63、賊と貴族と義賊 26
「魔力の制御が出来ればたいして難しくないわよ。圧縮して放つだけだし」
それ、魔力制御の微調節もそうですが剣技の腕が良くないと普通出来ませんよ。
「起爆剤にすることで任意のところで高火力で爆発させられるのよ。普通の火が付いた魔法じゃ周りまで燃やしちゃうでしょうが」
その発想はなかなか出てきませんよ。魔術師団の者がいたら首を横に振ってると思います。
「ちょっとした技術があればこれくらい出来る!」
出来ません。レイナさんだからこそ出来るんです。
先程の魔法の説明をネーナに話して聞かせるレイナ。
その横で話している内容にツッコミを心の中で入れつつ、決して声には出さないアベル。しかし、レイナを見守るその表情はやけに嬉しそうではある。
後ろの方で「あの巨大なゴーレムを簡単に倒すなんて……」「すげぇ、流石国王専属騎士」「レイナ様強すぎる!」などという誉め言葉らしいものが竜騎隊の間で飛び交っているが、レイナは右から左へとスルーしている。
敬服を多大に込めた眼差しはレイナには普段が普段だけに少しグサグサと刺さるのだ。しかし、本隊を務める騎士団では猫を被ることは殆どないのになぜそんな眼差しで見られるのか、本人も首を傾げるくらいには不思議な事案だ。
そんな竜騎隊のことは置いておき、レイナはネーナとの会話へと意識を戻す。
「結局、魔法が使えたってのはどういうことだったのよ。嘘?」
「嘘じゃないですー!! 確かにちゃんと使えたんですー! 信じてくださいぃぃぃ!!」
今にも膝をついて項垂れそうなネーナにますますレイナは首を傾げた。
そもそも、なぜネーナが唐突に魔法がきちんと使えるようになったのか。
そんな疑問に横まで飛んできたシオンが答えた。
「そのことですが、ネーナが正常に魔法が使えたのはあの部屋にはられていた結界のせいでしょう」
「え? で、でも、あの場にはられていた結界って魔法を使えなくするやつでは……」
「物理を阻害する結界はウェルバのスペルティで壊されたと聞きました。しかしもう一つの結界は残ったままだったとか」
「はい。そのはずです」
「残ったとはいえ、多少は影響があったのでしょう。結界の威力が落ちたのでは? 実際、違和感を覚えたのはウェルバが来てからですよね?」
「あ、はい。そういえばそうです」
「結界が緩んだおかげで、ネーナの膨大な魔力が少しだけ溢れたのでしょう。魔力量が少しだけだったから制御も出来たのです」
「……お、おぅ……じゃあ、私がちゃんと制御出来ていたわけじゃ……」
「ではないですね。むしろ結界が貴女の魔力を制御してくれたようなものです」
「ふ、複雑~~……!」
とうとう私は魔法が完璧に制御出来るようになった! というネーナの喜びは無残に散った結果となった。
「で、制御出来ると思って使ってみりゃ、盛大な事故を起こしたわけだ」
「う、うぅ、すみません……」
「まぁ、本当に制御出来てたら逆に役立たずだったかもしれないから、ある意味結果オーライってことでいいわよ」
「え?」
「無事だから言えることだからな。無事じゃなかったら今頃牢屋だぞ」
「ヒィィィ!!!!」
「普通の魔力量じゃ困るのよ。アンタを連れまわしてるのはその膨大な魔力量が目的なんだから、精々頑張って早く制御出来るようにすることね」
「…………」
「え? なに? なんで黙るの?」
「いえ! はい! そうですね! 私、頑張ります! 凄く凄く頑張ります!!」
「お、おう……まぁ、頑張れ……?」
なんかさっきも似たようなやり取りがあったなとレイナは思いつつも、やけにやる気に満ちた顔でこちらを見てくるネーナに、少し気が抜けたような返事をした。
まぁ、これできちんと制御出来るようになってくれればネーナの魔法は相当役に立つ。しかし、制御に気を取られがちだが、ネーナは魔法のコントロール(魔法を放つ方向性という意味で)もまったく駄目なのだ。制御が出来たところで明後日の方向に魔法を放たれても困る。
結界がはってあった部屋ではコントロールも問題がないようだったが、はて、彼女のノーコン具合は何が原因なのだろうか?
そんな会話をしていると、レイナの横で飛んでいるシオンにグリーンが近づいてきた。
「なぁ、シオン」
「はい、なんでしょう?」
「エルフの魔力なしって珍しいって言われたんだけど」
「…………」
「前にシオンはそういう奴も結構いるって言ってたよな。……どっちが正しいんだ?」
ちょっとした会話だったがグリーンはアクミューワとの言葉を覚えていた。
その時にいっていた言葉もやけに引っかかっている。
とはいえ、自分がアレコレ考えてもはっきりする内容ではない。なのでグリーンは正直にシオンに聞いたのだ。
話している途中でシオンは黙り込んだ。
やはり、何か別の意図があったのだろうか……、と思わず口を引き結んで表情を硬くする。
少しだけ身構えると、「ああ」とシオンはどこか納得したような表情をして声を出した。
「すみません。この場合、私の言い間違いですね。正確には感覚の違いですが」
「……感覚の違い?」
「そも、人と精霊とでは生きている年月が遥かに違います。まぁ私達の間では「生死」とは言いませんのでこれもちょっと違うのですが。今はそれは置いておきましょう。人にとって「珍しい」は、我々にとっては「珍しくない」ことなんです」
「……うん?」
「そうですね。百年に一人というペースなら精霊の感覚で言えば「それなりにいるよね」というレベルなんですよ」
「え、そういうもん……?」
「そういうもんです。何せ精霊は何千、何万年と存在し続けることが可能ですから」
「それでシオンにとっては結構いるっていう認識だったのかぁ……。え、てことはシオンって今、何歳なんだ?」
「ふふっ」
グリーンの問いはシオンの笑顔で打ち消された。うん、これ以上は聞かないでおこう。
一つの疑問が解消されて少なくともグリーンの心の内はスッキリとした。アクミューワの言葉を聞いてからシオンが自分に嘘を教えていたのだろうかと気を揉んでいたのだから。
スッキリはしたが、まったく完全解消したわけではない。だが、それは今この場でシオンに聞いても解消する話ではないので今は忘れることにした。
会話もひと段落したところで、レイナの傍にいたアベルの元へ一人の騎士が駆け寄ってくる。何かを耳打ちすると一礼して直ぐに去っていった。騎士からの伝言を聞いたアベルは先程まで笑っていた表情を消して、少し緊張を孕んだ顔でレイナへと向き直る。
「ご報告があります。今回の件で最重要人物であるクレバス・ナシュワート伯爵の行方が完全に途絶えました。伯爵の屋敷、関連場所も詮索致しましたが痕跡はないそうです。彼の家族も行方がしれないと……」
「家族も?」
「はい。……この件に関して、上からは証拠が発見され次第撤収をするように言われております。関連場所から売買の証拠は見つかりました。その為、我々はこのまま撤退となります」
つまり、深く追及はしなくていいということだ。アベルはどこか歯切れ悪くそのことを伝えてくる。
今回は人身売買を直接行っているどころか魂の冒涜行為も含まれている可能性がある為、騎士達にも内容を把握している者も多い。アベルもその一人だ。特に彼は副団長という立場もあり「裏」のことも知っている。
古き扉の存在も知っているからこそ、その表情は芳しくはない。
古き扉が関わっている可能性。行方を晦ませた伯爵とその家族。そしてそれをそのままにしていいという指示。
……つまり、そういうことだ。
これはただの騎士が口を出していい問題ではない。わだかまりは残るがこれはどうしようもない。このまま口を噤むしかないのだ。
僅かな沈黙が流れた後、レイナはわざとらしく大きな溜息をついた。
「そう。じゃ、こっちも後処理したら帰るわ」
「はい、お帰りをお待ちしてます」
切り替えるように軽い調子で言えば、アベルも先程の硬い表情はなくし、笑顔を浮かべて応えた。
話がひと段落したところで、レイナの方へウェルバとネッタが近づいてきて、そしてその後ろに彼等の仲間の義賊達がついてきていた。
そのことに気づきレイナが二人の方を振り向くと視線が合う。だが、合った途端にどこか戸惑うように二人が視線を彷徨わせた。
しかしそれも一瞬で、ウェルバが再びレイナへと目を向けると、覚悟を決めたように口を開いた。
「お前、「レイナ」っていう名前だったのか?」
…………………。
「あーーーー!! そういえばそんな設定だったわね!?」
「あ、ああ! わ、私もすっかり忘れていました……!!」
「あ! 俺も雑技団だった設定、忘れてた!」
「そういえば僕も普通に「レイナさん」と呼んでいましたね!?」
「え? てっきり皆さん、ウェルバさん達に話しているのかと思っていたのですが、違ったんですか!?」
「……というか、今更ですねその質問」
空気を読んで今聞いたと思えばいいのでしょうが……、とシオンはフォローを入れる。
しかしそんな言葉はレイナもウェルバも聞いていない。ウェルバにとっては「レーチェ」という雑技団員だと思っていたのだから、まさにお前誰だ状態。
さて、どうしたものか……とレイナも頭を悩ます。
「竜騎隊といえば……王都の魔導騎士団じゃないか。なぜそんな隊を呼びつけることが出来るんだ? お前は一体何者なんだ?」
絶対雑技団なんてちゃちなもんじゃないよな、という視線をグサグサと刺さるくらい浴びせてくる。
横にいるネッタとその後ろの義賊達からも同じ視線がレイナを突き刺した。
おかしい。皆、同じ嘘をついていたにも関わらず、なぜ私一人に集中しているのだ。
今更誤魔化しても意味はないだろうし、素直に伝えた方がこの場合、手っ取り早いだろうな、とレイナは若干ウェルバから視線を逸らしつつ、決意を決める。
フッと笑うように溜息をつけば、僅かに胸をはった。
「私の名前はレイナよ。聞いて驚きなさい、国王専属騎士とは私のことよ!」
別に威張ることではないのだが、なんとなく勢いが欲しくてどこぞの三流俳優のような名乗りになってしまった。
いっそ笑い声でも聞こえてくればいいものの、やけに周りがシーンとする。
若干視線を逸らしてるせいでよくはわからないが、あれ、これはスベったのか。私の名乗り方がドン引きされたか。と思わずレイナは考え、こっそりと視線をウェルバ達へと戻した。
目を見開いて固まっているウェルバとネッタ……と、その後ろに控える義賊の方々。見事に尻尾が真上を向いていて、ウェルバに至ってはふさふさな尻尾が大きく広がってすらいる。
おや?
「国王……専属騎士……?」
「だから竜騎隊が……」
「魔獣すら片手間で倒せるとか……」
「義賊が親しくしていい相手じゃないだろ……」
何やらブツブツと呟きが聞こえ始め、そろそろと立ち上がった尻尾が下ろされる。
暫くそのまま見守っていれば、突如勢いをつけてレイナの方へと二人が顔を向けた。その表情はやたら熱がこもっているようにも感じる。
おっと、嫌な予感がするぞ。主に私が嫌になるようなものが。
「レイナ様!!」
「唐突に様付けをするな!! 待て! その先は言わんでいい!」
「いえ! どうか懇願することをお許しください!!」
「敬語もついてきた! というかなんだその仰々しい言い方は!!」
舎弟だなんだと言われるアレじゃないか!? あの流れじゃないか!?
等と思っていればさっそく行動に移したのはネッタだった。レイナの前まで行くと平伏してから再び顔を上げる。
やたら目が輝いているせいで眩しい。心理的に。
「レイナ様! これまでの無礼な振る舞い大変申し訳ありませんでした。しかし、貴女様のお力を拝見して私……いえ、私達は決意しました!」
「本当待て!! 早まるな!! やめろ!!!!」
「どうか私達をレイナ様の従者でも家来でも舎弟でもペットでもいいから、主となってください!!」
「おおう!? なんか色んなパターンきた!!!?」
お願いします!!!! といってなぜかネッタに続いて平伏する義賊達。
「さて、ここで重要になるのが獣人や亜人が持ってるスペルティ、「忠誠の誓い」と「絶対服従」ですね」
「やぁめろぉぉぉぉ!!!! 絶対に聞きたくない単語が出てきたぞコノヤロォォォォ!!」
忠誠の誓い……種族特有のスペルティ。主と認めた相手に忠誠を誓うことで主と能力共有をすることが出来る。ただしそこにお互いの信頼がないと成り立たない。
絶対服従……種族特有のスペルティ。主と認めた相手には逆らうことは出来ない。逆に主となったものが認めた相手へ命令し従わせることが出来る。
亜人や獣人ならば大体が持っているスペルティ。上下関係をハッキリとさせたがる種族ならではのものだ。
一歩間違えればとても不穏なスペルティのような気もするが、主従関係になった者達の間だけと考えれば、まぁ、スルーしていい案件だろう。多分。
「認めない、絶対認めない! 私は舎弟とか従者とかなんぞ認めない!!」
「そんなレイナ様! 貴女程主にぴったりな方はいません! 先程垣間見た実力、そして素晴らしい肩書、誰に対しても物怖じしない太々しさとその物の言いよう、どれも素晴らしいです!」
「なんでだよ! 最後誉めてねぇよ!」
「そういえばレイナさんがこの間拾った舎弟三人組も無事本隊試験に受かったらしいですよ」
「誰!? 舎弟三人組っていつの間に出来たのよ!? というかアベルがなんでそんなこと知ってるの!?」
「レイナさんの舎弟というのなら、私は信者としてしっかり見極めなくては」
「はっきり信者といいやがった! 最近、そういうの隠さなくなってきたわね!? 真面目な顔して濃い内容を口にしないで……アンタ、もっとイメージ大事にしなさいよ」
「自分の信念はしっかり持っているつもりですよ。しかし、レイナさんの下につきたいと言うのならやはりそれなりに実力はないといけませんね。……それこそ先程の三人組と同じように騎士団、本隊に入れるくらいの腕はないと」
おっとなんだそのフラグは。
完全にこの先の流れがわかるんだが!
「「「私達も騎士団へと入隊させてください!!」」」
「ではまずは受付をすることだ。受付と申し込みはいつでもしているから、気軽に王都まで来てほしい」
いい笑顔で隊員募集してるんじゃねぇぇよ!!! アベルーーー!!
思わず頭を抱えて立ったまま海老ぞりになるレイナ。
ふと、気づけば一人だけ突っ立ったままでいるのをシオンが見つけた。
「おや、同じ表情をしていたのでてっきり舎弟希望かと思っていましたが、違うんですかウェルバ?」
舎弟言うな。というのは心で呟き、無駄な言い合いは抑えたレイナ。
そういえばウェルバだけ平伏している者と違ってそのままでいたな。ただ他の者を止めようという気配は全くないのでこいつも同罪だと思っていた。いや、別に罪ではないけど。
シオンの言葉にウェルバは緩く首を横に振る。
「いや、確かに主にレイナ様を選ぶのはいいと俺も思う」
「レイナ様というな。納得するな。否定しろ。疑問に思え」
「だが、俺が主に選びたいのは……」
そういうとウェルバはネッタ達と同じ熱量をその瞳に乗せて、一人の人物の前まで行くと跪いて見上げた。
見上げた相手は悲鳴を上げる。
「ヒィィィ! なんとなく嫌な予感していましたぁぁ!!」
頭を抱えて真っ青な顔をしてネーナは叫ぶ。
「ネーナ様! どうか俺の主となって欲しい!!」
「ああああ! 様付けきたーーー! おかしいです! なんで私なんですか!? レイナさんの方が何倍も凄いし強いし格好いいじゃないですかぁぁ!!」
「ネーナ様とてその魔法技術は申し分ないではありませんか。魔力量なんて誰よりも遥かに上に行く。そしてその謙虚さはとても素晴らしい」
「でも制御もコントロールも出来ません! まだまだ魔法使い見習いなこんな下っ端に跪いてもいいことなんて何一つありませんからね!? 謙虚じゃなくて小心者なだけですー!!」
「小心者が普通ここまで言い返さないだろうし、色々やらかさないだろう。結果は別として行動力はやたらあるよなぁ。ネーナって」
「そうですね。でも、人見知り気味ではありますね。レイナさんに懐いているのが不思議でなりません」
「フォローどころか心をえぐるような言葉を差し込んでくるの止めてくださいぃぃ!!」
「決して勢いで言っているわけではありません。最初に出会った時から惹かれていた部分はあったのです」
「ウェルバさん……」
「ネーナ様の魔法が直撃し、吹っ飛ばされたあの時」
「私がやったって知られてた!!!!」
「きっとスペルティのおかげで大したことはありませんでしたが、その後にネーナ様をお助けして感じました」
「……なんでしょう、とっても聞いては駄目な気がしてきました」
「あの魔法の威力を全身でシビレるように感じた後の、あれだけのことをしたにも関わらず見た目は弱々しく謙虚であるというギャップ! 強者だとはとても思えないその見た目にも関わらず凶悪な程の魔力! 俺は貴女の違いにゾクゾクとした! 叶うならば是非俺にだけその魔法を、威力をぶつけてほしい!!」
「いぃぃぃぃやぁぁぁぁぁ!!!!!」
「まさかのドM発言」
「まぁ、亜人や獣人なんて主従関係がある時点でドSかドMであることが多いですからね」
「いや! その偏った認識は流石にかわいそうだと思うぞ! 確かにそういう気配を感じることもあるが、違うって。多分! エルフの俺がいうのもなんだけど!」
「いや、でもサシィータさんとか言われてみれば、サドっぽいですよね……」
「それ、レイナさん限定じゃないでしょうか。やたら仕事詰め込んで自分追いつめて楽しそうにしてるのはマゾっぽいですよ。主認定は確実に国王様ですね」
「ああ、確かに。仕事量が尋常がありませんものね。ではやはりマゾ……」
「脇でSとM談義するの止めてくださいぃぃぃぃ!!!! 今は! そこじゃ! ない!!」
ウェルバの告白に真っ青を通り越して白くなるネーナに対し、見守りという名の野次馬をしているレイナ達。
何故だか飛び火してサシィータの話題でユミとセイルスが談義を始めそうになって、ネーナが叫びながら止める。一応こちらを気にする余裕はあったようだ。
しかしそれもすぐになくなる。
「魔法が駄目なら、その魔法使いらしい細い足首を持つ足で踏まれたい!!」
「やめてくださいぃぃぃ!! 踏みませんから! そんなやたらキラキラした目でいわれてもぉぉ! 絶対に! 踏みませんからぁぁぁ!!!」
「発言は色々やばいはずなのになんであんな純粋まっしぐらな目が出来るんだ。あいつ」
「不純な動機が一切ないからじゃないでしょうか。興奮材料というより主の強さを実感して崇めたいタイプじゃないですか?」
「それはそれで色々凄いな、ドM! もう諦めなさいよネーナ」
「いぃぃやぁぁでぇぇすぅぅ!! なりません出来ませんなりたくありません! お願いですからいつも通りに接して下さい! 主従関係じゃなくてお友達から始めましょうぉぉぉ!!?」
それから暫くネーナの叫びは続いた。
ネーナのおかげで実はレイナの方が有耶無耶になって内心ほっとしていたのだが、獣人亜人達を侮ってはいけない。一度主認定したらそれを貫く。
後日、王都の受付場所が獣人亜人達で一杯になったという報告を聞いてレイナはその記憶を消去することにした。
何も聞いてない。私は関係ない。カンケイナイヨ!
ネーナとウェルバの主従関係もどうなったのかも、お察しいただければ。
舎弟三人とは「盗賊とエルフ戦士」に出てきたレイナのことを「姐さん」と呼んだ盗賊獣人三人組。
あと二話程続きます。




