修学旅行の騒ぎ
紅葉が綺麗に色ずく今日この頃。
忙しく足を動かす人々を横目に、修学旅行の中学生の団体がいた。都会ではよくあることなので、あまり気にする人はいない。
中学生は女子は紺色で白いラインが入り白いスカーフのセーラー服。男子は黒い学ラン。どこにでもある制服だった。
都会に修学旅行なので、地方の中学生だろう。人数は80人くらいだ。
中学生は列の先頭に立つ淡いブルーの上着を着た女性のバスガイドに案内されていた。そのバスガイドは整った顔立ちをしていた。なので、必然的に男子生徒に絡まれて困った表情をしていた。
そして、男子からの支持率は言わなくても高いが、女子からの支持率は低い。なぜかというと年頃の女の子だからだ。女子から見れば、いつもうるさい男子だけどここまで女性のバスガイドに媚売ってると嫉妬するのである。これは好きとか嫌いとかそんな範疇ではない。
女子の態度にそれは表れている。バスでは後ろの座席を女子で固めて寝るというささやかな反抗。しかしそれは、さまざまなスポットを紹介するのが役目であるガイドという職である。それを寝て妨害されるとなかなかきついものである。男子生徒は起きてきちんと聞いてるのだが、複雑である。
女子が全員ふてくされた態度をとるわけではなく、素直にバスガイドを褒めたりしていて……しかし、女子の圧には勝てないようでその仲間に入ってしまうが。
「はい、次の見学場所はこちらの博物館です。」
博物館らしく、洋風の白い建物に一部はガラス張りという少し近未来間があったが、古い看板から歴史を感じさせた。
「こちらは、日本の歴史博物館なので、古い甲冑やお金など在ります。見学時間は一時間半です。まず館長の話があります。早速入りましょう。」
中学生は博物館に入って待ち受けたのは
「皆さん、こんにちはー! 」
テンションの高い70代のおじいさん。このおじいさんは見るからに話好きそうだった。察しのいい生徒は眉を寄せた。
「この博物館は、焼け野はらになったここの地にも打ち勝ち全国でも珍しいお金や巻物があり…………そして二階には…………という物があり……」
「「「長い……」」」
生徒の心は一つに……!
博物館のスタッフであろう40代の女性が「館長……そろそろ……」と言ってくれたものの「あぁ、わかってるさ、あと少しなんだ」といい放ちかれこれ15分経っている。
「博物館の二階には…………というものがあり……」
(((さっき聞いたよ))))
2回同じ話を聞かされても、イライラが募るだけである。生徒たちはヒソヒソと話始めた。その内容は館長に対する批判の嵐。
「さっさと終われば、くそジジィ」
「長すぎる……。」
「尻が痛い……腰も痛い。部活に影響したら慰謝料とってやるぅ!」
生徒は床に体操座りなので、お尻と腰に大ダメージ。
流石に、先生たちも長いと感じとり
「あの、生徒たちを案内してもらっても……」
「あぁ、そうですね。では皆さんってあぁ長旅で疲れてらっしゃるのですね。博物館をゆっくり堪能してください。」
(((誰のせいだよ! ))))
結局30分もの間話続けた。
「分からないことや疑問に思ったこと、興味をもったこと何でもいいので聞いてくださいね? 」
(((ぜってぇ聞かねぇ)))
またまた、生徒の心は一つに……!
生徒はどうやら館長に近づかないことを決めたらしく、思い思いに博物館を見ていた。
時より
「我は二千年後からの侵略者! ダークネクサスだ! この星を制圧し我はこの世界の神となるっ!! 」
兜を見て興奮したのか中二病ぶりを公の場で披露した生徒が何名か居たが生徒は楽しそうであった。
次回主人公出ます。
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