勇者がとち狂ったことを言いだしました。
※これは短編『弟子が勇者になりました』関連作となります。
合わせてご覧いただくことをお勧めいたします。
西方諸国連邦の中でも古い歴史と、他国に譲らぬ確固とした地位を持つ我が王国ジュデイン。
わたくしはジュデインの第二王女、ファナティア。
西方の国々で最も麗しい美姫と呼ばれる女。
もちろん、わたくしの自称ではないわ?
諸国を旅する吟遊詩人がわたくしの美貌を褒め称える歌を作り、それが諸国をめぐり巡ってそう呼ばれるようになったの。我が国の力が強いこともあって、諸国がおもねった結果ではないかしら。
けれどもちろん、わたくしが美しいこと自体は偽りではないわ?
だって本当に美しいのだもの。
代々の祖先が高貴な血筋の美しい女を娶り、選りすぐりの、たくさんの美女の血を引くのだもの。
それぞれの特徴が喧嘩をしない限り、整った顔貌に生まれるのは当然だわ?
そうして生まれ持った素質を、王家の威信をかけて富と技術の粋を集めて磨き上げるのだもの。
わたくしが美女であることは、王家に生まれたからには当然のこと。
これもわたくしの価値を高め、やがて父王がここぞと思ったタイミングで王国の利とする為。
わたくしは、美貌の他に何も持っていない。
知性や教養は王太子教育を受けてきた長兄や、その補佐を務める次兄に劣る。
身体能力は傷一つつかぬよう箱入りで育てられた身では語るべくもなく。
魔法使いとして頭角を現した妹のように、素晴らしい才能もわたくしにはなかったの。
自然、わたくしの使い道は美貌を磨いていつか父の決めた相手に嫁ぐこととなった。
それが王家に生まれたわたくしの運命。
悲観するわけではないわ。
こうして恵まれた生活をしてきたのも、全ては王国の民の為だもの。
美貌の他に目立った特技がなかったのだから、たった一つの美貌を武器とするのは当然のこと。
わたくしのように美貌だけが際立っていたお姉様だって、同じように諸国の結束を強める為に他国に嫁いだのだもの。
わたくしは幼い日から、ずっと。
いつか父王に嫁ぐ相手を決められる日を待っていた。
それがわたくしが王国の為に、たった一つの大役を果たせる日なのだと。
ある日、魔王が復活した。
古き時代より、魔王を倒す為に勇者を輩出するのが我が王国の務め。
当代の勇者として選ばれたのは、その仲間として選出されたのは?
仲間の一人は炎華の魔女と呼ばれるわたくしの妹。
勝気な赤毛のアンリエット。
いくら比類なき魔法の使い手だとしても、女の身で戦いに出るなんて。
身を案じて部屋まで押し掛けたわたくしに、いつまでも幼いと思っていたあの子は言ったわ。
「心配してくれてありがと、姉様。正直、姉様みたいに達観した『お人形さん』が、そんな風に取り乱してまでアタシを心配してくれるなんて思ってなかった。ほら、アタシってガサツだし、王家の姫なのに姉様たちみたいに優雅に微笑んで淑女やるなんて出来ない、みそっかすだし」
あなた、そんな風に思っていたの?
わたくしの小さなアンリエット……あなたは淑女じゃないと自分を嗤うけれど、それは父王が貴方に求めた役割が、わたくしたちと違っただけ。
殲滅力のある魔法の才を、持って生まれたから……淑女教育よりも、魔法修行と戦闘訓練に比重を置いて教育されてしまっただけ。
微笑んで座っているだけが勤めとされたわたくしや姉様と違うのは仕方がないの。
でもそのことで、わたくしたちに苦手意識を持っていたのね……。
ああ、でもそういえば、戦闘訓練の後は傷が残る自分の体を気にして、よくわたくしたちを避けていたわね。
今まで妹の気持ちを慮ることも出来なかったなんて。
気の利かない姉でごめんなさい、アンリエット。
「謝らないで、姉様。これがアタシの出来ることだもの。大丈夫、アタシの魔法は強いのよ! 勇者とか他の仲間は、まだどういう人たちかわからないけど……頼りない人たちだったとしても、アタシの魔法で敵なんかみんな薙ぎ払ってみんなの王国を平和にするから!」
強気な言葉を口にするのに、その肩は微かに震えていて。
驚いた猫の子みたいにまぁるい目には、うっすら涙が浮いていた。
妹が戦いに行く。
なのにわたくしは祈ることしかできない。
不甲斐ない姉でごめんなさい、アンリエット。
かつて、何代も前の勇者も仲間を連れて魔王討伐の旅に出た。
だけど卑劣な魔族は、その時に勇者の身元を探って家族や幼馴染を人質にしたことがあるという。
以来、勇者やその仲間は魔王討伐が成されるまでその身元を秘されることとなった。
誰が勇者なのか誤魔化す為に、名のある戦士や魔法使いで数人ずつのグループを複数つくり、魔族や欲に負けた人族への目くらましの為にそれぞれに任務を与えて旅立たせたとか。
その慣習は、今も続いている。
有名な戦士たちは姿を消し、誰が本物の勇者なのか魔王が倒れるまでわからない。
今は勇者を予想する賭け事もこっそり横行しているというわ?
勇者の仲間に選ばれたのは名誉なことだけど、そういった事情があるので魔王が退治されるまで妹と会うことはできない。
妹が命を預けることになる、他の仲間が誰なのかもわからない。
誰とも知れぬ者達と旅に出る妹を見送るのは、とてもつらい。
ああ、せめて人柄の信頼できる相手であれば良いのだけれど……王国の威信をかけた勇者一行に、人品不品行な相手が選ばれることはないでしょうけど。
そうして、妹が旅立ってから。
わたくしは父王に執務室へと呼ばれた。
「ファナティア、美しき我が娘」
父王の召喚に応じて足を運んだ、今日のわたくしの装いは薄紅色。
魔王の復活、そして襲撃から始まった戦時下に合わせ、華美な装飾は抑え目の姿。
身に着けている装飾品も、王家の姫にしては質素な首飾りと耳飾りのみ。
髪も複雑な結い方を避け、差しているのは季節の生花をひとつだけ。
そんなわたくしの姿を、頭の上からつま先まで父王は満足げな視線でゆっくりと辿る。
美しいと形容した、自分の言葉に誤りがないことを確認するよう。
やがてわたくしの姿に対する何かしらの確認作業は終わったようで、父王はわたくしに『仕事』を命じた。
「お前の嫁ぎ先が決まったよ。――いや、嫁ぎ先『予定』が決まったというべきか」
勇者が旅立った後の、このタイミングで。
父王が決めたというのなら、そうなのでしょう。
そして相手は――
魔王が復活してから、4年。
わたくしたち人類の領域は、魔族の侵攻によって大きな被害を得ることもなく、今日を迎えた。
人類の勝利の日。
そう、勇者と仲間達が魔王を倒したの。
彼らが瀬戸際で魔族の侵攻を食い止め、実力者たちを討ち取り、そして魔王城へと乗り込んで魔王の首級をあげた。その功績は、誰にとっても無視できるものではない。
人類全体にとって、輝かしく重要な勝利だもの。
それらは全て、彼ら勇者と仲間たちの功績。
人族全てに勝利をもたらした。
彼らは間違いなく、英雄と呼ばれるべき存在となったの。
そうして彼らは今日、我が王国へと帰還する。
わたくしが妹の無事をただただ祈り、待ち続けるしかなかったこの城へ。
彼女の不幸を告げる伝令が来ないかと、怯え震え続けたこの城へ。
わたくしの小さな妹と、夫となるべき勇者が――
父は魔王討伐という偉業を成した勇者に、『西方諸国一の美女』たるわたくしを嫁すと決めた。
勇者に対する、褒美のひとつとして。
……わたくしを妻とすることが褒美の全てではなく、あくまで『褒美の一環』として。
『美姫』は、大概の男にとっては喜ばしい『ご褒美』ですもの。
……相手に、既に心を通わせた決まった相手でもいない限りは。
わたくしの他にも色々と褒美は用意しているようだけれど、わたくしは中でも『目玉』だそう。
美女というわかりやすい褒美である上に、わたくしが嫁せば王家と勇者に密接なつながりを作ることが出来るのだもの。
父王は勇者を旅立たせたその時には、既にわたくしを褒美と定めていた。
わたくしへと寄せられた縁談を吟味することもなくなったし、いつまでも婚約の話が出ないわたくしを誰に嫁がせるつもりなのか――貴族や諸国の王族も、暗に察して縁談は数を減らしていった。
魔王討伐に何年かかるとも知れなかったのに。
父の予測するより年月がかかっていたらどうするつもりだったのかしら。
いくら美女であっても、若くなければ『褒美』にならないかもしれないのに。
……いえ、その時は王家の縁筋から年若い娘を選ぶだけね。
その時はわたくしにもまた、新たな使い道を決めていたことでしょう。
婚期を逃すようであれば、『褒美役』を交代させれば父王にとっては済む話だったのでしょう。
その為に、勇者が旅立つ前にわたくしを嫁がせると言明しなかったのでしょうし。
そしてわたくしが『褒美役』を御免となる前に、勇者は帰ってきた。
旅の埃に塗れたままで、王の御前に出ることは許されない。
いま、勇者と仲間たちはそれぞれに王の御前に相応しい姿となるよう身なりを整えられている。
わたくしは、無事を確認したくて直接足を運んだ。
わたくしの小さな、妹の元に。
……小さな妹は、旅の間にわたくしよりも大きくなっていた。縦に。
ああ、どうしましょう。
身長を追い抜かれてしまっているわ。
でも育ったということは元気だった証ですものね。
身長を抜かされたなんて些事に過ぎないわ。
あの子の無事な姿が、目立った傷のない姿が、元気な様子がただただ嬉しい。
わたくしより大きくなったとしても、あの子はわたくしの小さな妹—―
「姉様、ただいま帰りました。ほら、どこにも怪我無く元気でしょう? だからそんな不安そうな顔は止めて?
――え? 勇者について? アタシが勇者をどう思っているか……? そんなこと聞いてどうするの? いえ、話すけれども」
――正直に言うと、『夫』だなんて実感がない。
だってわたくしは、『勇者』に会ったことがないのだもの。
それが誰かも、わたくしは知らない。
妹が『勇者の仲間』だと知らされたのも、ただただわたくしがあの子の姉妹だったからだもの。
噂で勇者の最有力候補とされているのは、『勇者の末裔』一族の嫡男とのことだけれど……。
その噂が真実であったとしても、顔を合わせたことのない相手であることに変わりはない。
顔も知らず、その人格や能力についても良く知らない『未来の夫』。
ふと思いついて、わたくしは妹に尋ねた。
妹にとっては4年も一緒に、ずっと旅をしてきた相手だ。
彼女にとって、勇者とは一体どんな存在なのか――どういう為人、なのか――……
「そうねぇ……あー……うん、なんというか面白いやつよ。そう、面白いことに間違いはないわね。ただちょっと変わっているというか、何を考えているのかわからない人だけど。あ、あとたまに面白くて引くわ」
妹が口にしたのは、わたくしの予想になかった人物評だった。
勇者とは、どういう人なの?
わからなくて、混乱して。
そして今までになく気になった。
「――え? 結婚? 止めといた方が良いわよ」
いもうとに、真顔で言われた。
今までに見たことがないほど、本気の目だったわ。
そうして、初めて勇者の顔を見る謁見の間。
帰還報告を受ける父の脇に、妹以外の兄弟と控えて並び立つ。
いつもの祝典の際と同じで、けれどもわたくしにとっては重要な。
わたくしはそうとわからぬように、じっと勇者を……夫となる男を観察する。
顔は……殺伐とした旅から帰ったばかりなせいか、少し眼光が鋭い気がするわ?
でも強い意志と決意を感じさせる顔。
悪くないと、思ったけれど。
勇者の勝利を褒め称え、あからさまに喜びのポーズを見せる父王。
直接勇者と仲間達に声をかけ、畏まる面々に満足げに頷いて見せる。
そしていよいよ、その時が来た。
「さあ、そなたたちの働きに褒美を与えねばならぬな。時に勇者よ、そなた確か婚約者はいない身であったな」
危険な旅に赴き、いつ死ぬともわからぬ身ですもの。
そんな身で、婚約者を定めることはできなかったのかもしれないわ?
父王も何か思うところあってか、いつになく前振りがわざとらしいわ。
王の言葉に察したのでしょう。
勇者が、ぎしりと身を強張らせた。
同時に、勇者の仲間たちが何故かうつろな真顔になったような……?
「勇者よ、そなたの旅の褒美に我が二の姫を与える! 西方諸国一の美女と謳われる我が娘だが、天下に比類なき武勇を示したそなたであれば惜しくはない。盛大に婚礼をあげようではないか」
うむうむと満足げに頷く父王。
その言葉にわざとらしくどよめく、貴族たち。
わたくしは恥ずかし気に見えるよう、頬を染めて目を逸らしてみせる。
そんな中で。
勇者が、ぴっとまっすぐ挙手をした。
「……どうしたのだ、勇者よ」
「陛下、畏れながら……私には過ぎた褒美です」
「なに?」
まあ、勇者はあまり乗り気ではないのね。
美女を与えられて喜ばない姿に、父王の機嫌が下がっていく。
しかし勇者は、固い決意を感じさせる顔でハッキリと言った。
「私はかねてより、魔王討伐を見事果たした暁には追いかけたいと思っていた方がいます。未だ未熟な身を導いていただきたい、修行をつけて頂きたいと……幼い頃より、彼の方に弟子入りすることだけが望みだったのです。未だ修行中の、放浪の旅をこれからしようという時に王女殿下を賜る訳には……」
「修行の旅だと? 魔王を倒し、武勇を示したそなたが何を修行するというのだ」
「私の実績が重要なのではありません。私がただ、師について技を磨き、薫陶をいただき、人生の導となっていただきたいだけなのです。申し訳ございません、陛下。私はまだ結婚すべきではないのです」
「……そなたの旅を許可しないと言えば?」
「その時は……」
「いや、言うでない。はっきりと言葉にしてはならぬ」
「家出いたします。元々仕官している訳ではありませんので、現状無職ですし出奔しても問題ないかと」
「言うなといったであろう!? 問題は大ありだ! そなたは魔王を倒した勇者であるぞ、無職も何もこれから与えるに決まっておろうが!」
「陛下! 私に褒美をくださるというのであれば、職業選択の自由をいただきたく! あと旅の許可と新しい旅券をいただきたいです!」
「褒美に要望をつけるでない! あと、そなたの希望は褒美にならぬ! 旅券だけ与えて放逐するようなものではないか!!」
「陛下、苦しく厳しい旅を乗り越え使命を果たした男の希望です! なにとぞ、なにとぞ……!」
「ええい、誰ぞ! 勇者は旅の疲れで混乱しておる! 誰ぞ部屋へ連れて行って休ませてやれ! 勇者には冷静になる時間が必要だ!」
「は、はは……っ! さあ勇者殿、こちらへ!」
「陛下、旅券を……!」
「おい、お前達も加勢しろ! 勇者殿の力が強い! 1人2人では足りん! 10人こっちに来い!」
こうして、勇者は謁見の間から引きずり出された。
その姿を見送って、父王はつかれたように玉座に沈み込む。
参列していた貴族たちも無言で固まっており、父王はこの場で見たことは他言無用と命じて勇者との謁見の儀は終わりを迎えた。
頭を抱えたまま、父王の用意した褒美を素直に受け取る勇者の仲間たちの姿が印象的だった。
その後、戦勝の宴の席で。
落ち着きを取り戻したようだからと盛装で参加を果たした勇者は、酒を過ごして盛大に迷言を口にした。
「ずっと決めていたんだ。師匠のような立派な物真似芸人に、俺はなる……!」
勇者、ご乱心。
様子を窺っていた父王は、ひとまず勇者が聞き取り調査ができるくらい落ち着くまで部屋に軟禁することを即決した。酔いがさめて落ち着いても「芸人になる」というようであれば、意志を曲げるまで軟禁は続行するのではないかしら……?
父の計画では、勇者が帰参した暁にはわたくしと、官職を与える予定だったようだけれど。
主だった貴族の揃う場でやらかした、この事態。
計画通りに事を運ぶのは不可能ではないかしら……?
少なくとも、ここまでやらかされて『第二王女』のわたくしを嫁すのは不可能に近いような。
そして、翌日。
酔いがさめて軟禁に気付いた勇者は、施錠されていたはずの窓から脱走した。
部屋には傷一つなく、鍵など持っていなかったはずなのに解錠された窓から風が吹き込むだけ。
ピッキング、という技術なのですってね?
何かを諦めたような顔で、妹が「やると思った」と呟いていたわ。
父王の唖然とした顔を、思えば初めて見たかもしれないわ?
どうやら王となっても思い通りにならないこともあるのだと、人の心のままならなさを父王は初めて知ったようだった。
妹は勇者を『面白い男』と評した。
少し面白過ぎではないかしら?
とりあえずは父王に、わたくしの嫁入り先の再選定を促すべきなのかもしれない。
ジュデイン王国第二王女 ファナティア
誰もが認める王国一の美姫。16歳→20歳
王女としては優秀で、学びを制限されていたので学識の幅は限定されるが生来の賢さがある。
穏やかで落ち着いた物腰の、心優しい『お姫様』。
ジュデイン王国第三王女 アンリエット
別名『炎華の魔女』14歳→18歳
姉たちのような徹底した淑女教育を受けることなく、魔法使い(戦力)としての教育を優先された為にお姫様らしからぬ性格に育つ。そして本人もそのことを気にしている。
軍人に混じって訓練することも多かったので、身分が低い相手にも横柄になることなく気さく。
明るくからっとした性格だが、王族なので時々一般常識と感覚の違うことを口にする。
得意な魔法属性は『風』、次に『水』。
『炎華』の別名は得意な風魔法を使うともれなく赤毛(王族なので最高級の手入れをされているためキラキラ艶々)がめっちゃ風に煽られてばっさばさのぼっさぼさになることから。
その様を指摘するにも、相手が王女なのでなんとか穏当に失礼にならないよう比喩で指摘しようとした結果、『王女の髪はまるで炎の花ですね(苦しい比喩表現)』と誰かが言ったことが原因。
勇者 ジャスティアン・ヴァンデーリク
魔王を討伐した初代勇者の末裔にして、多くの勇者を輩出した『勇者の一族』の嫡子にして当代勇者。18歳→22歳
物心つく前から勇者となることを期待され、周囲に過大なプレッシャーをかけられながら育った青年。
周囲の過度な期待に押し潰され、笑顔のない幼少期を過ごすが、そんな自分に笑顔を取り戻させてくれた師匠(物真似芸人)を崇拝している。
真面目で一途、そして努力と根性との相性抜群な性質も相俟って日々の訓練を順調にこなした結果、勇者に選出される前から当代一の剣士として名を馳せていた。
色々な意味で色々なモノを拗らせている。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
ちなみに勇者が酔って迷言吐いて軟禁されていた夜、師匠は宴に参加していた勇者の両親から急報を受け取り王都脱出だ!とまっすぐ飛び出していきました。
やったね、アリシア! 図らずしも勇者が足止めされてたよ!
勇者の追跡が、ここから始まる……!