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47話 動き出す不穏な影

 


 ???「危、最近の世界はあまりにも平和になりすぎています。」


 西の大陸と東の大陸の狭間には、七大国の王都の広さに匹敵する規模の塔がある。

 その塔は現在の世界から比べて、あまりにも異質かつ未来的なデザインに加え、先進技術も兼ね備えられている。


 見る者全てが圧巻されることは間違いないのだが、そんな建物をいまだかつて認識できたものはいない。


 ずっと前からそこにある。

 否、最初からその塔は存在している。


 しかし、塔の近くを通るものは、誰一人そこに塔があるなんて把握することができず通り過ぎていた。


 そんな塔のなかは、上と下がなければ、暑いも寒いもない、光もなければ闇もない無の空間が広がっている。


 もし、生物がこの世界に迷い込むことがあれば、一切の自覚がなく、自分自身が無の存在へとなり果てることになるだろう。


 それほど、塔の中は、生きるには適さない場所である。


 ???「予、このままでは、この世界の衰退を意味します。」


 しかし、だれも存在することができないはずの空間で、無機質な声だけであるが静かに響いていた。


 ???「決、少しだけ淀みを加えることにしましょう。」


 ???「理、全ては才能のため、この世界エンチャリオンのため」


 世界を混乱へと招く決定が下されたことを、この時はまだだれも知らない。




 ~ロップ視点~


 合格発表から1週間がたち、いよいよ入学式兼、初回授業の日を迎えた。


 入学式は始業式も兼ねているらしく、学院の生徒全員が集まっていた。

 魔法学院は16歳から入学可能な4年制の学校なので、だいたい1000人弱の生徒がいるということになる。


 そう考えると少ないような気がするが、国を代表するであろう金の卵が集まる学院なのだから少数精鋭ということなのだろう。


 孤児として育ったおれが、こんなに設備が整った所で学生生活を送ることができるなんて人生何が起こるのかわからねぇもんだなぁ…


 なんて、考えていたら入学式兼、始業式は終了した。


 次はそれぞれの教室で、担任との顔合わせがあるため、Sクラスの教室へ向かう。


 歩いている途中、セレスが話しかけてきた。


「ねぇねぇ、ロップ」「ん?なんだよ?」


 セレスがニヤニヤした表情で話しを続けた。


「ここの学院の女の子達ってかわいい子多いね、ロップは鼻伸ばしたり浮かれたりしなかったの??」


 突然どうした?

 よくわからないことを聞いてきたな。


 セレスがこんなことを聞いてくるなんて珍しい、普段どんな人がタイプとか色恋沙汰の話しはしないからな。


 でも、鼻を伸ばしたり、浮かれたりか…

 確かに、見た目が整っている人は多かったし、それを含めて学生生活は楽しみなことは間違いない。


「でも、セレスがいるからな…」

「えっ?」


「いや、今まで出会ってきた人のなかでセレスが断トツで綺麗だからな。ほかの人を見て可愛いと思う事はあるけれども、必要以上にテンションは上がることはないな」

「・・・・・・」


 あれ?おれめちゃくちゃ恥ずかしいこと言ってない?

 自分のキャラに合わないことをいって吐きそう


 おれがキモイことを言ってから、セレスはパチリッと大きな瞳を見開いた状態でこちらを見続けていた。


 …なにか言ってくれよう( ˘•ω•˘ )

 そう思っていると突然セレスがおれの腕に抱き着いてきた。


「あの、いきなりくっつかれると歩きづらいって、いつも言ってるんですけど」

「~♪」


 セレスが鼻歌を交えながらいつものモードに入ってしまった。

 離すのはむりだと諦めたおれは、同世代よりも育っている2つの膨らみを感じながらそのまま歩くことにした。


「今日も2人はラブラブだ!」「バカップルだ!」


 教室へ向かっていると、双子のマデリンとエヴァリンがおれたちの恰好を真似しながら話しかけてきた。


「この恰好に深い意味はないから気にしないでくれ」


「おはよう2人とも!こんなのまだまだ序の口だから!」


 セレスさんや、身に覚えがないことを言わないでおくれ。

 双子も交えて会話をしていたら教室についたので中へ入った。


 どうやらおれたちが最後だったようで、他の生徒は席についていた。

 おれたち4人も空いている席に座った。


 うーむ、お互いどう接したらいいのかわからないといったぎこちない雰囲気がなんとも言えない。


 だれか先陣をきってギャグでもいいからかましてくれーという思いが届いたのか、前列に座っていた男が立ちあがりまとめ始めた。


「ははっ!まさか留学生全員とテーゼ魔導国出身5人の30名というクラス構成になるとはね!なんとも素敵なクラスじゃないか?全員で仲良くしていきたいよね☆」


 その男は碧と赤のオッドアイが特徴のキザなイケメンだった。

 だれでもいいと思ったのはおれだが、なんか見ているだけで腹が立つしゃべり方と風貌だな。


「ぼくの名前はヴォルスキー・ゴーン。ここテーゼ魔導国出身で第一王子さ☆

 みんなよろしくしてくれたまえ」


 そういいながら決めポーズ+ウインクをした。

 あっ、おれコイツだめかもしれない。一種のアレルギーだ。


 ていうかこいつ、王子だったのか。こいつが未来の王って未来の魔導国大丈夫か?


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