表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

数百文字の物語

とあるせかいの物語

せかいには、沢山のゲームがある。手遊びのような簡単なものから、テレビゲーム、自らの体を使って戦うようなものまで……その幅は広い。



ある時、一人の者が新しいゲームを発明した。

『リアル人生ゲーム』

その名の通り、まるでその世界を生きているかのような体験ができるゲームだ。

このゲームは『第二の人生』と呼ばれた。

人々はそれに夢中になった。

「なんて楽しいゲームだろう!」と。

初めは皆、それがゲームであることを分かって遊んでいた。

ゲームなのだから、何でも簡単にできる。

物をつくることも、空を飛ぶことも、瞬間移動をすることも。


しかし、時が経つにつれ人々はその事を忘れていき、次第にゲームの中が本当の世界なのだと思うようになってしまった。

それに伴い、ゲームのルールは変わっていった。

新しい誰かがゲームにログインした瞬間、その者は、本当の世界の記憶を忘れるようになってしまったのだ。そのせいで皆ゲームの世界から抜け出せず、こちらの世界に戻って来れずにいる。

……それに加え、ゲームの中の世界を支配しようとする者が現れた。そして、それにより苦しむ者も。


製作者がどのような意図でこのゲームを作ったのかはもう分からないが、間違いなく良い状態だとは言えない。


彼らの世界は、初めとはまるで変わってしまったんだ。

だが、中には記憶が残っている者もいる。その者達は今、世界を変えようと、たたかっている。


「――隊長、そこにぼくたちも行くんだね」

「ああ。もっと悪い方向に行く前に。今ならまだ間に合う。……この惑星を壊したくはない」

「うん。必ず、みんなを救いだそう」

「まずはゲームのルールを変えること、それが重要だな」

「思いの力は偉大だからね、それさえ忘れなければ大丈夫だ」

「ええ。がんばりましょう。たとえ、わたしたちがお互いを忘れてしまっても、必ず、思い出そう」

「ああ、約束を果たし、また逢おう」

「武運をいのる」

「元気でな」


翼をもった光の使者たちは互いに言葉を交わし合い、目の前のあおい小さな惑星へとおりていくのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ