第96話 初依頼の思い出
編集前をご存じの方へお知らせですmm
少し短いですが新たに加えた内容です。
犯人を探し出す方法はあります。
僕のレベルが足りているのかどうか分からないのですが、僕が使役している【忍者】を呼び出せるかどうか分からないです。彼女らの力を借りれば犯行を行った者の足取りを掴むことが出来ます。
卓也:
ヒカリとキリカ。
いるかい?
ヒカリ&キリカ:
はい。ご主人様のお傍に私たちはいつでもいます。
人前で姿を見せないように【忍者】のヒカリとキリカが僕の傍にいるようだ。人前に姿を見せないようにしているので僕にもヒカリとキリの姿を確認出来ませんが、存在するという気配だけは感じることが出来ました。
ー【忍者】についてー
ケータさんや教官から【忍者】という存在を教えて貰いました。
人目を避けて王国を守っている存在で、魔法やスキルや精霊魔法を使って作り出した存在が【忍者】です。日本の忍者の恰好そのものだから【忍者】と名付けたそうです。
色々と便利だからと僕がダンジョンを攻略し古城の領域を手に入れた時に作る方法を教えて貰いました。僕は「火のアカリ」「風のミドリ」「土のキリカ」「水のアオリ」「光のヒカリ」「闇のミヤビ」の六体の【忍者】を作りました。古城で僕の世話を焼いてくれる存在であり、僕のサポートもしてくれます。
ケータさんが最初に作った初代忍者は土魔法で作った術者の命令だけを聞くゴーレムでした。それが精霊族と契約を結んだことで上位の精霊族の依り代となることで自我を持つようになったが僕が使役している【忍者】です。
僕の最初の【忍者】ですが、初代忍者に改良を重ねた結果です。六代目忍者が僕が使役する【忍者】です。
【忍者】の彼女らは精霊の力を得ているので、対応する精霊の力は働く所であれば自由に調査出来ます。火の精霊族なら火に関する場所を、光の精霊族なら光のある所に自由行き来出来ます。
静子さんの亡骸が土の中に埋められているのは土の中なので、土の精霊族の力を持つキリカに依頼すれば残留物などの調査も可能になります。
普通なら二十年という月日の経過で劣化してしまっている物の発見や調査は出来ません。
例えば、缶ジュースの空き缶が静子さんの亡骸と一緒に埋まっていたとしましょう。空き缶から本人を特定出来るDNAを検出することは出来ません。いくら、ジュースを飲む時に唾液や缶を持った手の指紋とかが採取出来る状態で埋められていても、二十年という月日の経過が空き缶を鉄くずやアルミくずにしてしまうからです。
それが土の精霊族の力を持つキリカであれば可能となるのです。
鉄くずやアルミくずは土属性の物質です。地中に埋まっている鉱石から発展した物が貴金属やアルミ缶であったりする訳で地中に埋まっていた鉱石は土属性になるからです。
静子さんの亡骸と残された物などに【解析】【鑑定】【痕跡】を使えば犯人を突き止めることは出来ます。ただ、殺して埋めたという証拠はありません。犯行を追求することが出来ないのです。
静子さんの亡骸をご両親に引き渡すぐらいしか僕には出来ないのです。
犯人を教えることは出来ないのです。強姦&殺人&遺体遺棄の証拠がないので罪には問えないのが悔しいです。
今後もこんな悔しい思いをすることがあると思います。
そんな犯行を起こすような者が依頼人の身近にいる者であれば邪魔も入るのではないかと思います。
暴ける悪事は追及するし、暴けない悪事は依頼人に真実だけは伝えようと思います。それが依頼人の今後に繋がるのなら・・・新しい道を進んで貰いたいから。
今回の件は警察を呼んで貰い、静子さんの亡骸の発見を公表を促します。
犯人は分からないですが、犯人探すのは警察に任せてしまおうという考えです。
キリカには悪いが犬になって貰い、ここ掘れワンワンを実演して貰おう。
犬なら嗅覚が良いので静子さんの亡骸を見つけても疑われないだろうからね。そうすることでしか静子っさんの亡骸をご両親の元へ帰してあげることが出来ないです。
犯人が報道を見て、どのような行動に出るかまでは分かりませんが、【忍者】の誰か一人を監視させておくのも手ですしね。
卓也:
キリカ。
悪いが犬になって静子さんの亡骸の所で「ここ掘れワンワン」してくれないか?
ヒカリ。
静子さんを殺した犯人の割居を監視しておいてくれ。
何かあれば報告をお願い。
キリカ:
はい。畏まりました。
ヒカリ:
はい。
二人のスッと姿を消していなくなります。
僕は静子さんのご両親に今回の件で分かったことを伝えます。
静子さんの亡骸かどうかは分からない亡骸を見つけたので警察を呼んで貰い、現場検証に立ち会います。
ー数日後ー
警察の発表で森の中で見つかった遺体は静子さんの物であることが断定されました。TVの報道番組でも連日その関連のニュースが報道されています。
これで良かったのか?
僕自身のエゴでしかないのではないだろうか。
そんな疑問ばかりが次から次へと生まれて来ます。
僕自身も結末もあり得ると考えてはいたんだけど、静子さんとご両親が感動の対面をする日を夢見ていたのかしれません。
これが僕が高校生の時の初めての依頼でした。
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