メリーさん
prrrrr- prrrrr- prrrrr-
「……は、はい。」
「私、メリーさん。今×××公園に居るの。もう少しね。」
一方的に告げられ切られる。
10分とたたずに、再び電話がなる。
「…………。」
電話に出ずに震えていると、留守番電話に切り替わり、声が流れる。
「私、メリーさん。今貴方の家の前に居るの。ねぇ、一緒に遊びましょう。」
部屋の扉に鍵をかけ 勉強机で扉が開かないようにし、窓も施錠してしっかりと侵入出来ない様にしているというのに、布団にくるまる。
どれだけ時間がたったかわからないが、もう平気な気がしてきて布団から顔出して自分の部屋をみて片付けが大変だな、なんて考える。
prrrrr- prrrrr-
「な、何で!」
急に鳴り出した電話に再び驚くが、部屋に侵入されたなら直ぐに分かる筈だと思い直し、安堵する。
「あいつら、凝った悪戯しやがって!」
友人に愚痴を言おうと電話に勢いよく出る。
「もしもし、私メリーさん。今貴方の後に居るの。何して遊ぶ?」
電話口と背後の両方から声が聞こえ、有り得ないと思いながらも恐る恐る後を振り向くと、可愛らしい人形が宙に浮いていた。
――――ペティナイフを手にして。