36.大顕現!!究極最強勇者!!
「おのれ人間どもがああ!!貴様ら全員、生かしては返さぬぞ!!」
レイリィおねーちゃん達の猛攻を受け、邪神が激怒の咆哮を上げる。
「ノルン。もう少しだけがんばれるかい?」
ぼくは涙を袖で拭って、ライ様に頷く。
「ーーうんっ!!」
回復魔法を自分にかけて怪我を治してぼくは叫ぶ。
「ライ様が一緒なら、ぜったい負けない!!」
「ああ。君が側にいてくれるなら、俺はどこまでも強くなれる!!」
ライ様がそう力強く言う。
お互いの気持ちが通じ合った今、ぼくらはどこまでも強くなれる!!
どんな相手にも絶対に負ける気がしない!!
「刮目せよ!!そして絶望せよ!!今この時を持って、生きとし生けるものすべてが我の前に跪くのだ!!」
邪神がその姿を更に巨大化させる。
その大きさはおよそ60メートルほどだろうか。
ーーだけど。
「それがどーしたって言うの!!」
ぼくは邪神にそう叫んだ。
「もうチンケな悪役の出番はおわりなんだから!!さっさとやられて、ぼくらの新しい門出の糧になあれ!!」
ぼくは隣に立つ、世界で1番大好きなぼくだけの勇者様に叫ぶ。
「行くよ、だーりん!!」
ぼくの言葉にちょっとだけ、驚いた顔をしてから、だーりんは笑ってぼくに応えてくれる。
「……ダーリンか。うん。悪くない。良い響きだ。ああ、行こうノルン!!」
「女神の杖よ!!その真の力を今こそ解き放て!!聖杖リライザ!!我に力を!!」
本当の名前を力ある言葉で叫んだ事で、女神の杖ことリライザがその真の力を発動させた。
白く光り輝くリライザを構え、ぼくは叫ぶ。
「無限の最高位防御陣!!」
ぼくの創り出す無数の最高位防御陣が、だーりんの体をどんどん包み込んでいく。
「とうっ!!」
どんどん大きくなっていく最高位防御陣の光の中にぼくは飛び込む。
どんどん積み重なっていく最高位防御陣の光が収まり、白金の巨人がその勇姿を現した。
「大顕現!!究極最強勇者!!グレートラインハルト!!」
ぼくはグレートラインハルトの胸部の中から、外に向かって叫んだ。
「って、もはやただのロボじゃねーか!!」
ガリアードさんが足元で叫ぶ。
……あれ?ぼく、ガリアードさんに戦隊ロボの事とか話した事あったっけ?
まあどうでもいいや。
「と言うか、なんで胸に獅子の顔があるのよ……」
呆れ顔でそう呟くおねーちゃん。
それはね……。
付いてるとかっこいいからだよ!!
特に変形とかしないけどね!!
今は、まだ、ね。
いつか機会があれば試したいな。
「おのれ!!小賢しい真似を!!」
邪神がこちらに向かってくる。
「だーりん!!」
ぼくはすぐ目の前で、全身に魔力の糸を繋げただーりんに叫ぶ。
「応っ!!」
だーりんの放った右ストレートを一瞬のタイムラグさえなく、グレートラインハルトがトレースして、邪神の顔面を殴り飛ばした!!
ラストバトル開始(笑)




