WORLDWIDE I
僕たちは、どうしてこれまでの世界を誇れていたのだろう。
脆弱で貧弱で、
矮小で歪曲で、
希少で貴重で、
確からしさなんてなくて、
危ぶまれることばかりで、
罷り通ることもなくて、
任せられることもなくて、
毎日君が好きで、
毎日君が嫌いで、
毎日君を愛して、
毎日君を憎んだ。
輝かしいばかりの世界。
愚かしいばかりの世界。
そこそこ最悪で、
まあまあ最高な、
君との日々を思い出す。
手に入らないものばかりを追いかけたけど、
誰よりも生きていた。
胸を張って挑めたのに、
怯むことなく叫べたのに。
夕日に伸びる影が一つ減っただけで、
僕はすっかり死んでいる。
死んだように死んでいて、
滅びたように滅んでいて、
つまり、
だから、
世界の本当の冷たさを、
麻痺するまで、
弛緩するまで、
感じなければいけなくて。