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ナスタチウムの決意  作者: ゆうま
ルート①
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ルート①3日目昼

3日目昼会いに行く人物:ホース

昨晩指名失敗のペナルティとして公開された情報が大して重要だったとは思えない

ウサギの最初の指名成功で動くと思っていたが違ったな

イエロー、城野歩はデモンストレーションで殺されることが決まっていた

つまりいなくてもゲームの進行に差し支えない

それは全員が理解しているはず


ウサギがチェックインしたときに言おうとしたことを想像することは出来る

「自分に役割があるのか」や「今彼の本名を聞いたことに意味はあるのか」といった様な疑問を解消する様な問い

若しくは「役割を全うする必要はあるのか」や「本名を聞いたことに意味を求めるべきか」といった様な誰かに責任を押し付けてしまえる様な問い

だがそれも結局聞かずイエローを指名したのだから「あいつら」の人選は合っていたことになる


だがゲームは動かない

ゲームが動かなければどうなるのだろう

ここは唯一普通の「人を殺したくない」という理由で平和を願ったホースの心境を探るべきだろう


「こんにちは」

「こんにちは、掃除ですか?ご苦労様です」

「ありがとうございます」


展望ラウンジに行ったことは監視カメラで見ていたので掃除を装うため道具を持って訪れた


「ホース様以外は積極的に参加される可能性がある様子でしたね」

「そうですね。残念です」


眉を下げて俯くその仕草は本当にそう思っていると思わせる

だが正直者ほど信じ過ぎてはいけないと、俺は知っている

そういう意味ではこのゲームの参加者は全員今のところ目立った嘘がないため信じて良いのかは疑問だ


「ホース様に申し上げることではないのですが…わたくしはゲームが滞ったときなにか良くないことが起こるのではと不安なのです」

「そうですね。それに俺は平和を願っています」

「もしゲームが動き出しても、誰かの名前が分かったとしても、指名なさらないのですか」

「はい」

「それで自分が殺されることになっても、ですか」

「はい」


ゆっくりと穏やかに微笑む


「恥の多い、とまではいきませんが恥ずべき人生でした。指名されるのなら、そういう運命だったんですよ」

「恥ずべき点がない人なんていませんよ。むしろそう自覚していないことが恥ずべきことです」

「そうかもしれません」


適当に掃除している俺をじっと見る

ホースの方を向くとゆっくりと息を吸った


「気付いていますよ」

「なにをでしょうか」

「あんな雑多な情報で人を特定出来るはずがありません。少なくともひとりは「ある程度深い関係」なんですよね。どうして俺に会いに来たんですか」


こんなときに、こんな立場の俺にまで優しいって言うのか

ひとつ目の質問にはどうせ答えられないから同時にふたつ質問をする

こんな人を信じるなと言う方が無理だ

だが、だからこそ信じてはいけない

こんな環境で優しさを持てるほど余裕があるということなのだから


「偶然ですよ。招待者の基準についてお答えすることは出来ません」


答えられないのは知らないからなのだが、それを言う必要はないし言うことは出来ない

俺が答えなくても良い質問に答えたのは優しさを受け取ることを拒否したと明確に示すためだ


「そうですか」


少し寂しそうな顔をしたことが俺の意図を理解しているという証拠だろう

本当にただの「善いヤツ」なら良いが、こんなものに招待されているのだからそうでない可能性は十分にある


「ああ、すみません。掃除の邪魔をしてしまいました。俺は部屋に戻ります」

「こちらこそお邪魔してしまい申し訳ございません」

「いいえ。毎食美味しい食事をありがとうございます」


笑顔を残してエレベーターに乗り込む

もしかしてホースも俺を待っていたのだろうか

いいや、そうする理由なんて――まさか苺と同じ理由か?

主催者側なのか、脅されている等なのか、なにも知らない駒なのか、見極めるために話すため待っていた

もしそうなら参加者をまとめていてある程度信頼があるホースの方が、苺よりも危険な人物だ

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