聖女は美肌が基本です
もう、手遅れとかいうこわいワードをエクセルから頂きましたが、なんだかんだ、相変わらず、ほぼ毎日『聖女の癒し』をエクセルには施しております。
一瞬、常習性というか依存性があるのか?とビビッたけど、わたしが自分にもかけていて特にそういったことはないので、問題ないだろうとは思いつつ、念のため、「手遅れ」というのがどういう意味なのかをこわごわ本人に確認したら、確かに身体は楽になるがそれよりリラックスタイムがなくなるのが捨てがたい的な返答でした。
……なら、いいか。
しつこいけど、「麻薬的な意味で継続したいってことはないよね?」と確認すると、めちゃくちゃ焦って否定して、「癒しの時間が惜しいだけです」と主張していました。
とまぁ、依存じゃないなら問題ないので、エクセルへの癒しは変わらず日々のルーティンとしております。
『聖女の癒し』で少しでも癒やされるのなら、こちらとしても否ではない。氷の貴公子さまにあんな顔はさせられませんよ。
でも、「最初の言い方は意味がよくわからないからわかるように言って!」と言ったら、「自分でもなぜそう言ったのかが分かりません…」と凹んでおりました。
いや、そこまで凹まなくていいんだけどね。軽く言ったんだけど、刺さっちゃったみたいで、ごめん。
そうそう、わたし、自分にも『聖女の癒し』をかけておりますの。
はじめは教わった浄化のひとつとして復習のためにやったのよ。そうしたら、なんと超絶美肌になりました。ありがたい。おかげでお肌も髪もツヤッツヤです。
あ、特にエクセルは超絶美肌になっている気配はありません。もともとあの人、お顔もお肌もきれいですけどね。聖女だから効きがいいのかしら?男女の違いなのかしら?仕事量の違いなのかしら?
人によって効くところが違うのか、正直なところ、どこかしら効いていればいいや。もう、そこら辺はどうでもいいので、深堀りはしません。
メリーさんにも『聖女の癒し』をやると伝えたところ、丁重に辞退されました。
万が一、二人して超美肌になったら、絶対に美容しろとの王妃さまを頂点に貴族のご婦人方からの要望が殺到してめんどくさくなると。確かに。いわれてもやらないけどね。
それは、ちょっと聖女の力を使うことじゃないでしょ。わたしの身近の人たちには福利厚生のひとつだからやるけどさ。
メリーさんからは、どうしてもお肌の調子が悪かったらお願いしますって言われました。
なんか男前だよね。いや、エクセルが…とかいう他意はないですよ。エクセルはワーカホリックだし、きっとストレスフルな毎日のため、癒しが必要なんでしょう。
あれ?わたしのせいじゃないよね?
……お仕事、頑張ってください。
しかし、これだってさ、最初は神殿でいろいろうるさいこといわれたのでしたよ。
聖女になるために浄化とかなんだかんだを神殿で教わってた時、『聖女の癒し』の復習を自分にやって、超美肌になったらさ、翌朝、神官のチェックが入ったんですよ。なつかしいなぁ。
「聖女が自分の見栄のために、聖女の力を使うものではありません」だって。
えっらそうに。わたしはちょうどシャーシャー時期だったので、「はぁぁ〜??」と喧嘩腰だったのは、今考えるとちょっと申し訳なかった。
でもさ、こっちは勝手に聖女にさせられて、それなのに復習してたまたま恩恵を受けたわけじゃない。それを、自分の見栄だと!?そんな事言われる筋合いないわ!って思って、怒涛のように反論したなぁ。いや〜、全然聖女じゃなかった。別に聖女じゃないから当たり前なんだけど。
「あのですね、わたし、昨日教わった『聖女の癒し』を復習してこうなったんです。それにもしきれいになりたくてやったとしてもいいじゃないですか?これ、一分もかかってないですよ。だいたい、美肌になって、何が悪いんですか?あなたはニキビだらけ、目の下クマ、肌が粉を吹いていて、唇カッサカサの土気色の聖女とお肌ツヤツヤ、健康そうで薔薇色のほほの聖女がいて、浄化をするっていわれて、どちらにやってもらいたい?ええ?言ってみて下さいよ。あなたの理論でいけば、不健康な聖女の方がいいってことだよねぇ?まぁ、それは人それぞれでしょうね。はい。それは認めますよ。でもさ、大体健康な聖女の方が浄化力強いんじゃないんですか?そんなことないですか?それとも、聖女は健康でいちゃダメで、消耗して消耗して息も絶え絶えで仕事しないといけないの?ねぇ。世の中の人は疲労困憊の聖女と元気な聖女、どっちの聖女に浄化してもらいたいと思う?第一、聖女が不健康で浄化出来る状態じゃなくなったらどうするの?ほら、あなたのご意見、教えてくれませんかね」
一気に言った。我ながら、追い込んだ。逃げ道全部潰したからね。
神官さん、挙動不審に陥って、思いっきり頭下げて逃げていった。
まぁ、シャーシャー時期だったからね。しょうがない。
まぁ、そんなことがあったせいで、それからなかなか教師が決まらなくって、ヒマになり、最終的に神官長に教わることになりました。
おかげで神官長ととっても仲良しになったので、終わり良ければ全て良し、としております。
え?言い負かした神官さん?
わたしのシャーシャー期が抜けてから、「あの時は勉強になりました」と言われました。
ははは。ちゃんと時期をみて話しかけてきた。わかってるね、とおかしくってお互いに笑っちゃった。
一度奈落に落ちたら、後はもう上がるしかない。
だから、今はちゃんと、笑顔で挨拶をするよ。見かけたら手も振るし、向こうも笑顔で挨拶してくれる。
ほら、お互いに大人ですから〜。
でも、また同じことを言われたら同じこと言うけどね。




