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ピンクのレモネード
僕の、二つ年上の彼女は、
『ピンクのレモネード』
みんな彼女の事をそう呼ぶ。
不思議に冷たい彼女。
でも、僕だけには優しい彼女。
「このポマードの香り、好き!」
と言いながら、
彼女はいつも僕の長髪を、
リーゼントにしてくれる。
彼女に恋心を抱く先輩は、
僕によく言ってくる。
「あのオンナは、止めとけ。」
だから、仲間たちには内緒。
ダンスパーティーに彼女を誘って、
ジルバを踊った。
仲間たちの前で。
もちろん、先輩の前で。
気に入らない表情の先輩は怖いけど、
今夜から、ピンクのレモネードは、
僕だけのもの。




