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学校で

 教室にて。





 桜の木に鮮やかな葉が付き始めた頃事件は起きた。


 それは、学校の歴史に深く刻まれるほどの事件だ。









 相変わらずネット上では小春のことが騒がれてる。

 だが、ワイドショーでは落ち着きを取り戻していた。っと言ってもちょっとした拍子に話題にはなるのであった。

 極力、小春はメディアは見ないようにした。

 気づいたのだ。

「悩んだって後の祭りだな……」

 と。



 ここ最近は平和だ。

 平和だからこそ嵐の前の静けさではないかと考えてしまうのは致し方ないことだった。


 それは後に間違いじゃなかったことが分かったのであった。


 三年になり、進路については話す事が多くなるのは必然的だ。

 反省を踏まえ、学校にも漸は来ていたが漸は小春と同じく若葉に好かれてないようだった。




 そして、今日も桜庭が朝のSHR(ショートホームルーム)から進路の話があった。

「皆さん、早ければ私立入試が1月にはありますね」

「「えー!」」

 一斉に不満げな声がクラス中があげた。

「まぁまぁ、落ち着いてください。不満なんかあげても何も変わらないですからねー。今からでも十分間に合いますから、後で後悔しないようコツコツ頑張ってくださいね」

 にこやかな笑顔で少々残酷であることを言った桜庭の腹黒さを改めて認識した生徒たちであった。

(進路……どうしようかな)

 あまり、保護者に迷惑をかけたくないと考えながら窓の外を眺めるのであった。


 ーーその時だ。


 ドーンっという博物館の事件の時と酷似した音が響く。そして、立っていられないほどの地響き。

「っ!」

(何これ)

 あっという間にクラス中いや、学校中がパニックに陥った。学校中で悲鳴が上がる。そのあと何かが崩れる音がしたが恐らくコンクリートと見当がつく。

「これ、どういう事? 漸さん」

「さぁな? 嫌な予感しかしないことは分かるがな」

「どうして、そんなに嬉しそうなんですか」

 ニヤリと口角を上げた漸にこんな状況だがドン引きした小春であったが首を降り振り払って思考を戻す。


「皆さん、落ち着いてください。今から職員室に行って状況を確認してきます!」

 珍しく動揺を露にした桜庭を見て生徒たちにいっそうの不安を積もらせる。


「俺たちどうなるんだ?」

「さっきのって爆発音よね……」

「やっべぇ、膝が笑ってるぅ……」




 口々に生徒は不安をはく。

 

 数分後……。




「生徒の皆さん、至急体育館へ避難してください」


 イケメンボイスが学校中に響く。

 その声の正体は桜庭だ。

 生徒は一目散に教室から出ていく。


「バッカ‼ 押すな!」

「遅いんだよ」

「前、何してるんだよ!」

「皆、落ち着け!」

「うるさいな、小林。皆、自分が一番なんだよ」






 思いやりも引ったくれもない言葉がたった一人教室に残っている小春の耳に届いた。



「……出来るかな」

「頑張れ! 救世主!」

「漸さん……今、それはないです」

























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