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ナスタチウムの決意  作者: ゆうま
ルート②
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ルート②4日目昼

4日目昼会いに行く人物:ホース

「こんにちは」


ゲームを動かすという目的のため、会いに来たのは良い

問題はプランがないことだ

プランを練ってから行けば良いだけなのだが妙案が思い付かないし、ホースが思った通りに動いてくれるとは思えない

なので臨機応変という名のノープランで決行することにした


「こんにちは、掃除ですか?ご苦労様です」

「ありがとうございます」


展望ラウンジに行ったことは監視カメラで見ていたので掃除を装うため道具を持って訪れた

だが恐らくホースにはそれも分かっているだろう

ホースは前回2日目に会っている

3日目にどうしていたのか、廊下しか映されていない監視カメラの映像からは分からなかった

だが恐らくこうしていたのだろう


「そろそろどなたか見当は付けられましたか?」

「いいえ」


眉を下げて俯くその仕草は本当にそう思っていると思わせる

だが昨日の夕食会での会話を聞いていた俺はホースと鴬に関係があり、それに気付いていると知っている


「考えもしていませんよ。俺は6人でここを出ることを望んでいますから」

「もしゲームが動き出してもその考えを変えるおつもりはないのですか」

「はい」

「それで自分が殺されることになっても、ですか」

「はい」


ゆっくりと穏やかに微笑む


「恥の多い、とまではいきませんが恥ずべき人生でした。指名されるのなら、そういう運命だったんですよ」

「恥ずべき点がない人なんていませんよ。むしろそう自覚していないことが恥ずべきことです」

「そうかもしれません」


これ…前回と同じ会話じゃないか?

俺をじっと見るホースの方を向くとゆっくりと息を吸った


「気付いていますよ」

「なにをでしょうか」

「あんな雑多な情報で人を特定出来るはずがありません。少なくともひとりは「ある程度深い関係」なんですよね。どうして俺に会いに来たんですか」


同じだ

どうしてそうなってしまうんだ


「偶然ですよ。招待者の基準についてお答えすることは出来ません」

「そうですか」


寂し気に微笑む

ホースと鴬は少なくとも2日目の情報が公開された時点で鴬に気付いていた

だが互いの方針のために指名しなかったとでも言うのか

殺さなければ殺されるんだぞ


「ああ、すみません。掃除の邪魔をしてしまいました。俺は部屋に戻ります」

「待って下さい」


ここで帰すわけにはいかない

ホースに動いてもらって、ゲームを動かしてもらわなくては


「どうしました?」

「どうして指名しないんですか」

「ですから俺は6人で生き残ることを望んでいるんです。それに誰の見当も付いていないと言ったばかりじゃないですか」

「良く考えて下さい。殺さなければ殺されてしまうんですよ」

「それもさっきそれで良いと言いました」


まずい、同じことの繰り返しだ

どうするべきだ

鴬の名前を出してしまうか?

駄目だ、理由がない


「用がないなら戻ります」

「鴬様は今夜動く様子でしたよ」


背を向けて歩き始めていたホースの背中に小さく言葉を投げる

結局鴬を使ってしまった

だが動かす方法なんてこれくらいしか思い付かない


「そうですか。俺、グラタンが好きなんです」


笑顔とそんな言葉を残してエレベーターに乗り込む


「最後の晩餐にグラタンのリクエスト…か…」


最後の晩餐にリクエストしたものが出れば信憑性は増すだろう

ホースととって最後の晩餐ではないが、リクエストに応えて鴬が本気であることを示す

そしてホースに鴬を指名してもらう


これで次に進める

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