4.脱出脱出大脱出!!
長い旅で好感度MAXです。
ーーゴゴゴゴゴ……!!
邪神が滅ぼされた事で、邪神の力によって維持されていたこの浮遊城塞が、激しい音と揺れを立て崩れ始めてきた。
「やばい!!どんどん崩れてくるぞ!!」
「みんな急いで飛空戦艦に戻るわよ!!」
ガリアードさんとレイリィおねーちゃんがそう叫び、走り出す。
「ノルン、俺達も急ごう!!」
「はい、勇者様!!」
ライ様と一緒にぼくは全力で邪神の間を後にした。
「はあ、はあっ……!!」
どんどん崩れて瓦礫が落ちてくる中、防御魔法で頭上を守りながら全力で走るぼく。
みんなは落ちてくる瓦礫を躱しながら走るのなんて、造作もない事だけど、ぼくにはそんな芸当は出来ないのでこうするしかない。
ぼくも一生懸命走ってはいるのだけど、みんな足が早くて追いつけない。
ライ様の背中を追うので精いっぱい。
この状況で待ってなんて言えないので、ぼくは必死に追いつこうと足を動かす。
「はあ、はあ……っ。きゃっ!?」
走ってる途中、足元の床が崩れてぼくは体勢を崩してしまう。
「ノルン!!」
ライ様がぼくの悲鳴に気づき間一髪、ぼくの腕を掴んで助けてくれる。
そのままライ様はぼくをひょいっとお姫様抱っこして、全力で走り出した。
「しっかり捕まってるんだよ」
「は、はい……」
大好きな人にお姫様抱っこされて、思わず頬が赤くなる。
振り落とされないように、彼の背中に両腕を回してしっかりと抱きつく。
ライ様の背中、おっきい……。
ぼくを抱き上げて走るその速さは先程まで、ぼくが必死に追いかけてた時とは比較にならない速さだった。
ライ様はこんな状況なのに、ぼくに合わせて走るペースを落としてくれてたんだ……。
優しいな……。
だいすき……。
ノルンは初めて会った時から、勇者に淑女としての言葉遣いと態度で接してます。
身内以外への猫被りモードが得意な子です。