記憶喪失したみたいです
「……いたたたた、ってここどこ」
目が覚めたら見知らぬ瓦礫の山にいた。どうやら眠っていたらしい。自分の上に積み重なっている瓦礫をどかしながらそう呟いた。
なんでこんなところにいるのだろうか。見渡す限りここはどうやら森の中。だけどここだけひどく荒れている。早く帰らなければ。
「あれ、私今まで何してたんだっけ」
俗に言う、記憶喪失、なのか。今までのことを何も思い出せない。もちろんどこに帰ればいいのかもわからない。
「銀髪碧眼って…こんなのめちゃくちゃ目立つでしょ?!」
ガラスの破片に写った自分の姿を見てこう言った。よくわからないがこれが普通の色ではないことは私でもわかる。誰かに見つかる前に隠さなければ。
そうこうしていると
「うーん……ってわあああああああ?!!!」
瓦礫の山が崩れ落ちている。無理もない。私が変に移動させてしまったのだから。
そして私も地面まで落ち
「なに…これ」
気を失う前に何か見えたが、何か確認する前にーーーーー私は意識を失った。
ーーーーーーーーーーーーーー
どれくらい経っただろう。私は目を覚ました。
「あれ…瓦礫がない」
あれは夢だったのか。私は草原の上にいた。
ぐううううううううう
「お腹すいた」
お腹に何も入っていない感覚。私どれくらい眠っていたのだろう。何はともあれまず食べ物を探さなくちゃ。
「食べ物どこ…………」
まずい、食べ物が見つからない。もう1時間以上探し続けている。
「ん?あれは…家?って果物の木もある!」
そろそろ限界…となっていた矢先、古びた二階建ての家と果物の木を見つけた。
「この家って誰か住んでるのかな」
コンコンコン
……
今のところは誰もいないみたい。とりあえず中に入ってみようかな。
「お邪魔します…」
一回も2回もはひどく埃っぽく物は何もない状態。おそらくこの家は空き家だ。とりあえず、ここに住んでも大丈夫そうかな…
ぐうううう
「あ!そういえばもう限界…早く果物取ってこよう」
「おいしい」
しばらく何もお腹に入っていなかったのですごく体に沁みる。食べ物を口にしてようやく少し気持ちが落ち着いたので今の現状を整理してみよう。
「目が覚めたら瓦礫の山にいて、また目を覚ますと草原にいたんだよね…」
誰かが移動してくれたのだろうか。でもあんなところに人が通るはずがないから夢なのかな。ああ。どっちだろう。
「あ、銀髪碧眼…」
そうだ、私が本当に瓦礫の山で目を覚ましていたとしたら銀髪碧眼のはずだ。そう思い窓の側に行く。
「黒髪黒眼…」
夢…か。
見た感じ12歳くらい。なんで私、あんな草原に1人でいたんだろう。服もボロボロだし、しかも記憶喪失って。。
昔の私に何があったんだろう。捨てられてしまったのだろうか、
思考がどんどん悪い方向に進んでいってしまう。多分疲れているからだろう。とりあえず今日はもう寝て、明日また考えよう。