第四十五話:招かれざる客来るべからず
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燃え盛る炎。
焼け落ちる家屋。
同胞の悲鳴と、自ら落とした両翼。
数年経った今でも、あの日私の目の前で起きた事は鮮明に覚えている。
奴らが私達同胞にしたこと、身体に刻み込んだ傷を生涯忘れることはできないだろう。
本当は私も死ぬはずだった。
しかし、なぜかここまで生き延びてしまった。
何度死を試みたことか、何度同胞の死を見送り時には手を貸したか。
それでも自分がここに立っているのは、一族が再興するためだと自分に言い聞かせてここまで来た。
旅の途中ある噂を聞いた。
「此処が、公爵領・・・」
ここに、この街に・・・
「・・・必ず、助け出します。」
オルトウェラ帝国北部グリバー領、領都カトバルスに招かれざる客が、その一人目が足を踏み入れた。
ーー
どうも皆さんこんにちは、ユークリスト・スノウ・グリバーです。
先日レーメンで起きた誘拐事件を解決した俺は、ルルティアとの一件もなんとか解決して我が家に帰還しました。
いやー、やっぱり家族って素晴らしいですね!
当たり前のことだが、この世界に来て漸くそれを理解しました。
私が愚かでした、これまで素晴らしい家族に囲まれてきたのに、その事を当たり前だと思っていました。
思えば、俺は色々恵まれていたんだと思う。
家族の中で一人だけ見た目が違う俺を、家族は区別なく接してくれた。
魔力量が少ないとわかったあの時、追放モノが始まっても可笑しくなかった。
スティアやワグを従者にした時も、反対されるのが普通だったのに家族は受け入れてくれた。
僕はこれから心を入れ替えて、家族の為に生きていきます!
さて、まずは手始めにーー
「ユーリ、これはどう?」
「似合っているよ、ルル姉様、黄色を基調にしているドレスは姉様の明るいお人柄をバッチリ表現出来ていて素晴らしい。あ、勿論、実際の姉様はこれよりも明るいけど。でも、胸元のリボンは本来ワンポイントで目立つはずなのに、全然気にならない。どうしてだろ?わかった、姉様が可愛いから!僕の視線は、リボンなんかよりもルル姉の方に釘付けだよ!そのスカートのフリルは花びらの様に可憐で、花の妖精かと錯覚してしまうよ!あれ?僕は花の国に迷い込んでしまったのかな?」
媚を売りまくっていた。
「いや実際会えばルル姉の圧勝なんだけどね!」
我が親愛なる姉に。
「そう、子供っぽいってことね。」
「いやいや!そんな事ないって、綺麗で可愛くて綺麗でかわいいよ!」
語彙力は既に底をついている気がする。
そんな俺をみて、ルルティアは何故か溜息をつく。
「はあ、あのねユーリ。私はお姉さんになりたいの。お姉ちゃんじゃなくてお姉さんに。」
全く意味がわからない。
そういうのって言い方の問題じゃないの?
「はあ・・・?」
「また新しいのを着てくるから待っててね。」
理解できず呆けている俺にそう言って、ルルティアは仕切りの奥に行ってしまった。
あの一件以来、ルルティアが少し変わった気がする。
何というか、以前のような天真爛漫な言動の中にちょっとした思考が見えるというか、こっちが愛と情熱を待って接しても冷めた態度を取られることがあるというか。
ルルティアが変わった。
あの日ルルティアが開けたのは扉だけではないというのは、ここ数週間ほどでわかった。
ルルティアももう十歳になる、前世でいうと小学四年生ぐらいか。
俺がこの歳の頃はどうだったかな。
俺はこの歳になるとどうなるのかな。
分からないけど、この変化がルルティアにとってプラスになる事を見守っていよう。
さて、俺たちは今何をしているかという話に戻ろうか。
一ヶ月ほど前に帝国西部で戦争が起き、西部地域に被害を出しながらも帝国は勝利を治めた。
我らが至上の父、カイサル・スノウ・グリバーの活躍によって、そりゃあもう凄い戦いが繰り広げられたらしいんだよ。
なんか吟遊詩人とか領都に来て戦場の歌とか歌ってんだよ、それもあってか今の領都は連日お祭り状態。
至る所に公爵家の旗が立てられ行商人が行き来し、特設の劇場が建てられ歌劇団が公演三昧。
自分の身を立てる為に公爵家の門戸を叩く人間もいて、新人訓練が楽しみだとアルマンが言っていたな。
さて、それが俺たちの、今している事にどう繋がるかというと。
約三ヶ月後に帝都で戦勝式典が行われる。
そして俺たちも、それに呼ばれている。
公爵家の全員が出席するらしい。
帝都に家族全員が集合するってわけさ。
それで、今はその式典に出席するための正装の準備をする仕立て屋に公爵家まで来貰って、採寸とか済ませて、色々とサンプル的な物を着ている状況だ。
デザインを丸切り踏襲する訳ではないが、サンプルがあった方がイメージが付きやすいらしい。
一着だけならデザイナーの創造力だのなんだのでいけるかもしれないが、今回は一着だけじゃない。
帝都に行けば、俺たちは他の家からお茶会やらなんやらに招待されるらしく、一茶会一着で着回していくそうだ。
こういう所で自分が生まれた環境が特別だと実感するのは、なんだか複雑な気持ちであるが。
「・・・ユークリスト様?」
「ん?」
仕切りの方からの問いかけに反応すれば、 スティアが顔を出して此方を見ていた。
恥ずかしそうに、顔をほんのり赤らめて。
「あの、私も見て下さい。」
「着替え終わったの?いいよ。」
そう言うと、仕切りの向こうからルルティアが恐る恐る出てきた。
快晴色の蒼髪に太陽の様な瞳、そして白いワンピースを着たスティアはまるで天使のようだった。
そして胸元には、俺のあげたブローチもある。
「うん、やっぱりスティアが可愛いからなんでも似合うね。」
「・・・えっと・・」
「ん?どうしたの?」
「いや、その、」
いつも通り褒めたはずなのに、スティアは俯いて下から見るように俺の方をチラチラ見るだけ。
なんか俺、やっちゃいけない事でもしたのかな?
そういえば、ルルティアと一緒に領都に帰ってきた時、スティアにも泣きつかれたな。
いつもの寂しがり屋がでたと思ったんだけど、なんか違う気もする。
なんというか、ギクシャクしてる。
「もっ、もっと、褒めてくれないんですか?」
前言撤回。
やっぱ可愛いわ、この子。
「あ!うん、とっても似合ってるよ!その真っ白なワンピースは、正にスティアの純真さそのモノって感じで、綺麗な髪色によく合ってる。やっぱり、スティアは服装がシンプルなぐらいが魅力的になるね。元が美人さんだからかな?」
「ッ!!あ、ありがと、ございまふ・・・」
顔を真っ赤にしたスティアは、膨らんだ風船が萎んでいくように尻すぼみになり、最後の方はなんて言っているかわからなかった。
まあ、スティアも10歳になるしな。
羞恥心的なあれだろ。
「ちっ!!」
「へっ!?あ!ルル姉、違うんだこれは!その、いや、ルル姉が一番だよ!いつまでも変わらない僕にとってのヴィーナスはルル姉だけだよ!」
「あっそ!」
「へ?ユークリスト様・・・」
「ああ!いやいや!スティアも十分可愛いよ!もうなんて言うかな、可愛いが歩いてるっていうか、もう可愛いの定義がスティアにしてしまいたいぐらいだよ!」
バキッ
「ああ!もう!誰か助けてくれ!!」
俺がスティアに親切にしてたらルルティアがキレるし、ルルティアの機嫌を取ってたらスティアが涙目になる。
いつから俺の人生は、好感度管理が鬼レベルのギャルゲーになってしまったのか。
ーー
俺の一日はまだ終わらない、服選びが大体終わった後の昼過ぎ。
俺、ワグ、ロキ、ノート、それとアルマンで公爵邸の訓練場に来ていた。
午前の訓練が終わったお陰で、現在の訓練場は俺たちだけだ。
「アルマン、いくよー」
「はいっ!」
『土弾』
号令と同時に魔術銃から、初級威力の土弾が放たれ、それは正面で構えるアルマンの元へ線を書いて向かっていく。
因みに、初級威力の魔術は大体時速100km程の速度を持っている。
さらに因みに、アルマンは上裸だ。
「ふんっ!!」
土弾は、アルマンに着弾したと同時に吹き飛んでいった。
「おお!」
土弾の破片が地面に落ちたことを確認し、俺はアルマンの元に駆け寄る。
そして土弾が着弾した胸の中心部分を観察する。
「凄い!痣一つないよ!他に痛いところはない?」
「問題ありません!此れ先の事で、この肉体が傷つくことはありません!」
俺の感想に自信満々の様子で返してくれるアルマン。
「・・・それが精錬気か?」
俺と同じく見学をしていたワグがアルマンに話しかける。
いつもの無表情に見えるその顔は、どこか不機嫌そうに見える。
「ああ、ここから鍛錬を積んで私は更に強くなるぞ。」
「・・・ふん、それは俺もだーーユークリスト、実験はもう終わったか?」
「うん、必要な事はわかったから大丈夫だよ。二人はこれから訓練するんでしょ?」
「ああ。」
ワグが返答しアルマンは一礼した後、互いに向かい合い二人の訓練が始まった。
俺は必要な事をまとめた紙を持って、訓練場の傍に設置されている一人席に腰掛ける。
テーブルの上では、ロキとノートがお菓子を食っていた。
「あるじ、はいこれ!おいしいよ!」
俺を迎えてくれたロキから貰ったクッキーを食べる。
「ありがとうロキ。うん、美味しいね。」
「あるじ〜、ロキもあれやりたい!」
そう言って、ロキはワグとアンマンを指差す。
「あの訓練?ロキにはまだ早いよ。」
「い〜や〜、ロキもやりたいよ〜」
テーブルの上でぴょんぴょん飛び跳ねるロキ。
うん、クッキー落ちちゃうから、落ち着こうか。
「わかったわかったよ。ほら、あそこに案山子さんがあるでしょ?あれを倒す事が出来たら訓練をしても良いよ。」
「やった〜!ロキやっちゃうよ〜!」
提案として俺が指差したのは、鉄鉱石で造られた特注の訓練用案山子だ。
俺の『解析』『分離』『変形』を使って、不純物を取り除き密度を上げた強硬度を誇る案山子だ。
硬すぎて打ち甲斐がなく新人騎士達からは不評だったが、ワグやアルマンなどのある程度の実力者からは好評だったやつだ。
まあ、ロキは子供だからちょっと打てばすぐに飽きるだろ。
「それでユーリよ、何も調べたかったのじゃ?」
「ん?まあ、簡単にいうと魔力による身体強化と精錬気による身体強化の違いかな。」
まとめた資料を覗きながら質問するノート。
俺は、今回の実験の目的を伝える。
「ほう、それで分かったことはなんじゃ?」
「まず、魔力での身体強化は単純な筋力増強だね。重いものを持ち上げたり、早く走ったり出来る。そして精錬気での身体強化なんだけど・・・」
「ん?どうしたんじゃ?」
「ああ、なんて言えば良いんだろ。肉体そのものの格を上げる。ていう表現になるかな。」
元々フラムベリカに聞いていた事だが、改めてその効果を目の当たりにするとどう表現するか迷う。
「格を?どういう事じゃ?」
「その身体が持つ機能を底上げするんだよ。単純な身体能力もそうだけど。遠くにある文字が読めたり、シンプルに身体の強度を上げることが出来たり。さっきの実験は、精錬気での強化の有無の差を防御力で測る比較実験だよ。」
「なるほどのぅ、それで違いがあったと?」
「そういうこと。」
先日のレーメンでの戦いで一番変化があったのは、アルマンかもしれないと俺は思っている。
精錬気を発現させる為に必要なのは悟りを得る事。
先日受けたフラムベリカの特別授業で教えられた、精錬気習得に必要な条件。
アルマンは、あの地下空間の戦いでそれを達成した。
レヴィアンナが言うには、壮絶な戦いだったそうだ。
そんな闘争を勝ち抜いたアルマンに、祝福があったのだろう。
あれ以来、とても生き生きとした顔で訓練に励んでいる姿を、よく見かける。
反対にワグは不機嫌そうだ。
あれから、毎日訓練に打ち込んでいる。
時には休む事も大切だが、こればかりは本人に任せるしかないと俺は思う。
俺自身、あの戦いで思った事は多い。
このまま漫然と日々を過ごしているだけでは、いつか取り返しのつかない何かに足元を掬われてしまうのではないか。
解決したはずなのに、未だこの焦燥が消えることはない。
「なあ、ノート。」
「なんじゃ?ユーリ。」
「俺は、この先どうすれば良いんだろ?」
徒手格闘訓練をしているワグとアルマン、特注案山子を殴りつけるロキ、それらを見ながらふと思った事が口から溢れる。
「・・・どうしたんじゃ?いきなり。」
「いや別に、この光景が続けば良いなってさ。」
「それは、みんなで守っていくんじゃろ?」
当たり前のことだが、まさかコイツに言われるとなんか複雑だ。
「・・・ああ、お前も、その時まで食われてなきゃ良いな。」
「なにぃ!ユーリ、お主はまだワシのことをそんな目で見ていたのか!!」
「はははっ!」
ドゴンッ!!
全員の視線が、音の発信源に集中する。
壁に打ち付けられたワグの姿が、そこにあった。
「ちっ、クソ。」
「大丈夫か!?ワグ!」
悪態をつくワグの元にアルマンが駆け寄り手を差し出すが、ワグはそれを払いのける。
「・・・もう一度だ。」
殺伐とした空気を纏い、再び訓練に向かうワグ。
今の俺は、見守る事を選択している。
どうしようもなくなったら、その時は俺が頑張ろう。
そう言えば、カトバルスに帰ってきてから一度ワグに『スティアの事で話がある』と言われたけど、何となく有耶無耶になってしまったな。
今日の夜辺りに、ワグに聞いてみるか。
ーー
さて、俺の話をしよう。
俺はリキュールとの一騎打ちを終えてから、さらに強くなる為に必要なことを考えていた。
まずは、魔道具の選別。
魔力が少なく、これ以上増える見込みも無い俺が、今後さらなる強敵と渡り合う為に必要なのは、新しい魔道具を作る事だ。
精錬気を身につける為に只管修練を積む事も一つの案ではあるが、見通しの見えない力に期待するよりは、今ある状況で最善を尽くしたい。
勿論、身体能力向上の為のブートキャンプは今も怠らずに続けている。
話を戻そう。
魔道具の話だ。
まず、前回作った魔囮は一旦ボツにしよう。
前回のリキュール戦でわかったが、操作性の持たない盾というのは使い勝手が悪い。
しかし、磁石を使うという案はいいと思ったから、眠らせておく。
次に魔撃棒。
ミスリルで出来た芯を軸に、土の微精霊達が命令通りの形状を形成してくれる対人戦用の近接武器である魔撃棒、こいつは前回の戦いで色々頑張ってくれた。
今回の戦いで得た新しい改善点を加えれば、こいつは更に強くなる。
そして、俺のメインウエポンである魔術銃。
コイツに、今回の戦いでは、あまり活躍の場所を準備してやる事が出来なかった。
まさかチート武器だと思ってたやつが全然通じないってのは、精神的に来るモノがあったよ。
ただ魔術銃関しては、ある一定のラインまで来てしまっていると思う。
新しい魔術書を読み込むなり、試行錯誤を繰り返すしか、この問題は解決できないだろう。
だから、魔術銃は改良よりも使い方を工夫する。
さて、今回改善した魔撃棒と、また新しく作った魔道具が俺の新しい新戦力になる。
うん、なんかしょぼいよな。
あんだけの激戦を勝ったのに、それだけか。
もっとこう、なんか、劇的に強い何かとかがあっても良いんじゃないか。
やりたい事と、やるべき事の釣り合いが取れてない。
これが週刊連載漫画だったら、打ち切り確定だ。
まあ、そんな事考えても仕方ないし、自分で生み出す事が出来ないなら、他人に頼るしかない。
実験を終えた俺は、馬に『変身』したロキに跨り街の方に降りていた。
ワグはアルマンとの訓練で公爵邸に、スティアはなんかルルティアとお話があるとかなんとかで、これもまた公爵邸に。
だから、俺とロキとノートの三人でここに来ている。
公爵家の人間が、危険があるのではないかと思うのだが、此処は公爵邸から一本道で行ける上に常時騎士が巡回しているから大丈夫だという事で、一人行動が許された。
後は、万が一に備えて不可視化効果を持つ古代魔導具『ゼッペンリッヒの外套』も着ているから、何かあっても大丈夫だと思う。
「ウォードル、遊びに来たよ〜!」
「じゃっかしいぞ!ん、なんじゃあクソガキか。」
俺が足を運んだのは、公爵領カトバルスの鍛冶屋街その一角。
ここには、公爵家御用達の鍛治職人が工房を構えている。
工房の中は大きな炉が一つドンと構えられ、それを囲むように研磨用の砥石や家事道具が並べられている。
その一角には、作りたての剣や防具が山のように積み上げられている。
それらを作ったのは、この工房の主人ただ一人。
ダングロス・ハルハイヤ・ウォードル
モヒカン風に刈り上げた夕暮れ色の髪を、肩甲骨辺りまで無造作に伸ばし。
長い顎髭は一本の三つ編みに。
太く茂っている眉毛の下から、鋭い眼光が光る。
筋骨隆々に剥き出しの上半身。
腰に毛皮であしらわれた装飾品。
作業着のようなズボン。
俺が知る文明において最も原始的な格好に近い男が、俺をしゃがり声で迎える。
ウォードルは、北部地域では随一の腕を誇る鍛治族の職人だ。
因みに名前の意味は、ダングロス地方のハルハイヤ族のウォードル、だ。
他にも細かい本名とかがあるらしいのだが、本人も覚えていないそうだ。
「そうだよ。親愛なるクソガキが、お土産を持ってきたよ。」
「はっ、頼まれてもいないのに酒を持ってきやがって、相変わらず気味の悪いクソガキじゃの!」
「そう言ってグラスを準備するあたり、気に入ってくれたみたいだね。」
ウォードルと出会ったのは五歳ぐらいの時だ。
カイサルが俺に剣をプレゼントしてくれると、この鍛冶屋街まで連れて来てくれた。
最初はちゃんと礼儀正しくしてたんだけど『おい!貴族言葉を使うんじゃねえ!酒が不味くなる。』と言われ、フランクな感じになった。
因みにその時の剣は、俺の私室に飾ってある。
しかし貴族言葉ってなんだろ?
チクチク言葉的なあれかな?
まあ、軍家に属する人間として鍛治士仲良くなるのは良い事だから、それ以来訪問する時は酒を持って行くようにしてる。
ほら、鍛治族って酒好きじゃん。
公爵家の酒部屋から一本だけ拝借している。
いまだにバレてはいない。
カーン。
グラスをテーブルに打ち付ける音が工房内に響く。
「っかぁああ!仕事終わりの酒は格別じゃあ!」
「喜んでくれて良かったよ。」
「貴様等貴族の頼む品はハナッタレじゃが、持ってくる酒はクソッタレじゃ!」
ウォードル流の言い回しだ。
簡単で退屈なことはハナッタレ。
他とは違い、格別な事はクソッタレ。
今日俺がここに来た理由、それは勿論新しい武器を手に入れる為だ。
魔道具に関しては自分で作れば良い、しかし防具や武器に関しては、その道の職人に任せるべき。
それが俺の考えだ。
「ありがとう。それでさ、ウォードルに作って欲しい物があるんだけど。」
「あ?ハナッタレな物は作らんぞ。」
「わかってるよ。それでねーー」
俺なりに考えた。
俺が強くなる為に必要な物はなんなのか。
敵を圧倒できる武器。
これは先日の戦いからもわかった事だけど、武器は当たらないと意味がなく、今の俺にはそうするだけの筋力も技術もない。
敵の攻撃を全て防ぐ事のできる盾。
そんなもの絶対に重すぎて、身動きが取れないだろ、防戦一方になって嬲り殺されるのがオチだ。
魔術の出力を上げる為の新しい杖。
ただでさえ魔力量が少なく、中級以上の魔術を多用できない俺にとっては燃費の悪さこの上ない愚行だ。
色々考えた結果、これが一番俺に合ってると思った。
「防具をね、作って欲しいんだよ。」
「あ?防具だ?つまらん、ほかの連中をあたれ。」
ウォードルは、お気に召さないようだ。
しかしこちらも、交渉材料を持って来ている。
「ノート。」
『ほいじゃ。』
ロキと一緒に外で遊んでいるノートを呼ぶ。
『異空間収納』
ノートの『異空間収納』の中に手を突っ込み、交渉材料を取り出す。
「おい、何やってんじゃ?」
「止めて欲しい所で『はい』って言ってね。」
人の首を縦に振らせる方法は、二つ。
弱みを握ることと、旨みを握らせる事。
「止めろ、そんな物を積まれたところでワシはやらんぞ。」
俺は、ウォードルの目の前に酒瓶を積んでいる。
「やめて欲しいなら『はい』と言え!」
「ガキ、それで脅しとるつもりか?」
こいつ、俺の脅しが効かないだと!?
「はあ、わかった。それ以上積まれれば、崩れて割れかねん。ワシの酒を台無しにすんじゃねえ。」
「やめて欲しいならーー」
「わかった!『はい』だ『はい』!」
「ふう、分かれば良いんだよ。」
やはり、鍛治族は酒に弱い。
俺の現代仕込みの交渉テクがあれば、イチコロなんて造作ない。
「いいか、まずワシは防具なんてみみっちい物が得意じゃねえ。各々の身体に合わせ、関節部やらなんやらを工夫するってのは、鍛治族では女の仕事なんじゃ。」
あ、どうやらそういう分担があるらしい。
鍛治族の文化的なヤツだな。
まあ、別に悪い事だとは思わないし口出さないけど。
指が細い女性の方が手先が器用だから、裁縫をするみたいなものだろ。
「へえ、それじゃあ紹介してくれる?」
「そこでじゃが、ガキに紹介するのはウチの孫娘ってのはどうじゃ?」
ん?なんだ、ウォードルがちょっと生き生きしてる。
「お孫さん?まあ、腕が確かならーーー」
「そうかそうか!よし、それじゃ明日また此処に来い!紹介してやる!」
どうやら、ウォードルのお孫さんが作ってくれるように執りなしてくれるらしい。
ていうかこの男、孫がいたのか。
雑、大雑把、鍛治馬鹿の語源になっているような男の血が三代に渡って続いているというのは、生命の不思議だな。
まあ、ウォードルの孫なら腕は確かだろうし、何があってもウォードルが多少の口を出すだろ。
明日来ることを約束し、俺は工房を後にした。
ーー
何処もかしこにも、公爵家の旗が立てられている。
此処の住人は領主への忠誠心が高いのかと思ったが、どうやら最近帝国西部で大規模な戦争があり、北部統括であるグリバー公爵家の当主であるカイサル・スノウ・グリバーの活躍があって勝利を勝ち取ったらしい。
そんな事どうでも良い。
殺し合いがしたいなら、そういう連中だけでやっていれば良い。
我等のような者たちを巻き込まずに、勝手に戦って勝手に死ねば良い。
しかし現実として犠牲になるのは、我々のような輪の外にいる人間ばかりだ。
腹立たしい、この街の喧騒が。
憎らしい、無力な自分が。
まあ、そのおかげで、自分の様な身分の人間が街を出入りできる。
「んあ?公爵家三男のユークリスト様か?まあ、俺は直接見たわけじゃねえが、なんでも黒髪碧眼で猿の魔獣を連れてるらしいぜ。」
「何年か前に誘拐されたらしくてな、それ以来お屋敷に引き篭っちまってるらしいんだよ。」
「いやぁ、でもよ、先月はレーメンまで魔獣狩りに出かけたって聞いたぜ!ほら、あの誘拐事件があった!」
「んあ、従者だって?ああ、あのナベロ人の事だろ?俺は、いつかあの野郎が坊ちゃんを傷つけるんじゃねえかと睨んでんだよ。」
街中で聞き込みを行っても、望むような結果は得られない。
何処だ?何処にいらっしゃるのだ?
結局、今回もまた無駄足だったのか。
いや、まだだ。
どうせ今日は此処で一晩過ごす事になるのだから、もう少し聞き込みをしてみよう。
「ユークリスト坊ちゃんはもう八歳になるのに、剣術の腕はちっとも聞こえてこない。トーラス様やバレット様の時は、その将来を肴に酒を飲んだのによ。」
「いくら勉強が出来るからって、公爵家は軍家だぜ。やっぱ、チャンバラが出来なきゃなぁ。」
「ナベロ人、じゃなくてワグっていうんだけどよ。あいつ、この先の孤児院に定期的に顔を出してるそうなんだよ。理由?そんなの知らねえよ。アンタその格好なんだから、直接聞いてみりゃいいだろ?」
聞こえてくるのは、黒髪の三男とその従者のナベロ人の話ばかり。
三男の方は仕方ないとして、ナベロ人の方は、差別意識のない私でも少々苛立つ。
痺れを切らした私は、思い切って本題に切り込んでみる。
どうせ怪しまれても、大事になる前にこの街を抜け出す自信はあるし、このままじゃ埒が開かない。
「え、天翼人の侍女?私は見たことは無いわね。ほら、神に仕える貴方に言いたくないけど、聖教会が探してるっていうじゃない?」
自分の格好を見つめる、頭の先からつま先ま修道女の服で包まれた自分の事を。
ああ、確かにこの格好じゃ、とても天翼人について話したいとは思わないな。
忌々しい聖教、ここでも私の邪魔をするか。
こうなれば、直接ユークリスト・スノウ・グリバーに問いただすしかないのか。
公爵邸に忍び込むか、警備が厳重だが私一人なら、そもそも忍び込めるなら一緒に救出する方が。
くそ、どうすれば良い。
元はと言えば、私は頭を使うのがあまり得意ではないのに、こんな、正解のない問いを考えるなんて、無理だ、どうすれば良い。
ああ、悩んでいても仕方がない。
自分の使命を忘れるな。
私はあの方を、あの方達の宝をなんとしても守るんだ。
とりあえず、街中を練り歩く。
考え事には散歩が良いと、あの方が言っていた。
この状況では、そうするしかない。
街中を歩いていると、鼠色の外套を被った子供が路地の方に入って行った。
大方、この人混みの中で迷子にでもなっているのだろう。
「ぼく、そっちは危ないからこっちに来なさい。私が一緒に親御さんを探してあげよう。」
子供が私の声に反応し、振り返る。
「・・・えっと、教会のシスターさんですか?お気遣いは有り難いですが、お構いなく。」
年齢に似つかわしくない言葉遣いをする子供だ。
よく見ると、その傍にお菓子を食べた猿と梟を連れている。
そう言えば、件の三男も猿の魔獣を連れていると言われていたが、梟の魔獣の事は聞かなかったな。
きっと北部では、猿を飼うのが流行っているのだろう。
子供は私に一礼して、路地の奥の方まで進んでいく。
全く、聞き分けのない子供は嫌いだ。
「そちらは危ないですよ。私が一緒に親御さんを探してあげますから、ほら。」
「あのー、僕は迷子じゃないんです。」
「道に迷った子供は、皆そう言います。」
人生に於いても、迷った人間は迷ってないと言う、と、あの方の友人が言っていた。
「はあ、分かりましーーー」
観念した子供が、こちらを振り向く。
そうだ、子供は素直であるべきだ。
「た!!」
と、同時に子供、猿、梟が三方向に飛び出した。
「ッ!!」
私はすかさず追いかけた。
路地を曲がった先で、せめて子供だけでも保護しようと追いかけた先ーー
子供の姿はなかった。
あり得ない、姿だけならまだしも、気配すらないなんて。
いや、まだだ。
『精錬気』
五感を研ぎ澄ます。
子供を追うのが無理なら、他を追えばいい。
「・・・そこか。」
私は所狭しと並ぶ建物の壁を蹴り上がり屋上に立ち、気配のする方向に走り出した。
正直、何故こんなことをしているのか自分でもよくわからない。
始めは、ただの迷子を保護するための気まぐれだった。
しかし、今はどうだ。
あの子供には何かがあるのだ、と訴えかけている自分がいる。
何か、あの子供を追いかけなければいけない何かがあるのだ。
気配を追う。
音を立たず、気取られず、鳥一匹飛び立たせぬほどの静けさを纏い一直線に走る。
見つけた。
鼠色の外套を被った子供と、それに伴う猿と梟。
一人と二匹の前に飛び降りる瞬間、子供が私に気づいた。
この距離で、たかが子供に勘付かれるとは。
しかし、もう遅い。
というより、こちらには交戦の意思はない。
「おわ!」
私に驚いた子供が後退り、私と向き合う形になった。
私も、やっとこの子供と向き合う事が出来た。
私が降りた風圧と、子供が驚いた拍子に外套が捲れた。
外套を被った子供ーーもとい少年の顔を私は見たことがある。
いや、正確には、聞いていた情報を元に描いていた人物像にそっくりだった。
黒髪、碧眼、猿の魔獣を連れているーーー何故か、今は梟も連れているが。
市井の人間は顔を見た事がない、しかし、間違いなく貴族である事が分かるほど整った顔立ち。
確信がある。
この子が、この男が、私が探していた人物だ。
「・・・ユークリスト・スノウ・グリバー」
遂に見つけた。
ーー
なんだ、この状況は?
ウォードルの工房を出た後、まだ門限の時間に余裕のあった俺達は領都の大通りに向かっていた。
現在の領都は戦勝祝いのお祭りムードで、出店やら歌劇場やらが連日賑わっている状況なんだ。
こんな時に祭りを楽しまないと勿体無い!
それにほら、前もって色々知っておけばルルティアやスティア、それにワグも、一緒に来た時に案内しやすいだろ。
そうだ、これは決して一人楽しみたい訳ではなく、みんなに楽しんでもらう為の視察なんだ!
そう自分を納得させた俺だが、早速人に捕まった。
路地裏に入った所に声をかけられ、捲いたと思ったらいきなり上から落ちてくるんだわ、この人。
しかも何が怖いかって、この人修道女なのよ。
更に何が怖いかって、俺『ゼッペンリッヒの外套』使って、不可視化状態で逃げて捕まってんだよ。
え?追跡スキルに長けた修道女って何?
まさか、新たな勧誘手段か何かかよ!
え?俺入信させられるの?
いやいや、怖い怖い。
もっとこう、フランクに来れなかったかな?
ほら見てよ、ロキなんて威嚇しちゃってるよ。
ノートも高い位置を取って、いつでも戦えるように準備しちゃってるよ。
そう思いながら、俺の前に修道女を見ているとその顔はとても驚いているように見えた。
いやいや、驚きたいのこっちなんですよ
追跡力の高い修道女さん。
『え?まさか、私にこんな力が』みたいな驚きですか?
『私がこんな力を出せるんだから、あなたもきっと力を出せますよ。だから入信しましょう』みたいに誘うつもりですか?
悪いけど、僕ちゃんは騙されないからな。
「・・・ユークリスト・スノウ・グリバー」
なんだ、俺の事を知ってて驚いたのか。
まあ、俺の見た目って分かりやすいからな。
しかしまあ、一発で分かるなんて、この人前に会ったことあるかな?
うーん、覚えがない。
一方的に知られているだけか。
だが、知られているなら好都合ではある。
「あ、僕の事知ってるんですか?だったら話は早いですね。この後家に帰るつもりなので、見送りは大丈夫ですよ。」
そう言って、俺は元来た路地裏に踵を返す。
そんな俺に二匹の従魔もついてくる、当然、後ろの警戒は怠らず。
『二人とも、大丈夫だよ。』
『しかしユーリ・・・』
『ロキ、あのひとこわい。』
『大丈夫、ただの親切なシスターさんだよ。』
念話をとばして、二人に警戒を解かせる。
前回の戦いからそんなに時間が経っていないから、警戒してしまうのだろう。
良いことかもしれないけど、良いことをしようとした人にガンを飛ばすのはよくない。
それが例え、教会の人間だとしてもだ。
よしよし、一旦仕切り直して改めて散策にーー
『止まれ』
全身が蛇に塒を巻かれる。
爬虫類の捕食者の眼光が俺の命を見つめている。
「ッ・・・!!ふぅーふぅー!!」
幻覚だと気づくのに数秒かかった、それと同時に止まっていた心臓を必死の呼吸で動かす。
息はできる、死んでもいない、しかし身動きが取れないことに変わりはなかった。
辛うじて動く首、俺のそばにいたロキとノートも同様に身動きを取ることが出来ない。
原因はわかっている。
あの女だ、修道女が俺たちに飛ばした殺気の様な何かが、俺の心臓を握っているような圧力を与えている。
どっ、と吹き出す汗。
この感覚は、くそ、なんだいつだってこんな急に色々やってくるんだよ。
心臓が、恐怖で締め付けられる。
指先一つ動かす事すら出来ない。
幻覚だと理解した今でも、俺の全身を蛇が這いずり回っている。
くそ、動けよ、こんな終わり方とか無いだろ!
キィ〜、ロキの爪が地面を擦る音だけが辛うじて響くこの路地裏は、皮肉な事に人を殺すには最適な空間だ。
こんな、何にもないところで死ぬのかよ。
ふざけんな!!
俺はこんな所じゃ絶対にくたばらねえ!
どこの誰だか知らねえし、俺にどんな恨みがあるかなんてもっと知らねえ!!
「あがっ、ぎっ、ぐそっ!!」
死んでたまるかよ!
殺されてたまるかよ!
「俺は、死なねえええええ!!」
束縛が取れる、振り向くと同時に懐に入れている魔術銃に指をかける。
既に先手は打たれてる、出し惜しみしていたらこっちが殺されてしまう!!
「アレと解くとはーーー」
振り向いても、修道女の姿が其処には無かった。
は?ふざけんじゃねえ、なんでーー
なんで後ろから声が聞こえるんだよ!?
「少し甘く見ていた。」
声の方向に反応し振り向く俺、しかし魔術銃を持っていた手を取られる。
『変形』
魔術銃が撃たないと判断した俺は『変形』の魔術で魔術銃を刺突武器に変え、その先端は真っ直ぐ修道女に向かって襲い掛かる。
この距離での奇襲だ、躱せるわけねえ。
「ッ・・・!?」
虚を突かれた修道女は、掴んでいた俺の手を起点に宙に飛び上がって回避行動を取った。
しかし完全には避けきれず、掠った足から服の繊維と血が滴り落ちる。
よし、次だーーー!
『付与:加重』
宙を舞う女の口から、それを聞いた。
同時に俺が持っていた魔術銃が信じられないほど重くなり、瞬間的に手放す。
俺が拘束を解いて、ドゴッ、という音が地面に亀裂を入れるまで、十秒もかからなかった。
いや、そんな事よりも、嘘だろ。
だとしたら、俺は彼女と戦えない。
「ッ・・・!!ダメだ二人とも!戦うな!」
瞬間的に飛び出そうとしたロキとノートを制止する。
『何故じゃ!?こやつは敵じゃぞ!』
『あるじにわるいことするひとはだめー!!』
「良いから少し黙っててくれ!」
二人の気持ちも分かる、しかしそれより考えるべき事が目の前に立っている。
修道女の格好に身を包み、今なお戦闘体制を取っている彼女。
ー付与:加重ー
他の情報はない、ただそれでも考えずにはいられない。
頭に浮かぶのは太陽の様な笑顔で笑う少女。
「・・・天翼族・・・」
その言葉を聞いたノートが反応する。
ロキはいまいち分かってない。
修道女はその言葉を聞き、目を見開き、再びこちらを睨みつける。
「知っているか、なら話は早い。ユークリスト・スノウ・グリバー、我々の同胞を解放しろ。」
「は?解放?」
言っている意味は分かる。
しかし聞き返してしまった。
「『スティカリリア』この名前に聞き覚えは?」
「・・・スティアを知っているのか?」
予想していなかったその言葉に、動揺を隠せない。
だが俺以上に動揺しているのが、修道女の方だった。
手先を震わせ、瞳孔が開いてる。
「そうか、居るのだな。此処に・・・」
朝露に濡れた新芽のように、翠色の瞳から涙が溢れている。
え?なんだ、コイツ?
どっちなんだ、敵なのか味方なのか。
「生きているのか?」
「ん?ああ、俺の侍女として保護してる。」
「身体に欠損は?」
「会った時から翼は無かった。でもそれ以外は綺麗だよ。」
「なぜ貴様がそれを知ってる!?まさかっ!!」
「確かめたのは別の侍女だ!!俺は見てない!」
「じゃあ、まだ純潔なんだな。」
「少なくとも、ウチに来てからはーー」
「少なくともだと!?ハッキリ答えんか!!」
「わかった処女だよ、しょーじょ!!」
なんだコイツ?
さっきから感情の起伏の激しい奴だな。
「ああ、遂に、遂にやったぞ!!ここから、ここから我々の道は始まるのだ!!」
満足のいく答えを得たのか、修道女は天を仰いで叫び出した。
「まずは聖教の連中の腑を大地に晒し、その首を魔獣の餌にしてやる!!奴らの悲鳴で奏でる鎮魂歌で、永遠の眠りに落としてやるぞ!!」
かなりヤバめの思想が、言葉になって宙を舞っている。
あ、やば、こっち向いた。
「グリバーの三男。スティカリリア様を渡せ、さもなくば貴様の腑から先に、父親の戦勝祝いとして晒してやる。」
すっごい良い笑顔で言ってきた。
ああ、もう、なんなんだよコイツ。
精錬気にルーンというルビがつきました。
よろしくお願いします。
これからもちょくちょく変更等あると思いますが、粘り強くお付き合いお願いいたします。
余談ですが、総合評価が300ポイントになりました。
290ポイントの所にどなたかが10ポイント評価をしていただいたお陰で、300ポイントになりました。
名前も顔も知らない読者の方々、いつもありがとうございます。
名前も顔も知らない作者は、皆様のおかげで執筆が出来ます。




