表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/94

39.聖杖(せいじょう)リライザ

 「えへへ……。だーりん♡」

 「なんだい?ノルン」

 「呼んでみただけー♡」


 そう言って、俺にすりすりと顔を押し付ける。

 相変わらずノルンは俺の腕の中で、俺にべったりくっついている。

 立ちっぱなしも何なので、ミリシャル神殿の大聖堂の長椅子に座ってるから、まったく苦にはならない。

 好きな子にべったりくっつかれて甘えられるのが、こんなに幸せだとは思わなかった。


 出来れば今すぐノルンとキスとかしたい。

 したいのだが……。


 「勇者様。おわかりになられているとは思いますが、この子はまだ15になったばかりです。正式に婚姻を結ぶまでは、清いお付き合いをお願いしますね」


 思いっきりノルンのお婆さんに釘を刺されてしまった……。

 まあ、釘を刺されるまでもなく、勇者と聖女と言う立場上、無責任な真似は絶対に出来ないのだが……。


 「やれやれ。どうなることかと思ったが、上手く行って良かったな、ノルン。ライ」

 「そうね。ノルン。初恋が叶って良かったわね」

 「うんっ♡」


 俺に甘えるノルンに苦笑いを浮かべながら、ガリアードとレイリィが祝福してくれた。

 俺達は良い仲間に恵まれたと思う。


 「ーーええ。本当に良かったですね」


 突然、聞き覚えのない女性の声が聞こえて、俺達は周囲を見渡すが誰もいない。


 「今の声はいったい、どこから聞こえてきたんだ?」

 

 俺がそう呟くと、謎の声がすぐ耳元で俺に応える。


 「ここですよ」


 ノルンが俺の首に回していた左手を、俺と自分の前に持ってくると、ノルンの左手首に嵌っている腕輪モードの女神の杖が、ピカピカと光って声を発した。


 「こうして会話をするのは初めてですね。私、女神の杖こと、聖杖せいじょうリライザです」


 「女神の杖が喋ったああああっ!?」


 俺が驚いてると、ノルンは何処か得心がいったという顔で、リライザに話しかける。


 「リライザ。あなた、意思があったんだね。初めてあなたを手にしたあの日から、薄々そんな感じがしてたんだよ」

 「はい。私、邪神ドルディバイアを倒す直前まで、ほとんど休眠状態スリープモードでしたので。主様マスターが私の真の名を呼ばれたので、ようやく覚醒出来ました」


 「そうだったんだ……。今まで一緒に戦ってくれてありがとうね」

 「どういたしまして。私は貴女と魂の契約をした神器ですから。主様マスターが何度転生されても、必ずお守り致します」


 「う、うん。ありがとう。でも魂の契約とか、転生って何の事?」


 ノルンがもっともな疑問を尋ねると、リライザは淡々と答える。


 「私と神剣アルバライザーは遥か昔、神々によって神々の力を込めて錬成され、主を補佐する為の疑似人格を与えられました。私達は私達の力を振るうのにふさわしい方達を選び、魂の契約を結んだのです」


 「それって伝説の神剣の勇者と光の聖女の事?」


 「そうです。勇者ラインハルト。聖女ノルン。今のあなた方は神剣の勇者ライオネルと、光の聖女ノエルが輪廻転生した存在なのです」


 ……マジで?

実は神剣と女神の杖は『知性を持つ武器インテリジェンス・ウェポン』です

神剣は持ち主の身体能力を限界以上に引き上げ強化する能力を持ちます

女神の杖は持ち主の魔力を限界以上に引き上げ強化する能力を持ちます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ