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敵の存在

読んでくださりありがとうございます

 小春の部屋にて。


 小春の部屋は簡単に言うと、白、茶色、黄緑しかない。黄緑は絨毯だけで、茶色はデスクと棚。白は主にベッド。味気がない部屋と言えばそれだけだ。

 小春は白いふわふわとしたクッションを抱きながら、窓辺に座り暗くても分かるチラチラと降る雪を眺めている漸を見ていた。

「なんだ、さっきから」

 後ろに目があるのかと一瞬疑う小春。

「えっと……」

 聞きたいことがある……が聞いて良いのか分からない。正確にはこれ以上知るのが怖いのだ。

「漸さんは……何と言ったらいいのか……えっと」

 漸はなかなか用件を言わない小春に目を細めた。

「早く言えよ」

「漸さんは前に固有スキルって言いましたよね? ということは漸さんみたいな存在から力を貰ったーー契約をした人が居るってことですよね? 私の深読みでなかったら」

 本当は漸という存在は世の一般的ではなんなのか、明確な答えが欲しかったが何となく聞きにくい感じがした小春は、遠回しに聞いた。

 この質問も聞きたいことの一つであるが。

「そうだな……俺が今まで見てきたのは二人。」

「それって、漸さんが知らないだけで不特定多数の人が居るってことでいいですか」

「あぁ、そう考えてもらっても構わない」

「……二人」

「何百年前の話だ。今、そいつらが契約してるかは分からない。」

「そうですか……何百年前の話ですか……」

 人間にとって未知の世界だ。

 小春はこの人実際何歳なんだとまた疑問が浮かんだがここは伏せる。

「ただ言えることは、契約してたらほぼ間違いなく小春の敵になる」

 その話を聞いて青ざめた小春は

「待ってください! なんだかスケールが大きくなっている気がするのは私だけですか‼」

 漸は不敵に口角をあげて

「楽しみだな」

「全然楽しみではありません! そうなればヤバイじゃないですか……終わりじゃないですか……私、目立ちまくりです」

「安心しろ。あくまでも可能性の話だ。気にする必要はない。まぁ、そうなっても“騒がしいものを斬る”小春の野望通り。」

「あれは、死の境地に立ってからであって今は少なくとも思っていないはずです」  

「怪しいな」

「なっ……もうどうにでもなれです」

「小春ちゃんどうしたの? 何かあったの?」

 とドア越しに聞こえるおばさん声にビクッと肩を震わせ

「なっ何でもありません! おやすみなさい!」

 動揺しまくりの声で返事をし、もういい時間なので寝ることにする。

「身の危険を感じる……」

 ポツリと呟いた言葉を漸は危機逃さなかった。

「じゃ、小春。危ないから学校について行っていいよな?」

「……行きたいだけじゃないですか」

 疑うような視線を漸に向けた。

「いいや、今言ったことはホントだ」

「うんって言ってくれたらどんなに楽か」

「いずれ話さないとな……と思ってたけどスッカリと抜け落ちていてな」

「もっと早く言ってください。出来れば事を起こす前に……」

「ごめんごめん……で?」

「適当ですね……学校についていくのは許可します」

 とため息をついた。

「怒るなよ」

「怒ってませんよ……これは諦めと呆れです。漸さん言葉に古さが感じられませんね」

「この俺を何だと思っている」

「……おやすみ」

「むっ無視!」


もうすく二十話ですね。

小春をこれからも見守ってやってください。

話はまだまだ続きそうです。

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