。


この家は長男の武士にやって父さんの財産からお前達に一億づつやろうと思う。

家の分は父さんを引き取る報酬とでも思ってくれればいいさ。


武士:

・・・っ!父さん。

俺たちに一億づつって正気なのか?

そんな大金持っているってどうしてなんだ?

あり得ないだろう。そんな大金。


卓也:

武士。お前は父さんが子供を産むんでくれという掲示板は見つけたのに、その様子だと父さんが別の掲示板に乗せた内容は見つけていなかったようだな。

父さんは闇の治療師としても仕事をしているんだ。

その報酬は一回につき一億円だ。


 治療師としての活動と出来ることと出来ないことを武士に伝えた。

もう、転生することが確定したから子供たちに隠す必要ないと判断し本当のことを言うことにしたのだ。


ー子供たちや妻に隠れて行っていた行為ー

 

 ・闇の治療師:一回五千万~

欠損部位の回復と死亡した者の蘇生。死亡した場合は条件を満たしていれば蘇生(生き返らせる)が可能だ。ただし、寿命や現代医学に由来する病気で亡くなった場合を除く。不慮の事故で亡くなった場合や部位欠損の回復が主だ。


 ・探し者:一回百万~

神隠しなど人が行方不明となっている場合の生存の有無。死亡しているなら、その死体の発見することまでが仕事。殺人が絡んでいる場合は警察の立ち合いを必要としているが、自らの意思で失踪した場合は生存の有無だけを伝えることにしている。折角、逃げたのに連れ戻してもって意味もあるからね。


 ・政府公認の暗殺&治療師:一回五千万~

政府絡みの依頼。要人の護衛や〇〇戦争の主導者の暗殺や政府関係の負傷の治療など多岐に渡る。


武士:

父さんが金持ちだとは思わなかった。

働いている姿をみていないから心配したんだが必要なかったみたいだな。

来栖にもそう伝えておくよ。

転生する日が決まったら教えてくれよ。

 

卓也:

あぁ。来栖には伝えておいてくれ。

日取りは決まったら連絡するな。


 子供達へ伝えるべき内容はこれだけだと思う。

母さんの死亡を僕が蘇生しなかったのかとは聞かれなかった。母さんを蘇生することは出来なかったからだ。出産場面に立ち会うことは可能だけど、出産後直ぐに死亡した母さんを蘇生して生き返らせるには無理があるからだ。


 蘇生のスキルは人には知られてならない。

だから、口止めも兼ねて一億を報酬として闇の治療師で行っているのだ。


 病院関係者に口止め料なんて請求出来ないし、万が一漏れた場合は取り返しがつかないから。目立たない所で蘇生した程度なら、そんな事実は無かったとして対処出来るが病院は流石に無理があるから。


 十八時になった。

約束してた少女の家に向かう。


 少女とその両親に合う。

転生については説明しなかったがスキルについては軽く説明した。


 娘さんじゃなければならない事を理解して貰うのに苦労した。

まぁ、中学生に子供を産めという方が常識の外の話だしね。仕方ない。


 それに、僕の年齢も理解に苦しんだそうだ。

七十歳近い年齢(厳密には六十三歳)だが、その歳で若過ぎる娘との間に子供が必要な理由は理解出来ないと思う。僕でもそう思う。


 でも、特殊なスキルがある人との間に出来た子供が欲しいって事だけは何度も説明して理解して貰えるように努力した。三十代や四十代ぐらいの女性が優秀な精子を求めて、人口受精を望むのもごく普通にあり得る時代だから、それほど無理があるようには考えられてはいないようだった。

 

 全ての費用は僕が出す事。娘さん宛てに二千万円の報酬を支払う事。

ご両親には五百万を支払う事。子供は僕が引き取る事。子供を産んだ後は一切関わらない事。娘さんと結婚はしない事など色々と条件を認めて貰った。


 子供を産ませたのに娘と結婚しないのはどうしてだという事もあったが、娘さんと結婚したら娘さんが可哀そうだからだ。高校生ぐらいの少女が子持ちで結婚。かなり昔ならあり得た話だが、今はそんな時代ではない。


 僕にはお金があって不自由な生活をさせることはない。

歳の差が開き過ぎて娘さんが苦労するから結婚は断った。ちょっと事故して一年ぐらい入院するような感覚でいて欲しいと説明したのだ。


 ご両親を何とか納得して貰い、少女の部屋で今後のことを具体的に説明する事にした。性行為をして処女を捨て、子供を産む覚悟をしているはず。だから、性行為を行わないのに子供を産んで貰うことを説明しなければならない。


 この転生を行うと処女を失うことに違いないが性行為は行う必要がない。

人の常識として性行為や人口受精を行わないと子供を産めないのは常識だ。だが、そういう行為が一切なく子供を妊娠し出産するのだ。


 実際の妊娠期間は約三十日ぐらいだ。

妊娠して三十日後に出産し、産後の回復などに三十日必要として、親元へと戻って元の生活が出来るようになるまでに約六十日ぐらい掛かる。


 短期妊娠の出産だ。普通の人ではあり得ない早さだが、これもスキルが関係するので具体的には教えることが出来ない。


 少女は性行為をして妊娠を経て出産するのに一年ぐらいと考えていた。

これが普通の考えだ。出産後に子供と会えるのは三十日ぐらいしかない事とその後は関係を断つから会えないことを理解して貰うのにも苦労した。


 母親の権利だと言っていたが、実際の転生から子供を出産や子供の成長とかを見ると少女自身が可笑しくなると思う。


 普通ではあり得ないことが起こる訳だし【完全記憶メモリー】に記憶して貰っても困るからね。個人的はアドバイスとして、応用力を身に付けると成長出来る(成功出来る)と伝えた。高校受験に失敗したのは案の定、応用力不足によるものだったからね。


 それさえ理解出来れば、次の高校受験は大丈夫だと思う。

妊娠&出産も二ヵ月ぐらいだし今後の勉強の邪魔にはならないと思うしね。夏休みたくさん遊びましたぐらいの感覚で、スキルを利用すればそれぐらい休息があっても大丈夫なはずだ。


 そんな話やら色々として少女の家から立ち去った。家に戻って子供達に報告する。


卓也:

転生する日が決まったぞ。

七月一日に少女を迎えに行って転生を実行することになった。

少女は夏休みじゃないが夏休みに母方の実家の方へ帰省ということになった。

実際には帰省しないがな。


武士:

そう。分かった。

父さんの葬儀はどうすればいい?


卓也:

あぁ、今後のことな。

父さんの遺体はこの家に届けられるようになっている。

だから、そのまま葬儀してくれ。

子供の出生届はこちらの方で手配しておくから手続きの必要はない。


栗栖:

父さんが子供になったら、もう会えないの?

一目だけでも見てみたいんだけど駄目かな?


卓也

駄目じゃないが、少女との遺伝子の関係で父さんはお前達から見れば別人に見えるかもしれないぞ。

少しだけ似ている所はあるとは思うけど、遺伝率は女性の方が高かったと思う。

どちらかと言えば子供を産んだ少女に似ている割合が大きいけどいいのか?


栗栖:

父さんの死体が最後でお別れなんて淋しいんだよ。

生まれ変わった父さんを見てお別れした方がまだマシと思うよ。

見知らぬ子供が声を掛けて来て、戸惑うのも嫌だから合言葉を言うってのはどうかな。

母さんの名前を合言葉にしたんだけど・・・。


卓也:

それでいいぞ。

明日から父さんは前日まで留守にするからな。

関係各所へ報告と連絡をしておかないと後々問題になるからな。

暫くは家に帰って来れないと思ってくれ。

七月一日まであと三日しかないだから父さんは大忙しさ。


武士:

関係各所って何なのさ。

父さんは政府の重要人物のかい?


卓也:

そうだぞ。

政府の重要人物が暗殺されたら、蘇生しなければならないからな。

即死じゃなければ父さんがスキルを使っても治療を行った結果。

一命を取り止め回復しましたと都合の良い話が出来るからな。

実際は救助が間に合わなくて死んだとしてもな。

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ー投稿中の作品ー

赤の勇者 ~ちっちゃい聖女は伝説の勇者様?~

こちらの作品も宜しくお願いしますmm


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