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想いは変わらない

 町中にて。


 あれから数年がたち、十二歳に鈴音になっていた。

 暇さえあれば鍛冶屋に通い、頼んだが全然取り合ってはくれない。

 何度も考えるのだ。自分に何ができるのかを。鈴音の強さを考える。

 そんなときだった。

「てめぇ、また汚い面を見せやがったな!」

「っ……」

 まただ。またあの時の男の子を苛めているのだった。男の子は少し背が伸びていた。しかし、鈴音より低かった。周りは自然と場所を開け自分は知らんとばかりに目を背け、中には化け物を見ているような冷たい目を向けていて、好奇の目を向けている不謹慎の眼差しもあった。

 一方的に暴力を受け続ける男の子。一方的に暴力を振るう男。思わず口元を押さえる。男が男の子の胸ぐらを掴みボールを蹴るかのように扱った。

「っ!」

 (酷い!)

 鈴音は人々をかき分ける。人々はぎょっとしたような目を向けているがそれどころじゃなかった。今のは、駄目だ。それじゃなくても駄目が酷すぎた。鈴音の正義感を刺激した。

「何やってるのです‼」

 男と暴力を受けた男の子の間に入り、男の子を守るように両手を一杯に広げた。「何だガキ。邪魔だ」

 その感情の籠ってない声に思わず足がすくむ。後ろを見るとかなり苦しそうな表情をしていた。

「酷すぎます!」

「そいつに人間としての価値はねぇんだよ」

「人間としての生まれてるんです‼ 貴方が価値をつけるのは間違ってます!」

「あぁん? 口だけは達者だな。そこまでにしてほうがいいんじゃないかガキ」

「そこまでにするのはあなたです‼」

「ガキごときが」

「ガキごとき? ガキごときに何ムキになってるんですか。大人なら冷静さを持ち合わせたほうがいいのです」

「殺すぞ」

 ドクドクと跳ね上がる……勿論恐怖心で。

 背中は冷や汗をかいている。

「公の場で殺すのですか? 確実に殺人罪で逮捕されるのです。貴方はここの町ですっかり有名人なのです」

 嫌み全開で言ってみる。男は舌打ちをしついでににらみをもらったがどこかへ行った。

「大丈夫? 立てるですか? ここは人目があるので場所を移すのです」

 男の子の脇に手を入れて支えながら立ち上がらせた。表情はさっきより和らいだようだが苦しそうだ。大の大人から手加減されず暴力を受けたのだ。しょうがなかった。

 道の脇に入り腰を下ろした。

 男の子の腕や足には痛々しい内出血が複数あった。視線に気づいたのか袖を下げた。

「ごめんなさい。見るつもりはなかったのです」

「いや、いい。さっきは助かった。女なのに守られて情けない」

 長めの黒髪、白く細い腕小柄な身長。それは珍しいことではないがかわいそう……そう同情した。

「そんなことはないです……それより庇ったことで貴方への仕打ちが酷くなるかもしれません。迷惑になったかもです」

「いつものことだ。気にしないでくれ。今日はありがとう。もう行かないと」

「体キツそうです」

 大丈夫だとそれだけ言って人の渦に入っていった。

 鈴音はぎゅっと拳を握り

「やっぱり……力がいる」

 鈴音は走った。

 

「孝文さん! 刀を一本お願いいたします!」

 急に引き戸を引くなり大声で言われ唖然としている孝文。

「私は強くなります! 孝文さんの力を貸してほしいのです」

 深々と頭を下げた。

「何のためだ?」

「世のためです」

 孝文は無表情だった顔に変化があった。

 弧を描くように口もちが持ち上がった。


「いいだろう」

 パッと鈴音は顔を上げ鍛冶屋に

「ありがとうございます」

 希望の声が響いた。 

しばらくの間、投稿の頻度が落ちるかもしれません。

なるべく、投稿しますのでこの作品をお願いいたします。

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