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45話 プラチナランク2人の関係性

 オリエンテーションはストロフ会長の祝辞?と学院の簡単な説明だけだったので午前の内に終了した。話を聞く限り、本当に毎日どこかしらで決闘が行われているらしい。


「本当、脳キンだよな」「でも勉強だけの学校より楽しそうだとおもわない?」


 ここまで野蛮な学院だとは思わなかったけれども、おれからすれば逆に助かったものだ。


 魔法の実技テストでは間違いなく、最低点だろうけれども、決闘を繰り返しやっていけば悪いようにはならない。


 リューミア魔法学院では生徒それぞれがポイントを保持することになっている。


 筆記テストや魔法関連の実技テスト、あるいは学院で開催されるイベントなどの結果によりポイントが授与される。


 そのポイントの量で1学期の末に、上位クラスへの入れ替え戦に挑戦ができる。

 逆に、クラスのなかでポイントを持っている順位がしたにいると、入れ替え戦を受けなければならない。

 負けてしまったら下位のクラスへ変動するということだ。


 ただそれだけだと、ポイントを稼ぐ機会が足りない。

 そこで採用されているのが決闘という事だ。


 生徒には毎月、決闘を申し込む権利が5回授与される。

 決闘を申し込まれた側は半強制的に応じないといけないルールらしい。


 決闘で勝てば、負かした生徒からポイントを奪うことができるため、決闘はポイントを稼ぐためには重要なシステムとなるわけだ。


 もちろん、上位のクラスのやつが下位のクラスのやつに決闘を挑んで勝っても、得られるポイントは少ないといった配慮がなされている。


 逆に、下位クラスの生徒が上位クラスの生徒に勝つことができれば、大きくポイント得ることができるため一発逆転のチャンスとなる。


「おれがSクラスに居続けるためには、決闘のシステムをうまく活用する必要があるな…」



 門を通り屋敷へ帰ろうと歩いていたら、騒々しいやりとりが聞こえてきた。


「納得できないね!ぼくちんがAクラスで君みたいなのがSクラスだなんて!」


 どうやら正門前で、1人の男が3人組に向かって何やら絡んでいるらしい。


「…失せな、今すぐ俺様の視界から」

「なんですかあなたは!?」

「ジャック様に対してなんて失礼なやつでやんす!」


 3人組の方は、オリエンテーション時におれたちと同じ列にいたから、おそらくSクラスなんだろう。


「はんっ!1人じゃ何もできないから3人で固まっているんだろ??」

 緑髪の男が挑発する笑みを浮かべた。


「…てめぇは一体何を言ってるんだ、どかねぇなら殺すぞ」

 そういい、3人組のリーダー格と思われる男の手に魔力が集結していった。


「そっちがその気ならこの場でけちょんけちょんにして、早速Sクラスの座をぼくちんに渡してもらおうかね!?」待ってましたと言わんばかりに、3人組に絡んだ男も魔法を繰り出そうとしていた。


「ちょっとロップ、あれはさすがにまずいんじゃないかね?」セレスは止めたほうがいいのでは?という表情をおれに向けていた。


「確かにな、でもおれたちが止める義理なんてないだろ?」どうせこれから、闘いの日々が続くわけだ。それが少しだけ早く行われるだけだ。


 そして、2人は息を合わせるかのように、同時に魔法が放たれようとしていた。


「言ってなかったが、正式な決闘以外での私闘は校則違反なんだ」「「!!!」」


 突如、2人の間に男が現れ、それと同時に裂かれたような後を残しながら、2人の魔法は消失した。


「なっ!?」「・・・」両者とも自分の魔法が消されたことにより困惑の表情を浮かべていた。動きが速すぎて、ほんのわずかしか目でとらえることができなかった。


「やる気があるのは立派なもんだがよ、一応こんな学院でもルールってのがあんだわ」ひと騒動起きようとしていた状況を一瞬で収めた人物、それはさきほど祝辞を述べていたストロフ会長だった。


「まだ入学式を終えていないから、今回はお咎めなしにしてやるが…これ以上やるっていうんだったらおれが相手になるぜ?」


 ゾクッと、ストロフ会長の凄まじい威圧が2人を襲う。


「ひぇっ!!」「っ・・・」ストロフ会長の介入により両名とも矛を収めた。


 3人組に絡んでいた男は逃げるかのようにその場から立ち去った。


 3人組のリーダー格の男は、ストロフ会長とすれ違いざまに「俺様の重力であんたを地べたに這いずらしてやる」という台詞を吐き、2人を連れ正門へ通っていった。


「さっきも思ったけどストロフさん凄いね」

「あぁ、戦闘力でいえばマグナのおっさんにも負けないんじゃないか?」


「あぁん?マグナだと…」


 ストロフ会長はおれたちの話しに反応し、こちらへ体を向けた。


「おい、そこのお前。いまマグナって言っていたけれども、そのマグナって相撲取りのことを言ってるのか?」


 ストロフ会長はこちらに話しかけていた。マグナのおっさんと知り合いなのか?


「えぇ、この前の戦争でたまたまランブール領に滞在していたマグナさんのパーティーにも町を守って頂いたんです。」

 ストロフ会長の問いにセレスが答えた。


「てことはお前らがアルカディア皇国から留学してきた、バルオ・ロップとランブール・セレスか。

 一応留学者の基本情報は生徒会でも共有されているから知ってんぞ。

 つう事は、マグナは今アルカディア皇国にいるのか?」


「しばらくは滞在するといってましたが…ストロフ会長はマグナのおっさんとどういう関係で?」おれは気になったので聞いてみた。


「あぁん?…まあ一言でいえばライバルだな、つってもおれが一方的にそう言っているだけだが。

 マグナのパーティーが一時期リューミアに滞在していた時、たまたま魔物を狩っている姿を見たんだが、その時に圧倒的な惚れてしまってな。

 そっから、目指すべき存在として認定しているというわけだ。」


 なるほど、マグナのおっさんのパーティーは気ままに各地へ転々と旅をするタイプだからな。

 テーゼ魔導国の王都に滞在していたとしても不思議ではない。


「あとちゃんこ鍋が最高にうまい!

 それを食べるためにわざわざ月に一度、マグナがいる国に飛んでいっているんだが、行先を告げず前にいた国から出ていきやがったらどこにいるかわからなかったんだ。」


「マグナさんが作るちゃんこ鍋おいしいですよね!?私も何度も作ってもらうようお願いしました!」

 ちゃんこ鍋の話題にセレスも食いつく。


「おぉ!話が分かるじゃねぇか! よし、久しぶりに話すと食いたくなってきたから、早速アルカディア皇国に行ってくるわ」


 そう言うや否や、ドゴンッ!という音とともにストロフ会長は超スピードで飛んでいき、瞬く間に姿が見えなくなっていった。


「…なんていうか凄い人だったね」「ああ、けれども実力は本物だ」


 嵐のような人だったが、話せたのはでかい。

 早速帰って、あの人から一本とるためのイメージトレーニングをしないとな。


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