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ゲブラさんのふんわり思索シリーズ

「噂をすれば、影」のメカニズム考

作者: エンゲブラ

「噂をすれば、影」

「胸騒ぎがする」

「虫の声を聞いた」


なにか事が起る直前に、あるいは別の場所にいながら「何らかのシグナル」を受け取る、この現象。ここにはいったい「どのようなメカニズム」が関与しているのであろうか。


単なる偶然、確率論で片付けるのは、つまらない上に「思考停止」ともいえる。たとえ、それが的外れな妄想であろうとも、「それについて考える」という行為自体が、人間としての楽しみというもの。


何年も会っていない旧友のことを不意に思い出し、「今どうしてるのかな?」と考えた翌日には、街で偶然、再会する。本来、物理的にも大きく離れた場所にいるはずの男と、地元でもない場所で、同時に「えっ!」となり、思わず声をかけ合う。


「なんで、大阪におんねん」

「出張で来てんねんけど、お前こそ何で、こんなとこにおんねん」


これを「たまたま」と処理する場合、「こういった再会」の仕方をする確率は、いったい何%くらいあるのだろうか。しかも、こういった再会の仕方をする時期には、「似たようなこと」が連続で起きるから不思議だ。


―― で、ここから少しスピった話の展開を行う場合、「運命論」や、最近流行りの「引き寄せ」などの話が出てくるわけだが、これにも少し飽きてきた。筆者がこれまでに、友人・知人間で提唱してきた説は「無意識のバックグラウンド演算=ラプラスの悪魔化」なわけであるが、今回はまた別のアングルで妄想してみよう。


ふと思い浮かんだのは「時間の矢」の話。

通常は「未来からのメッセージ」という概念が持ち出されるケースだが、筆者的には「未来の残滓ざんし」なんて説を考えてみたい。


通常、時間の流れは、過去→現在→未来へと一方通行と考えられる。しかしながら、計算上では「時間の逆行」も数式化できてしまう。いわゆる「時間反転対称性」というやつで、これが「タイムスリップ」やら何やらのSFなどを書く際にも、基盤となっている考え方。


だけど、今回は「未来の残滓」だ。

筆者的には、時間という概念そのものが「人間の知覚・認識の方向性」によって支えられており、「過去・現在・未来は、絶え間なく流動するひとつ塊」として存在している、というワカメな空論を提唱してみたいと思う。なので「量子もつれ」の現象は、何も「同一の時間平面上」に限らず、「時空を超えて関与し合う」という空想が組み上がる。


「残滓」という表現をとってはいるが、「未来における再会」が確定した時点で、未来にとっては過去でもある「現在の我々」の行動プログラムも確定し、ひと塊のユニットの状態が確定する、といった具合だ―― おそらく、この話についてきてくれている読者は、ほぼ存在しないだろう。これはこの文章を書き始めた時点ですでに確定していることでもあるからだ。


では、なぜこのようなことが「何のために」起こるのか?

人生というものをひとつの物語化する場合、無限に広がりつつある「パラレルワールドの収束」という案が思い浮かぶ。様々な地点で分岐する世界を「再統合するための収束」現象。個人が持つ「データ量」として、再現のないパラレルの構築は「管理者側」にとっては非常にやっかいでもある。だからある程度は、データカットできる世界線、潰せる世界線を作り出すための「プログラム」なのではないか、と。


多くの人間には「忘却」と「過去の記憶改ざん」という装置が搭載されている。これは過去の記憶を正確に保持したまま、未来に関与してしまうと「書き換えのループ」現象が膨大となり過ぎるため、故意に忘れる装置が働く。過去の記憶の改ざんも、不可解に変化してしまった現在に対する「違和感の解消」として、働いているという可能性だってある。この「空論上」においては。


「想像しうることは、起こり得る」


筆者の空論に「論理的破綻」が少ない場合、これは起こり得ない現象とも言えない。そもそも、全員が全員に「同一の物理法則」が働いているとも限らない。そして「個」だと思い込んでいる我々の思考にしても、ひとつの大きな意識の中のひとつのシグナル程度に過ぎないということだってあり得る。マンデルブロ集合(=フラクタル構造を持つ集合体)としての人類というわけである(どういうわけだ)。

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