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レベッカとピカピカ木の実と妖精さん

 

山の中にある、のどかな村にレベッカという少女がいました。


ある日の事、レベッカがいつもの様に友達と仲良く山で遊んでいます。


今日は、みんなでかくれんぼをしています。


オニさんになったレベッカはみんなをキョロキョロと探していると、ふと見たこともないキレイな木を

見つけました。


「わぁ、すごい! すごいキレー! あっ、コレなんだろー」


そのキレイな木からは、ピカピカと光るカラフルな木の実がなっているではありませんか。


レベッカは近づいて一つ手に取って食べてみました。


すると甘くてとっても美味しいブドウの味が口いっぱいに広がります。


「甘くておいしー! つぎはこっちーっ!!」


カラフルな木の実は1つ1つ違う味がして、次はどれにしようかワクワクとレベッカの胸を満たして  くれました。


もう、夢中になって食べてしまって、かくれんぼのコトはすっかり忘れてしまっているではありませ  んか。


レベッカは次はどれにしようかなと悩んでいると、どこからか、「レベッカちゃーん! どこいるのー?」レベッカを呼ぶ子供たちの声が聞こえてきました。


子供たちはいつまで経っても見つけてくれないので、みんなでレベッカを探しに来てくれたのです。


来た道を戻りながら大きな声で「みんなーここだよーっ!」と返事をします。


「あ、こんなところにいたんだぁっ! もう、探しに来てくれないから道に迷ったのか心配したよ。」


「ごめんねっ! あのね、レベッカねっ! キレーな木の実を見つけてね、いっぱい食べてたのっ!」


みんなに心配をかけてしまって、レベッカは謝って、それから木のみの話をしました。


ですが、みんな困ったような顔をしています。


「えーっ……そんな木あったかなぁ? みたことないけど」


みんなは信じてくれません。


なのでレベッカはみんなをキレーな木があるところまで連れていくことにしました。


「こっち! こっちにあるの! ついてきてっ!」


「あ、ちょっとまってー。そんな走っちゃころんじゃうよっ!」


みんなレベッカがあまりにも勢いよく走るので、急いでそのあとを追いかけました。


レベッカはさっき来た道に来ましたが、キレーな木はどこにもありません。


キョロキョロとあたりを探してみましたが、どこにもありませんでした。


子供たちも一緒になって探してくれましたが、やっぱり見つかりません。


 

諦めてレベッカと子供たちは町に戻りました。



帰ってから、ママに木の実のコトを話ました。


するとママは

「その木はね。とっても恥ずかしがり屋さんなの。 だからね、あんまりびっくりさせちゃだめよ」

レベッカの頭を撫でながら教えてくれました。



次の日、レベッカは一人でキレーな気を探しに来ました。


するとそこにはやっぱり木はありました。


「あ、やっぱりあったー! でもなんでだろー? 昨日みんなで見に来たときは見つからなかったの  にー?」


レベッカは首をウーンとひねりました。


ピカピカの木の実を見ていると、なんだかお腹が空いてきました。


近づいて木に触れた時、どこからか声が聞こえてきました。


「あれー? 人がいるー! なんでココにこれたんだろー」


「なんでだろー?」


声がする方を見るとそこには小さなキレイな羽の生えた小人たちがいました。


レベッカ驚いて「わぁっ!」と大きな声が出てしまいました。


すると、小人たちは「ひゃぁぁー」っと驚いて木の上に隠れてしまいました。


「ごめんねー! レベッカ、びっくりして大きな声出ちゃったのっ! あたちレベッカ! 小人さんたちはだーれ?」


レベッカがそう声をかけると、恐る恐る小人たちは出てきました。


「えっとねー。 ぼくたちは小人じゃなくって木の妖精なんだぁ。 きみはレベッカって言うんだねー」


「うん、あたちレベッカ! 妖精さんはじめてみたー! みんなキレー!」


レベッカが小人だと思っていたのは木の妖精さんたちだったのです。


レベッカは妖精さんたちに木のことを聞いてみました。


「あのね、あのねっ! きのうレベッカがキレーな木を見つけてねっ! それを友達にも見せてあげようとしたの。でも……みんなで来たら木がなかったの」


すると妖精さんたちは顔を見合わせてから答えてくれました。


「それはねー。たくさんの人がいると木が恥ずかしがって隠れちゃうんだー」


「そうそうー」


妖精さんたちはレベッカに教えてくれました。


「やっぱりママの教えてくれたとおりだったの! 木さんは恥ずかしがり屋さんなのっ! でも……みんなでキレーな木の実食べたいの」


そうレベッカが言うと、妖精さんたちは木から木の実を持ってきてくれました。


「はい、これー。ともだちとみんなで一緒に食べてー」


「みんなで食べた方がおいしいよー」


妖精さんがみんなのために木の実を取ってきてくれました。


レベッカは「ありがとっ!」と妖精さんにお礼しました。


妖精さんたちはレベッカに「また、遊びにきてね」と言ってくれました。


両手にいっぱいの木の実を大事に抱えながら、レベッカは町に戻りました。


町の広場で友達にピカピカの木の実を見せるとみんなは驚いた顔をしています。


「わーすごい! ほんとにあったんだぁ」


「信じなくてごめんねっ!」


「ううん、いいの! 妖精さんがみんなで食べてってくたから一緒に食べよ」


みんなで色々な味がする木の実を仲良く食べました。


「これ、すっぱくて甘くておいしー」


「こっちはなんだかじゅるってしてておもしろーい」


たくさんあった木の実はあっという間に少なくなってしまいました。


残った木の実はみんなのパパとママにあげます。



レベッカは家に帰るとパパとママに木の実をあげました。


二人はとっても喜んでくれました。


パパとママに妖精さんに会ったお話をすると、二人は言いました。


「パパとママもそれから町の人たちも小さい頃に妖精さんに会ったことがあるんだよ。 でも、大き くなったらね、妖精さんが見えなくなってしまうんだ。 だからレベッカは今からたくさん妖精さん と遊んでおいで」


「うんっ! レベッカね、明日も明後日も妖精さんのところに行ってくるの! それでね―――」


遊び疲れたレベッカはいつしか眠ってしまいました。


すやすやと幸せそうな顔でパパとママはレベッカの笑顔を幸せそうに見ていました。

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