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ピンクの少女

少し長いです。

やっと主人公ちょっぴり出ます。

 ライブハウスにて。


 五人の男たちは黒いTシャツにびっしょりと汗をかいていた。Tシャツの襟を仰ぎながら、一人の細身の二十代の男が言った。

「リーダー、もういいスッか?」

「宮塚少し待て。外は恐らく……いや間違いなく警察がいる」

 リーダーと呼ばれたごりマッチョの男は銃を抱えながら唸る。

「リーダーどうやって逃げるんですか?」

 鼻ピアスをした色黒の男。

「リーダーを急かすんじゃないよ、櫻木」

 眼鏡をかけている男が、櫻木を睨み付けた。

「鈴木先輩ご……ごめんなさい」

「よろしい。っでリーダーどうするの? 俺達はリーダーについてく」

「お前ら……すまない。いや、ありがとう。年少のお前はどうする、山田? お前の意見が聞きたい」

 あどけなさが残る少し茶髪が目立つ少年は、頬を掻きながら、

「おっ俺は師匠に全部で委ねるって決めたんで、師匠がなんと言おうと俺は師匠たちにのため頑張るだけです!」

「山田君、立派っすねぇ。とても未成年とは思わないっす」

「宮塚、君は子供過ぎです。ですが、俺も山田は立派だと思います。山田、今からでも間に合います。人生を俺たちの私情で棒に振らなくてもいいんですよ?」

「大丈夫です、鈴木さん!」

「分かった、俺も地下倉庫から逃げるぞ。」

「「「「はい! (っす)」」」」

「それは、許されないです。私が言うのもなんですが……」





 男たちがひとつになった瞬間、タイミングよく少女と思われる声が男たちの耳に届いた。

「中学生か? 殺されたくなければ、さっさとどけっ」

 少女は、桜色の唇を震わせ、ふふっと笑った。少し、目を細目ながら

「何人も殺しておいてそれはないですよ、テロリストですか? 」

 ショートボブより少し長いの綺麗な黒髪を顔傾げながら揺らした。

「違いますよ、お嬢ちゃん」

「テロリストじゃないっす」

「やってることあんまり変わらないですけどね……もういいですか?」

 少女は、目を閉じて何やら呟く。男たちはなんだこいつっと思いながら少女を見た。すると、男たちは目を見開くほど仰天した。

「かっ髪が……色が……」

 ピンクに染まったのだ。フワッと髪が一瞬なびいたと思ったら、ピンクに一瞬で染まったのだ。手には、刃渡り1㍍の刀らしきものが握られていた。

「なんだ!?」

 五人はただ驚きの色を隠せない。

「あぁ、ビックリしました? 私もビックリしたんですよ? 流石に慣れたけど」

 五人は、はっとし銃を構えたが

「あっあれ?」

「リーダー、銃が壊れてます! 」

「全員の銃が同時に壊れるわけないだろうが! 」

「この通り」

 櫻木が引き金を引くが、弾はでない。

「弾は入ってるか!」

「入ってます」

「入ってるっす」

 リーダーは中学生を鋭い眼光で睨み付け

「何をしたんだ?」

 少女は、薄く微笑むだけで。代わりに返ってきたのは

「やっぱり、ライブハウスって薄暗いね」

 意味のない返事がとも言えないものが返ってきた。

 しびれを切らしたリーダーは、

「ふざけてんのか! 殺すぞ!」

「ほほう、どうやって?」

 少女は、興味深そうに聞いた。まるで、火に油を注ぐように……。

「こうやってだ!」

 素手で少女に飛びかかり、白く陶器のような肌を殴ろうとしたが、呆気なく一歩移動してかわされた。勢い余って代わりにピカピカに磨かれた床を殴った。

「残念。可哀想だね……いや哀れです」

 その通りである。

「リーダー!」

「師匠!」

 一斉に呼びかけるがリーダーは拳の痛みに悶えていた。

「ぐおぉおぉ……」

「はーい、楽にしてあげますから。チョッキン?」

 刀を男の心臓めがけ横に斬った。しかし、血はでない。外傷もないようだ。

「えっ」

 五人は理解が追いつけてない。刃は見ていても殺傷力がありそうで鈍く光り輝いているはずだった。自分達の目の節穴か? と自分達を疑ったがやはり斬れていない。確かに、斬ったはずだった。

 少女は、空気を読んだのか

「あぁ、大丈夫です。ちゃんと……」

「あっ」

 小さな声をあげたのは、斬られたはずだったリーダーだった。コトンと頭を床にぶつけ動かなくなった。

「ほらね?」

 五人から四人になった男たちは、ただただ呆然とするしかない。

「じゃぁ、次ですね」

 四人はとっさに逃げようとして体を動かしたが呆気なく終わる。

「はいっと」

 一瞬にして、四人は倒れた。

 すると

「一人残しとくんじゃなかったのか? 」

「あぁ、そう言えば……忘れてました。勢い任せはダメだめですね。気づいてたら教えてくれればいいのに」

「今度からはそうするよ」

「お願いします」

「さぁ、帰ろう」

 周りからは少女は独り言のように聞こえていたであろう。幸いにも周りは死んでるか、失神していた。




「これは……」

「またですね」

「報告書が……」

「めんどくさい」

「同じく」

「少女侍か……さぁ仕事に取りかかれ」

「了解」

 突撃が許可された時にはこの事件の原因と思われる男たちは死んでいた。原因は不信死だ。外傷も何もないのに死んでいる……ここ一年で増える案件だ。共通点は罪を犯したもの……それだけだ。

「はぁ」

 と深くため息をついた特殊部隊隊長だった。



 

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